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vol.003
デザイナー・廣川玉枝 × SOMARTA(前編)
東京コレクションのなかでも、異彩を放つSOMARTA。SOMARTAを率いる廣川玉枝氏から、彼女がファッションから受けた感動や、現代を生きるデザイナー像を探っていく。
All About「レディースファッション」ガイド宮田 理江さんがリスペクト
世界への飛躍が今、一番期待される日本ブランドです。「ファッション世界遺産」と呼べる日本のニット技術をモードに落とし込んで、芸術性とリアル感を高い次元で両立。デザイナーのブレないプロ意識は、袖を通すたびに誇らしい気持ちにすらさせてくれます。

取材・文/中村桃子 写真/三浦太輔
文化服装学院アパレルデザイン科を卒業後、イッセイ ミヤケを経て独立。2007年春夏の東京コレクションに参加し、毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞。自ら設立したデザイン事務所SOMA DESIGNの一プロジェクトとしてSOMARTAを規定し、ショーでは物語性を映像と共に表現する一方で、無縫製ニットをはじめとした手法の探求も続けている。米VOGUE編集長 アナ・ウィンターやレディー・ガガからも注目される、ドメスティックブランドの牽引者のひとりである。ブランド名は、伝説の蓬莱の玉の枝から生まれ出る雫“AMRITA”、“SOMA”というサンスクリット語を合わせたもの。美しき世界観を紡ぎだし続ける想いはどこから来るのだろうか。
——SOMARTAを立ち上げた経緯は?
20代はアパレル会社に勤務をしていたのですが、30歳をきっかけに独立しました。ファッションだけではなくて、食や旅行、アートや建築… 様々なことに興味があり、ただ服を作るよりも、それに関わるものを複合的に捉え、世界観を持たせることにより、ファッションをより楽しく、感動できるものにする仕事をしたいと考えていました。
——その第一歩が、スキンシリーズなんですね。

はい。スキンシリーズというのはブランドのシグネチャーとして、毎シーズン研究を重ねています。
私の学生時代から多くのデザイナーの方々が、「第二の皮膚」というのを衣服で表現されていました。それが頭の片隅に残っていて、自分がブランド設立時には、皮膚により近いミニマルな表現をしたいという思いが強くなり作ったのが、スキンシリーズです。
このスキンは女性の体のラインを美しく見せるウェアです。体の矯正には時間がかかりますが、柄や編みの設計を研究することで、服を身に纏うことにより視覚的に身体のバランスが美しく見えるようなデザインを提案しています。
スキンシリーズを続けつつ、毎シーズンのテーマを設定して、新しい技術や素材をコレクションに取り入れています。
——毎シーズンのテーマの設定があって、技術や素材が決まっていくんですね。

はい。京都で箔押しの、プリントに見えない加工を試作したり、「えっ」と驚くようなテキスタイルに出会ったり、そういった技術的な背景からインスピレーションを受けることもありますが、コレクションを組み立てるときはテーマから考える方が多いです。
本を読むことが好きですし、音楽を聴いたり、色々な日常の発見が重なり、自分を通してテーマができてきます。デザインを展開していくときは、作りたいイメージをデッサンをしながら、ここに刺繍がほしいなとか、こういうテキスタイルが良いな、など、パーツを組み合わせるように完成形に近づけていきます。