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「イタリア」ガイド:岩田 砂和子
第7回:「イタリア」ガイド 岩田 砂和子 2004年04月15日
「All About」を支える約280名のガイド。ガイドは一つのテーマに一人だけ。厳しい審査を何度も通りぬけ、そのテーマのナビゲーターとなる。彼らがそのテーマに魅せられた理由とは?All Aboutを通して発信したいこととは何なのか?このインタビューでガイドたちの素顔に迫ります。
海外で暮らしたい。それはほんの少し自分の背中を押すだけで叶えられる夢なんです。
「イタリア」ガイド:岩田 砂和子
「イタリア」ガイド:岩田 砂和子
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編集長:森川さゆり、「イタリア」ガイド:岩田 砂和子
左:「イタリア」ガイド 岩田 砂和子/
右:編集長 森川 さゆり
Photo by Hideo Matsumura
編集長インタビュー第7回目は、イタリアガイドの岩田砂和子さん。岩田さんは、旅行雑誌の編集のかたわら、世界各地を旅するうちにイタリアの魅力にとりつかれるように…。休みが自由になるフリーライターに転身後、フィレンツェをはじめキャンティ、ナポリなど、イタリア各地に滞在。自称"イタリア限定短期留学マニア"。2001年1月よりローマに在住。今回はイタリアの飽くなき魅力や、通っぽくイタリアを楽しむコツを伺ってみました。
イタリアの"ゆるい雰囲気"が好き
住むならココ!と思ったんです
森川:
岩田さんはいつ頃からイタリアに暮らすようになったのですか?

岩田:
2001年、All Aboutの立ち上げと同じ頃です。当初は、語学留学とバカンスを兼ねて6ヶ月くらいの予定でしたが、結局は日本といるのと変わらず仕事を始めてしまって・・・。「イタリアサイト」の立ち上げもあって、最初は結構苦労しましたね。電話線の確保、とか・・・(笑)。

森川:
場所はイタリアのどちらでしたっけ?

岩田:
ローマです。その前に、何度かイタリアには短期留学をしていて、南部のゆったりとした雰囲気がいいなあ、と思っていたのですが、南イタリアののんびりムードに慣れてしまったらもう、日本には帰れないかも?!と思って、南らしさもあり、街でもあるローマに決めました。一応(?)首都ですから、いろいろな面で便利でもあるだろうと。

森川:
それにしても、実際に移住しちゃうってすごいですよね。なぜそこまで"イタリア"なんですか?

岩田:
イタリアの前はフランスが好きで、10年位前にイタリア好きだった友達とパリとミラノを旅行したんです。そのときは「え〜ミラノかあ・・」ってな感じで、まったく興味なかったんですが、実際に旅行してみたらすごく楽しくて。

特に「人」が面白かった!「ああ、この人たちと話してみたいな〜」と思ったのがイタリアとの出会いでした。それで、旅行から帰ってすぐ、渋谷にある日伊学院に申し込んで、イタリア語を習い始めました。

「イタリア」ガイド:岩田 砂和子
        
森川:
イタリア語は覚えやすいんですか?

岩田:
文法的には、英語よりは難しいですが、発音がローマ字読みのままなので、日本人にとっては発音しやすい語学だと思いますよ。加えて、イタリア人のコミュニケーション能力の高さ!あまり話せなくても、よく聞いてくれるし、応援してくれる感じで「うんうん、わかるよ」と。

森川:
語学はどれくらい勉強されてから向こうに行かれたんですか?

岩田:
日本で週に2時間、1年間ほど習いました。その間に、フィレンツェに2週間短期留学をしたのですが、そのときに学んだイタリア語が、日本で1年間、一生懸命時間をやりくりして学んだものよりもずっと中身が濃くて…。やっぱり語学は現地かな、と。生活しながら覚えた方が、実践的だし吸収も早いですよね。

森川:
それで住んでしまおう、と?

岩田:
いやいや、それから1年半くらい考えましたよ。特に「仕事をどうするか」で悩みましたね。日本に戻ったとき仕事があるかしら、と。そんな矢先、海外で仕事をしている同業者の方々と話す機会があって、皆さん30代になってからの移住組で。「行けばなんとかなるもんだよ」と、背中を押された感じでした。

語学レベルと人間関係の深さは比例する
ケンカで上達するイタリア語?!
森川:
今ではローマにお友達もたくさんできたんじゃないんですか?

岩田:
そうですね。最初は現地で通っていた語学学校で知り合う友達が多かったですが、仕事を通じて知り合う人や、友達の友達、という風にどんどん増えていくもんですよね。語学ができるようになると、付き合い方も変わってきます。

森川:
より深く付き合えるってことですか?

岩田:
ええ。単純な会話しかできないと、知り合う人と理解しあえる中身も単純。それが世間で起こっていることや感情も複雑に表現できるようになれば、自然と相手とも複雑な話ができるようになり、面白くなります。人生論議に花が咲くようになりますよ(笑)。

森川:
コミュニケーションの上で、日本人との違いを感じることってありますか?

岩田:
しっかり自分自身の意見があって興味深いです。たとえ反対意見でもね。だからコミュニケーションが活発な感じがします。まあ、ただ熱くなりやすいので、白熱するとスゴイ。よく言われるのですが「ケンカすると語学が上達するよ」と。

イタリア人の口ゲンカはすさまじいですから(笑)。豊富な語彙と言い回しを覚えますねえ(笑)。まわりと比べて同じじゃないといけない、という発想がまったくなく、むしろ「独自の発想」ができる人が人気。だから、自分の個性を大事にしたのびのびした感じを受けますね。

森川:
だから、あんな明るい国民性なんですね。

岩田:
そうかもしれませんね。人間関係のストレスは少ないと思いますよ。言いたいこと言っても後腐れがないし、やりたいことやってる人が多いですから。まあ、公共機関や政治に対する不満は日本以上ですけどね(笑)。

楽しむためには最低限の準備が必要!
イタリア好きのためのイタリア滞在術
森川:
岩田さん的には、観光で訪れるならイタリアのどこの地域がオススメですか?

岩田:
そうですね。1回目のイタリア旅行ならローマ、フィレンツェ、ベネチア、と有名な観光地をまわるのがベストですが、2回目、3回目となったら、トスカーナや、シチリアなんかもいいですね。田舎の方がいわゆる「イタリアらしさ」を感じやすいかもしれません。

森川:
アグリツーリズモとか?

岩田:
そうそう。今、イタリアでも流行っています。自然に帰って身体にいい美味しいものを食べよう!と。スローライフの原点ですよね。

森川:
イタリアは郷土料理が美味しいですしね。

岩田:
そう、パスタ料理ひとつとっても地方地方で違います。カルボナーラはローマ料理、ボロネーゼはボローニャ料理、といった風に。南部ではオリーブオイルをたくさん使って、バターは使わない、とか北イタリアはパスタよりお米をよく食べる、とかね。

森川:
あれ、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノはどこのパスタなんでしたっけ?

岩田:
具材が、にんにくとペペロンチーノ(赤唐辛子)とオリーブオイル、と基本的な材料だけだから、どこでも食べます。日本で言えば「お茶漬け」みたいなもんだから、おもてなし、のときは出しません。

森川:
そうか、前にイタリアへ行ったときレストランのメニューで見かけなかったので不思議だったんです。謎がとけました。ところでレストランといえば、どうやって美味しいお店を見分けたらいいんでしょう?

岩田:
地元の人に聞くのが一番、が私の持論です。タクシーの運転手さんが旨いラーメン屋をよくご存知のように、世界共通だと思うんですよ。旅行先でも、観光に関係ない洋服屋さんとか、お肉屋さんとか、そういう「普通の地元の人」に突撃取材して聞き出します。それが難しいときも、できるだけ「日本語や英語のメニューがある」「店員が妙になれなれしく日本語で話しかけてくる」店を避けます。

森川:
観光客向けのところというわけですね?

岩田:
そうですね。ローマのような大きな観光地は、観光客を相手にしている店と地元客を大事にしている店とはっきり分かれているように思います。

以前に比べると、日本ブームで日本に対する関心が高まってきていて、だいぶ日本人への扱いはよくなってきているとは思うのですが、やっぱり相手を見て手をぬくようなところがありますからね。「どうせ、わからないだろう」とね。さぼり魔が多いですから。反面、価値がわかる人間だと思われれば、自慢したがりなところもあるので(笑)、喜んでサービスをしてくれますよ。

「イタリア」ガイド:岩田 砂和子
森川:
今イタリアに訪れる人というと、旅行者では女性が圧倒的に増えていると思うのですが、イタリアで暮らそうという女性も増えているんでしょうか?

岩田:
確かに女性は多いです。最近では若い男性も増えてきてるみたいですよ。語学学校に通いながら、ガラス職人やシェフになりたいなど、夢を抱いてやってくるようです。

森川:
なるほど。インテリアや建築などアート関係でも今イタリアのものは人気ですものね。そういったイタリアで暮らすという選択をする人に向けて先輩として岩田さんから何かアドバイスはありますか?

岩田:
そうですねえ、まずは、語学はある程度日本で勉強してきた方がいいですかねえ。まったくゼロの状態で来てしまう人もいるみたいなので。基礎文法程度は知らないと、現地の語学学校に行っても、厳しいと思うんですよね。先生の説明も教科書も、当たり前ですがイタリア語ですから。

「チャオ」という挨拶しか知らないで来ちゃう若い子たちもいます。それで「今日は定冠詞をやります」とイタリア語で言われてもわかんないですよねえ。

森川:
そんな状態で、向こうに行っちゃう人がいるんですか?勇気あるなあ。

岩田:
私もビックリしました。そして、「授業がわからない」「ついていけない」と泣いたり悩んだりして暗い日々を過ごしている、なんて話は稀じゃないですよ。そして、やっぱり母国での生活とは違うから、いろんな面で苦しいことやつらいこともあります。差別的な態度を取られて傷ついたり、思ってるようにことが運ばないなんて、しょっちゅうです。そういったことを乗り越えられる「強さ」、はあった方がいいですよね。抽象的ですが。

急なショーペロ(スト)に遭遇しても、天井から水漏れしても「笑い飛ばせる」精神力が養える国です。全体的に漂うゆる〜い雰囲気がこの国の魅力ですから、あまりきちんとしてると逆に疲れます。時間もゆったりと流れています。私はもともと遅刻常習犯でしたので、助かってますが(笑)。

興味のある方には、どんどんイタリアの知られざる面白さを知ってほしいなと思います。私ももうしばらくは8割イタリア、2割日本という今の生活を続けたいな、なんて思っています。

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次回は出会いガイドの潮凪 洋介さんです。