Human dept. スゴイ人、そろってます。

AllAboutガイドがリスペクト プロの流儀-mode-

vol.029

エスコヤマ・小山進×表現力(前編)

丁寧を武器にする
小山進の作り出すエスコヤマのお菓子

パリで開催されるチョコレートの祭典 サロン・ドゥ・ショコラで初出展でありながら2011年の外国人最優秀ショコラティエ賞を受賞、更にはC.C.Cで外国人、初出展ながらも最高位のタブレット5枚を獲得した小山進さん。チョコレートだけではなく、幅広いジャンルのお菓子で人を惹きつける小山ブランドの秘密に迫る。

All About「洋菓子」ガイド 下井美奈子さんがリスペクト

少年のような遊び心を忘れず、スイーツ作りに日々奮闘される小山シェフ。スイーツそのものだけではなく、取り巻く環境やパッケージ一つとっても、ご自身の価値観を信じて追及される姿勢にいつも感銘をうけます。今後も、時代の流れに沿って、ますます進化されていくお店でしょう。

取材・文/中村桃子 写真/三浦太輔

——小山さんは小山ロールからチョコレートまで幅広いジャンルのお菓子を作り、三田(さんだ)のゆりのき台にエスコヤマという空間を作られている。ここに通底する想いや信念を伺えますか?

今年の11月2日に『丁寧を武器にする』という本を出します。僕から丁寧なんて言葉は想像もつかないかもしれないけど、掘り下げて一生懸命ということです。小学生の頃から、特に、夏休みの課題の図画工作だけはびっくりさせたかった。僕より凄いやつがいたら、一瞬、落ち込んで、その瞬間から来年の構想を始めていました。それが今のお菓子作りにも続いています。

小山進氏

何だって真剣にやれば、何かしら後々に活きてくるんです。例えば、AKB48の総選挙だって本気で当てに行きました。大好きな漫画で岸本斉史(きしもと まさし)さんが描いた「NARUTO」という作品があるのですが、次の回のストーリーが想像できるところまで読み込んで、そこからも人生の哲学を確認します。

目の前にあることを好きになって、一生懸命深く掘り下げていくからこそ、見えるものがありますよね。それが、僕の考える丁寧に生きることです。

サロン・ドゥ・ショコラへの出品を通じて世界に発信したかったこと

——その積み重ねの成果のひとつが、サロン・ドゥ・ショコラでの評価。つまり、世界で1番のチョコレートであるという証明ですよね。

賞を取ろうとか、世界でやっていくということが目的になったことは一度もないんです。海外に修行に行ったこともないくらいですしね。

ただ、311の震災の後でもあり、日本人代表としてやろうとは思いました。日本の食品に対する安全神話が崩壊して、だからといって、日本の何もかもがダメなわけではないということを伝えたかったんです。

エスコヤマをオープンしたときから、島国日本で、その文化になかったチョコレートをやらせてもらうという謙虚さと、日本人のものづくりの丁寧さへの自負がありましたが、それを伝えたいという想いが震災によって強くなりました。さらにそこで賞をいただいたのをきっかけに、もう1ステップ面白いことができると思うんです。

——面白いこと。例えば、今、チョコレートを売るためのお店を、この敷地内に作っていらっしゃることなどでしょうか。

はい。そのお店の名前、「Rozilla(ロジラ)」にしたんです。

——もしかして……

そう、路地とゴジラを掛け合わせた造語です(笑) 1階は埋まったような感じで、店内は古代アステカ文明から今に繋がるチョコレートの歴史が垣間見えるような内装にして、秘密基地のような雰囲気にするんです。この壁の塗りを、久住章(くすみ あきら)さんと久住有生(くすみ なおき)さんにお願いします。「ほんまもん」で作っていくんです。

小山進氏

Next

Info

All About Human dept.とは、「人」にフォーカスし、人間が持つおもしろさを追求するウェブメディアです。様々な分野から、自分のスタイルを持ち、第一線で活躍している「その道のプロ」たちをご紹介します。