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vol.034

ダンサー・平山素子×奇跡(後編)

舞台に足を運ぶからこそ刺激される好奇心
平山素子の『フランス印象派ダンスTrip Triptych』

コンテンポラリーダンスには明確な定義がない。明確な定義がないからこそ、自分の五感で確かめるべく劇場に足を運んでみる、というのがコンテンポラリーダンスを知るには最良の手段だろう。平山素子さんに、新国立劇場での6月の公演『フランス印象派ダンスTrip Triptych』について伺った。

All About「クラシック音楽」ガイド 大塚晋さんがリスペクト

平山素子さんのダンスに接することは「見る」という五感の一部の話ではなく「体験」という言葉の方がふさわしい。研ぎ澄まされた知的な身体と感覚が生み出す動きは、軽々と言葉を跳び越え、奇跡的な世界を現出させる。命そのものである「身体」の圧倒的な存在感を体験してみませんか?

取材・文/中村桃子(All About編集部) 写真/三浦太輔

——6月に新国立劇場で上演される『フランス印象派ダンスTrip Triptych』について伺っていきたいと思います。

『Trip Triptych』は新作になります。フランスの19世紀から20世紀に活躍したサティ、ラヴェル、ドビュッシーの音楽をつかい、当時のフランス印象派というアートのうねりを意識して構成されています…といってもかなり素子流ですが。

平山素子氏

——その作曲家を今、つかう理由はありますか。

2008年にストラヴィンスキーの『春の祭典』を振付けました。音楽とダンスという、当たり前で基本的なことをシンプルにとらえ、現代的な感性を載せる方法を評価していただき、新国立劇場の舞踊芸術監督のデヴィッド・ビントレー氏に、ストラヴィンスキーと同時代の作曲家として、日本でも人気の高いサティ、ラヴェル、ドビュッシーにチャレンジしてみてはとご提案をいただきました。

実は、さほど興味がなかった時代なんですよ。ストラヴィンスキーもそうでしたし、今回の、サティ、ラヴェル、ドビュッシーもこれまでの作品で選んだことがなく、逆に新鮮です。

小山進氏

音のないリハーサル。作曲家とつくりあげる作品

——普段はどのような音をおつかいになるのですか?

最近は、作曲家の方に音楽をつくっていただくことが多くなりました。私は総合的な芸術としてダンスを捉えていて、同時代の多くのアーティストと一緒にオリジナルをつくりあげたいんです。音楽なく振付を進め、あるタイミングで作曲家を呼び、こんなモチーフがあるので作曲お願いします、と依頼しています。お互い緊張しますよね。

——そういったつくり方は珍しいですよね。

驚かれますね。リハーサルの段階でこんなに音がないことは、ないって。2012年に新国立劇場で公演した『DANCE to the Future2012』の新作『Ag+G』も前半期はほとんど音楽なくリハーサルをしました。バレエ団のダンサーが出演する公演でしたが、彼らは音楽表現が最大のミッションですから、やりにくかったみたいです(笑)。驚かれました。リハーサルの段階でこんなに音がないことは、ないって。

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