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| 第23回:「海外移住 」ガイド 千葉 千枝子 |
2005年08月15日
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| 「All About」を支える約300名のガイド。ガイドは一つのテーマに一人だけ。厳しい審査を何度も通りぬけ、そのテーマのナビゲーターとなる。彼らがそのテーマに魅せられた理由とは?All Aboutを通して発信したいこととは何なのか?このインタビューでガイドたちの素顔に迫ります。
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| Photo by Kayoko Iwai |
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| 編集長インタビュー第23回目は、「海外移住」ガイドの千葉千枝子さん。海外移住というと特別な人のためのものという印象がありますが、最近では、第二の人生を豊かに過ごすために海外生活=ロングステイを実現する人が増えてきているそうです。海外移住の魅力や、海外移住を考えている人へのアドバイスを伺いました。 |
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| ■兼高かおる世界の旅に憧れて |
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| 第二の人生は海外と関わる仕事をしたかった |
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- 森川:
- 千葉さんは現在、海外暮らしについての執筆や、講演活動などを行っていらっしゃるそうですが、海外移住に興味を持ち始めたのは何がきっかけだったのですか?
- 千葉:
- 大学卒業後、最初に就職したのは銀行だったのですが、旅行が好きだったので旅行会社に転職しました。そこでは、6年半ほど国内外の旅行全般に関わる企画営業、添乗業務などをしていました。体力的にはきつかったですが、旅行のお手伝いをするという仕事は私にとってとても楽しく、天職だと感じましたね。
実は私は子どものときから、兼高かおるの世界の旅に憧れていて、1960年代に世界で一番住みやすい街といわれていた、オーストラリアのパースという街で暮らしたいと思っていたほどです。
出産を機会に退職したのですが、次は海外と生活に関わる仕事をしたいと思い、たどり着いたのが海外移住・ロングステイでした。
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- 森川:
- ロングステイというのは最近よく耳にする言葉ですが、具体的にはどういったものなのですか?
- 千葉:
- 2週間以上の生活型の海外滞在のことです。滞在先で働いて収入を得るのではなく、日本で得た収入を元に、海外でより豊かな自由時間を過ごし、現地の人々と交流したりすることを目的とした滞在のことです。ちなみにロングステイという言葉はロングステイ財団の登録商標で、無断で使えないんですよ。
旅行会社で働いていたときに、ロングステイを実践している人を取材したり、ロングステイ好適地を紹介したりしていた経験があったことから、(財)ロングステイ財団の評議員・賛助会員になりました。今は、講演やセミナーなどを行なったり、本や雑誌、新聞などに連載を執筆しています。
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| ■日本脱出をやみくもにすすめるつもりはない |
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| ロングステイの魅力は、日本をベースに海外生活が実現できること |
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- 森川:
- 千葉さんは海外移住、ロングステイの魅力は何だとお考えですか?
- 千葉:
- 海外移住というと、移民や永住といった言葉を連想しますが、私が皆さんに提案したいのは、生活の基盤は日本に置きつつ、海外で暮らす、好きな国で好きなことをしながら生活するという、ライフスタイルとしての海外移住です。広い家に住むなど、日本では経済的な理由からできないことでも、海外でならできることがあります。また、夏は暑いからカナダで暮らす、冬は寒いからオーストラリアへ、といったような渡り鳥のような暮らしも可能ですよね。
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- 森川:
- マルチハビテーションという考え方ですね。一年の半分を海外で暮らすなんて、ちょっと憧れますね。
- 千葉:
- 日本人にとって、日本という国はとても暮らしやすく、いい国です。ですから、私は日本を脱出することをすすめたり、日本で暮らすより外国で暮らすほうががいいというように、日本を否定したりするつもりはまったくありません。一方で、海外での暮らしは、文化や言葉の違いなどから大変なこともありますが、地元の人との交流など、日本では体験できないことができます。私は、漠然と海外で暮らしたいと憧れている人たちにエールを送り、夢を実現する方法を教えてあげたいと思ってこの仕事をしています。
- 森川:
- 海外移住、ロングステイを希望する人はどんな方が多いのですか?
- 千葉:
- 実際に講演会にいらっしゃったり、現地下見ツアーなどに参加したり、すぐに海外移住を始めたいと考えている方は、50代、60代に多いですね。リタイアした後の第二の人生の楽しみ方を模索なさっているのでしょう。ただ、この仕事を始めた頃は、中高年の方々を対象として始めたのですが、最近は30〜40代の潜在的なニーズも感じています。
私のように、バブルを経験した世代というのは、若いうちはものすごく働いて、年を取ったらハワイでのんびりと暮らしたいと考えているようです。また、旅行や駐在などで海外経験も豊富にある人たちなので、外国のライフスタイルに憧れている人も多いですね。
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| ■海外を知るにはまずは自国を知ることから |
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| 若い人には日本の歴史や文化をもっと知ってほしい |
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- 森川:
- 千葉さんご自身は海外移住のご経験はありますか?
- 千葉:
- 私は移住の経験はありませんが、私の父が台湾でロングステイをしております。会社員時代はエンジニアの仕事をしていたのですが、定年退職後に急に台湾に行くと決めたのです。台湾では、これまでの知識や経験を活かして、技術指導をしています。まだまだ元気に仕事をしたい、という気持ちが強いのですね。日本と台湾を行ったり来たりする生活をしています。私の父は、対価ではなくやりがいを求めて、また国際交流のひとつとして、海外移住を捉えているようです。
- 森川:
- すてきなお父様ですね! 私も将来は日本に基盤を置きながら、タイなどのアジアリゾートで暮らしてみたいですね。
- 千葉:
- タイはおすすめですよ。10年前までは海外移住といえば西洋諸国でしたが、ここ数年、フィリピン、タイ、マレーシア、インドネシア、台湾など、アジアへの移住が注目を集めています。やはり文化的、宗教的なところで、日本人の暮らしと合っているのだと思います。
- 森川:
- 日本人が暮らすのに、リゾート地はどうなのでしょうか?
- 千葉:
- 私はどちらかというと都市部をおすすめしています。車がなくても公共交通機関で移動ができますし、日本語が通じるお医者さんがいるなどのメリットがあるからです。海外で暮らす場合は、病気になったときにどうするかといったことや、セキュリティ面にも気をつける必要がありますね。
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- 森川:
- これから海外移住を考えている人に、何かアドバイスやメッセージをお願いします。
- 千葉:
- 海外移住で大事なことは、その国に「住ませてもらっている」という謙虚な気持ちをもつことです。「郷に入りては郷に従え」ということわざもありますが、海外で暮らすとなると、旅行のようにただ行って楽しむだけではすまなくなります。現地の人と交流する上で、その国の文化や歴史も十分理解してから行ってほしいと思います。
また、若い人の中には日本のことを知らない人が多いように感じます。海外で暮らす日本人は、よく日本社会や日本人についてのコメントを求められます。「海外で暮らし始めて、現地の人から日本のことを教えてくれと言われて、答えられずに恥ずかしい思いをした」、「着物を着て見せてくれと言われても、着物も着られない」、「日本の茶道について教えられない」という声を聞くことがよくあります。
いつか海外へと計画している人は、日頃から日本について知る努力をしてほしいと思います。折り紙を教えてあげるだけでも、外国の人は喜びますよね。少し日本について教えてあげるだけで、国際交流が生まれるので、そういうことを大事にしていってほしいですね。
- 森川:
- 英語が話せれば国際人かというと、そうではないということですね。
- 千葉:
- その通りです。海外で暮らす以上は、自国の歴史や文化について、ある程度話せるだけの準備をしてほしいですね。また、日頃から日本社会についての認識を深めておくことも大切ですね。
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