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vol.030

エスコヤマ・小山進×表現力(後編)

お菓子づくりを通して、表現するということ
小山進が伝えたいもの

小山進さんがお菓子作りのなかで大切にしている、表現するということ。なぜ、表現することを重視するようになったのか? 表現するためには、どんなことを、どのようにやっていくことが必要になってくるのだろうか。

All About「洋菓子」ガイド 下井美奈子さんがリスペクト

少年のような遊び心を忘れず、スイーツ作りに日々奮闘される小山シェフ。スイーツそのものだけではなく、取り巻く環境やパッケージ一つとっても、ご自身の価値観を信じて追及される姿勢にいつも感銘をうけます。今後も、時代の流れに沿って、ますます進化されていくお店でしょう。

取材・文/中村桃子 写真/三浦太輔

パリで開催されるチョコレートの祭典 サロン・ドゥ・ショコラで初出展でありながら2011年の外国人最優秀ショコラティエ賞を受賞、更にはフランスで最も権威あるショコラ愛好会 クラブ・デクロクール ドゥ ショコラで外国人、初出展ながらも最高位のタブレット5枚を獲得した小山進さん。2012年も、その快挙を成し遂げ、チョコレートだけではなく、幅広いジャンルのお菓子で人を惹きつける小山ブランドをつくりだす表現力の源泉を探った。

——エスコヤマのお菓子ですが、都内では店舗も無いですし、なかなか食べる機会を得るのが難しいです。特に小山ロールはオンラインショップでの発送もないですよね。

たくさんのご要望をいただきますが、それは品質を守るためにやむを得ないことなんです。僕たちは小山ロールを全力で守らないといけないんです。色々なところで作ると品質を維持するのが難しくなりますし、ここの空気を味わって、小山ロールの根底にあるものを五感で感じとって、その上で味わってほしい。たまには催事に出すのは、どうしても買いに来られない方へのお詫びです。

小山進氏

サロン・ドゥ・ショコラへの出品を通じて世界に発信したかったこと

——国内の方は、ゆりのき台のお店まで買いにきたり、催事で出会えると思うので、東京などの首都圏に出展しないのは分かりますが、サロン・ドゥ・ショコラで評価されたということで海外の方が召し上がりたいという希望もあると思うんです。海外出店のご予定は?

それが全然興味がない。自分ができることで精一杯なので、世界の人が食べたがっているなんていうニーズに応えられるほど、大きい人じゃないです。サロン・ドゥ・ショコラに出るのは、1年に1回、海外の方にも食べられる機会を、ということで、それで精一杯です。

——サロン・ドゥ・ショコラは腕試しではなかったんですね?

まさか。去年は日本人代表として、震災があったから行こうとは思いましたが、それがなかったら行かなかった。2012年のサロン・ドゥ・ショコラに出ることは1位になった責任を果たすという意味合いが大きいです。

——ここ以外の場所に店舗を構えるおつもりがないながら、ゆりのき台という場所に、小山ロールなどの生ケーキ、チョコレート、コンフィチュールなど幾つかのエスコヤマブランドの店舗がありますよね。小山さんはパティシエ、ショコラティエに留まらず、事業にもご興味があって敷地内に店舗を増やしていらっしゃるんですか?

いいえ、僕は経営者や事業家になりたいわけではないんです。なぜこんなことになったのかという背景というか、理由があります。毎日、違和感を見付けて、その違和感をなくしていっているだけなんですよ。

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