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vol.022

星野リゾート・星野佳路×実現(後編)

星野リゾートの成功を導き出す
教科書通りの経営とは?

拡大する星野リゾートブランドの4代目社長である星野佳路さんは、教科書通りの経営をするという。流動的な市場に対し、敢えてセオリーで向き合っていく理由は? そのセオリーの実践方法とは? 星野リゾートの急進拡大を支える星野佳路さんの経営力の一端を垣間見る。

All About「旅館」ガイド 井門 隆夫さんがリスペクト

人口減少に直面する日本において「訪日外国人の誘致」「平日需要の喚起」「連泊滞在の推進」を公言し、実践的に進められている日本唯一の企業が星野リゾートだと思います。今の成功は、星野社長に加え、その考え方に共感する優秀なブレーン・社員が集まった賜物でしょう。

取材・文/中村桃子(All About編集部) 写真/三浦太輔 

――4代目の社長として、代々の家業を継ぐことに抵抗はありませんでしたか

物心ついたときから、周囲の大人に跡継ぎだと紹介されていました。祖父母が隣に住んでいて、色んなお客さまがいらっしゃるたびに、「うちの跡継ぎです」と。そうやって育つと、そういうふうに生まれてきたんだと疑問にも思わなかったです。

――そこまで跡を継ぐことに対してハラが据わっていたとしたら、進路の選び方も家業を継ぐということを意識して選んだり……。

それが、家業を継ぐということが決まっているなら、学生時代は違うことに打ち込んでおこうという考えだったんです。

小学校のころからスピードスケートをやっていた経験を元に、中学校ではアイスホッケーに転向して、そこから大学卒業まで、アイスホッケーのために何ができるかという学生時代でした。

大学を卒業すると同時にアイスホッケーから引退して、流石に家業を継ぐための勉強をしようと、ホテルに勤めた後、アメリカのコーネル大学ホテル経営大学院修士課に2年間行って、そこで理論的な勉強をし、1989年に帰国。1991年に社長就任しました。

教科書通りの経営に取り組む理由

――小さい頃から思い描いていたとおり91年に社長に就任し、経営をしていく。『星野リゾートの教科書』で拝読したのですが、星野さんは教科書通りの経営をすることを意識していらっしゃる、と。そこをもう少し詳しく伺いたいです。

自分が割とストイックな性格なんです。アイスホッケーをやると決めたら集中して、それ以外やることが許せなくなったりする。ビジネスもあれだけ理論があるなかから合うものを見つけて、突き詰めていく。そういうことが向いています。

僕が実践している経営理論は、経営者なら誰でも読んだことがあるようなものですが、いいところだけつまみぐいしたり、アレンジしてしまうことが多いと思うんです。僕の場合は、その理論が証明されているなら徹底的にやってみたくなる。

――星野さんが挙げられた書籍は、一般的に経営の定番や名著として目にするものが多いですが、それこそ、ご自身が置かれる事例がそれを実践するのにぴったり合致するとは限らないですよね。その場合は、どうやって理論と現実の溝を埋めていくんですか?

理論を忠実にやっていくには、どういうふうに解釈したら良いか徹底的に考えるんです。例えば、「こういう結果を出すには、この3つが必要だ」という理論があったときに、「この3つめだけ取り入れよう」というと、理論の本質と違ってきてしまう。

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