長く暮らせる家づくり

ガイド:大塚 有美

衣食住でもっとも後回しにされがちな「住」の見直しを提案する!

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阪神淡路大震災に克った家

掲載日: 2005年 01月 17日

ロングライフ住宅は震災をのりきれるのか? 阪神淡路大震災に克った家(1)

昨年は、新潟県中越地震やスマトラ沖地震が起こり、今年は阪神・淡路大震災10周年でもあり、地震に対する関心が、いやがうえでも高まってきています。「長く暮らせる家づくり」を考えるうえで、地震を中心とする災害は避けては通れないテーマでもあります。

さて、あなたは「長く暮らせる家」という言葉を聞いたとき、どのくらいの具体的な寿命(年数)をイメージすることができますか? 60年? 80年? それとも100年でしょうか。思い浮かべる年数は、人それぞれかもしれません。今回は、その「長く暮らせる=ロングライフ」に確固たるイメージをもつ人が建てた住宅が、築10年経ってなお、あの、阪神・淡路大震災をのり越えたというお話です。


具体的なイメージは「100年」

Nさんの現在のお住まいは築20年。阪神・淡路大震災で最も被害が大きかったといわれる兵庫県西宮市にあります。その前に暮らしていたのは、建て売りの木造住宅で、断熱性・気密性が低く、特に7〜8月の夏場は暑く、2階では生活できないほどだったそうです。外気温の暑さがそのまま家に伝わっているようでエアコンが全然きかず、子供たちもみんな自然と1階で生活するようになってしまったとか。こういった暮らしに対する不満のほか、お子様の学区のこともあり、西宮市のご両親の家を二世帯住宅に建て替え、一緒に暮らすことにしたそうです。

建て替えるにあたって、Nさんがこだわったのは「100年住める」ということでした。自分たちだけでなく、子供や孫、その先の世代まで住み継げる家を建てることを第一としました。理由は簡単、世代ごとに建て替えていたのでは、子供たちがいつまでたっても豊かになれないと考えたからです。子供や孫、さらにその先の世代まで、住宅にかかる費用が減らせれば、その分、豊かに暮らせるというわけです。

Nさんご夫妻は本や雑誌を見たり、展示場をまわったり、はたまたハウスメーカーのバス見学会に参加したりして積極的に長く暮らせる家についての研究を重ねました。そして、たどりついた答えは「骨格と基礎が重要」でした。

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築20年のNさんの家。1階にご両親、2階にNさんご夫妻が暮らす二世帯住宅です。家の前には小川が流れています

骨格・地盤・基礎がポイント

「長く暮らせる家」を建てるにあたって、Nさんは、なぜ骨格と基礎が大切だと考えたのでしょうか。それは、Nさんが長く暮らせる家について、具体的なイメージをお持ちだったからです。

第一は、広い部屋をとれる家であること。子供の独立など家族構成の変化には、室内を細かく区切るのではなく、広々した部屋を家具などで仕切るようにしたほうが対応しやすいと考えたそうです。そして、自分に孫ができたときにも、広々とした部屋で遊ばせたいと思っていたといいます。

第ニは、メンテナンス費用がかからないこと。これは、住宅にかける費用は将来的にも最小にしたかったから。こういった要件を満たせれば、2世代3世代と住み継げると考えたそうです。

これらの理由から、Nさんご夫妻は頑丈な鉄骨の骨格をもつへーベルハウスを選択しました。その理由は、その家は広い部屋がつくれるだけでなく、将来的な間取り変更にも柔軟に対応できそうだったから。そのうえ、その住宅メーカーは建てる前の地盤調査もしっかりしていたことも決め手となった理由だったそうです。実際、Nさんの家の場合も敷地調査をしてみたら、敷地の南東の端が軟弱地盤だったことが判明。固い地盤層までパイルを打って対応したそうです。

こうして完成した家は快適でした。夏場、つらい思いをした以前の家とは比べものにならないくらいエアコンはきくし、冬も暖かい。光熱費もさほどかからない。家の前に小川があるせいか、夏は甲子園の浜風が涼しく、冬は朝から夕方まで日が入る、まさに、自然の風と太陽を取り入れて暮らせる理想の家ができ上がったのです。

その後、10年近く快適に暮らした1995年1月17日、Nさんの家を阪神・淡路大震災が襲います。そのときの体験については、次ページで。

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