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「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.004

だれもの命の原点は子宮であり、触れること、触れあうことの大切さを伝えたい

医師になったのは80年代後半。当時はベビーブームも終わり、少子化に移っていた時代。なぜ、産科医になることを選んだのか。選んだ道で彼は何を学び、どう行動しているのか? 行動派産科医といわれるに至る竹内正人の「原点」

「妊娠・出産」ガイド 竹内 正人

文/山本初美 写真/金田邦男

「行動派産科医」と名のる竹内さんの活動は幅広い

「行動派産科医」と名のる竹内さんの活動は幅広い

JICAの活動、国際養子縁事業を通して

竹内さんが医学部に入る前から関心を持っていたのが、JICA(国際協力機構)の活動。ベトナムの母子保健プロジェクトに関わったのをきっかけに、ニカラグア、パレスチナ、マダガスカルなどを訪問。医療者と母親、家庭との関係性や医療者のあり方などに焦点を当てて活動し、赤ちゃんの死をテーマにしたワークショップも開催してきた。

また、望まれない妊娠の後に生まれてきた命を救うために、国際養子縁組の事業にも携わる。「実親から見捨てられた子どもを、養親は心から愛してくれるし、彼らの親戚や友人たちは、その絆を喜んでくれる。それを知るたびに家族や人と人との関係について考えさせられます」

人の原点は子宮。それを伝えるのが人生の第3ステージ

人の原点は子宮。それを伝えるのが人生の第3ステージ

人の原点は子宮。それを伝えるのが人生の第3ステージ

竹内さんが産科医として働いてきて改めて思ったのは“子宮”のすごさだった。

子宮は、すべてを受け入れる臓器であり、生まれてきた者、生まれなかった命も、最初に触れる相手。遺伝子や受精などミクロの操作ができる時代になっても、その受精卵を育む子宮は人工的にできそうもない。

だれもの命の原点はこの子宮であり、触れること、触れあうことの大切さを伝えたいという思いから始めたのが「しきゅうちゃんプロジェクト」だ。そして今年、子宮的あり方をより広く発信するために、音楽などを通し「WOMB」(ウーム)という活動をスタートさせる。

「母子の命を救うことにがむしゃらに働いたのが第1ステージ。第2ステージは、医療の中で人間的なあり方を伝えようと取り組んだこと。そして、第3ステージがWOMBの活動。どんなに違う境遇でも、子宮のように、相手を否定せず、あるがまま受け入れることができれば、そこから新たなナラティブが生まれてくる。自分自身も大切にできて、優しくなれるんです。これは、自分の原点に通ずるからだと僕は思っています。そんなことをいろいろなアプローチで社会へ伝えてゆきたい。震災から再生しようとしている日本から、未だに折り合いをつけられないアジアの国々、そして世界へ向けて、100年先の“優しい世界”を願って、仲間たちと一緒に発信していきたいですね」

「妊娠・出産」ガイド 竹内 正人

東峯婦人クリニック副院長、竹内正人事務所代表はじめ、より優しい「生まれる」「生きる」をめざし、地域、国、医療の枠をこえて、さまざまな取り組みを展開する行動派産科医。グリーフケアクリニック、よろず人生相談室を開設、ファシリテーターとしても活躍している。本年、音楽を主としたアート、空間デザインなどを通して優しさを発信するプロジェクト“WOMB”をスタートさせる。

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