Human dept. スゴイ人、そろってます。

「その道のプロ」のルーツを探る ガイドの原点−origin-

vol.004

だれもの命の原点は子宮であり、触れること、触れあうことの大切さを伝えたい

医師になったのは80年代後半。当時はベビーブームも終わり、少子化に移っていた時代。なぜ、産科医になることを選んだのか。選んだ道で彼は何を学び、どう行動しているのか? 行動派産科医といわれるに至る竹内正人の「原点」

「妊娠・出産」ガイド 竹内 正人

文/山本初美 写真/金田邦男

木場にある竹内さんのクリニック

木場にある竹内さんのクリニック

グリーフケア専門クリニック開設

この赤ちゃんの死をきっかけに、竹内さんは長いトンネルから抜け出したという。

「たとえ命を救えないケースでも、家族にとってそれで終わりではない。どの赤ちゃんにもきっと産まれてきた意味があって、そこには、僕たち医療者が切り捨ててきたナラティブ(物語)がある。だからこそ、どのような状況であっても、赤ちゃんと丁寧に関わらなければいけないと気付いたんです」

同時に「赤ちゃんの死」の視点を持つようになったことで、産科、病院の領域を超え、医療と社会とをつないでいきたいという思いが強くなり、05年、大学の産婦人科医局を去った。

竹内さんのさまざまな活動が社会に認められている証

竹内さんのさまざまな活動が社会に認められている証

1年ほど介護の現場に身をおくも、縁があって再び産科に戻ることに。その際、赤ちゃんを亡くされた親のために、周産期のグリーフケア(※)を中心とした専門クリニックも開設。ここでは、相手が話し始めるのをただ待ち、沈黙を含めた時空を共有するのだという。

「僕には悲しみや怒り、苦しみを直接癒すことはできない。けれどこの時間が奥底に沈殿しているやりきれない感情との折り合いをつけるきかっけになってくれれば」このアプローチが「よろず人生相談室」へとつながっていった。

※グリーフケア…大切な人を亡くして悲嘆に暮れている(グリーフ)人をサポートすること。

Previous

Next

Info

All About Human dept.とは、「人」にフォーカスし、人間が持つおもしろさを追求するウェブメディアです。様々な分野から、自分のスタイルを持ち、第一線で活躍している「その道のプロ」たちをご紹介します。