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「留学・インターンシップ」ガイド:豊田 圭一

第34回:「留学・インターンシップ」ガイド
豊田 圭一

2006年07月14日


「All About」を支える約300名のガイド。ガイドは一つのテーマに一人だけ。厳しい審査を何度も通りぬけ、そのテーマのナビゲーターとなる。彼らがそのテーマに魅せられた理由とは?All Aboutを通して発信したいこととは何なのか?このインタビューでガイドたちの素顔に迫ります。

出産はパートナーと共に、命を学べる機会 命を育んで行くことの原寸大を伝えたい

「留学・インターンシップ」ガイド:豊田 圭一
「留学・インターンシップ」ガイド:豊田 圭一

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左:「留学・インターンシップ」ガイド
豊田 圭一/
右:編集長 森川 さゆり

編集長:森川さゆりと「留学・インターンシップ」ガイド:豊田 圭一

Photo by Hideo Matsumura


編集長インタビュー第34回は、「留学・インターンシップ」ガイドの豊田圭一さん。子どもの頃の海外生活と35ヶ国以上を回ったというバックパッカー経験から、海外をずっと身近に感じてきたと言います。留学のコンサルティング会社を起業してからは、子どもから大学生、社会人まで、幅広いバックグラウンドを持つ人たちの留学をサポートしてきました。今回は、豊田さんが考える留学の魅力についてお話をうかがいます。

未知の世界への期待感

「国際人=英語をしゃべれること」ではない。

「留学・インターンシップ」ガイド:豊田 圭一

── 小さいころ海外にいらっしゃったそうですが、留学のためのコンサルティング会社を作られたのは、その影響があるのでしょうか?

豊田 3歳から8歳まではアルゼンチンで育ったんですが、それ以外は日本育ちです。意外に思われるかもしれませんが、比較的ドメスティックなんですよ。でも両親がずっと海外にいましたし、自分も学生時代はバックパッカーだったので、海外はずっと身近に感じていました。一度外の世界を見ておくと、人生を考える上でも、選択肢が増えると思っていましたし、日本人はもっと海外に行くべきだ、という思いはずっとあったので、バブルが崩壊した直後、働いていたゼネコンを辞めて、先輩2人と起業しました。

── 当時と比べて、留学の相談に来られるお客さんに、新しい動きというのはありますか?

豊田 まず一つは、ハードルが下がったこと。小さい頃から家族旅行や修学旅行で行ったりと、僕の世代に比べると全体的に海外が身近になってますよね。昔だったら留学は大ごとでしたけど、今は友達も行っているから私も行く、という風に、軽い気持ちで留学する人が増えています。
そして、20代の女性が増えていますね。個の時代になって、自分に合う仕事や生き方を探す人がますます増えていると思います。海外に行ったからといって、いきなりスーパーマン、スーパーウーマンになれるわけじゃないんですよ。でも、日本人にとって、海の向こうとなると「未知の世界」。何か違う世界が開けるんじゃないかという期待感は、今もとても大きいようです。

── 英語だけが目的というわけではないのですね。逆に、最近では英語がコンプレックスという大人が、自分の子どもを留学をさせることも多いと聞きますが。

豊田 多いです! でも子どもを一人で海外に出すことへの不安もあるようですね。全く違う文化の日常生活に入っていくわけですから、いわゆる「イメージどおりの留学」を管理するのは限界があります。だから、「日本と違うからこそ留学させるんですよね?」ということを、僕は最初に確認するようにしているんです。極端な話、そのまま向こうの人と結婚して日本には2度と戻ってこなくなっちゃうかもしれない。それくらいの覚悟ができていますか?ということも含めて。
普通はなかなかそこまで考えられてはいません。「これから国際人になっていくためには、英語は必須ですよね」というところだけで留学を考えてしまう。実際は、その国の文化に触れることで受ける、メンタル面の影響の方が大きいんです。 「国際人を育てることは、英語をしゃべれることとイコールではない」ということは、意外に理解されていない気がします。

留学はタイミング

言い訳をして行かなかった後悔は、長く残る。

「留学・インターンシップ」ガイド:豊田 圭一

── All Aboutで留学ガイドをするきっかけになったのは何ですか?

豊田 「留学」というガイドサイトを提案したら、僕自身がガイドになっていました(笑)。でも、伝えたいこともあったし、僕自身目立ちたかったんですよね(笑)。
と言うのも、留学の業界は利用すれば便利なのに、外から見ると分かりづらいと思うんです。旅行会社や銀行なら、誰でも何社か名前を言えるのに、留学業者というと大手の名前も分からない。業界としての認知をあげるためにも、まずは僕個人から有名になっちゃった方が、留学のコンサルというものを早く知ってもらえるかも、と思ったんです。

── ガイドサイトを通して、読者に一番伝えたかったことは何ですか?

豊田 「早く留学しとけ!」ですね(笑)。というのも、29歳、34歳になって、相談に来る方が多いんです。「実は私、学生のときに留学したかったんです。社会人になったらって思ってたんですけど、何かずるずるきちゃって・・・」という風に。人生って年齢を重ねるごとに、仕事のキャリアに結婚、親の介護、と、色んなリスクがでてくると思うんです。だからある程度「今なら行けるかも?」って思った時に行っておかないと、勿体無いと思うんですよね。一番良くないのは、ネガティブな理由をつけて今は行く時期じゃない、って無理やり考えてしまうこと。どんなきっかけでもいいから行く方がいいんです。いろんな気づきがあるでしょうし、失敗しても、次につなげられるでしょうから。

── 分かります。タイミングって自分が決めないと、掴めないんですよね。そうじゃないと、いつも忙しく追われてしまって。

豊田 留学って、行ったから何か変わる!という保障はないんですけど、行かなかった場合の後悔って、長く残るんです。この前、75歳の方にお会いしたんですが、30歳の時に留学をキャンセルしたことを今も後悔されていたんですよ。もう年齢じゃないんですね。一度でも行きたいと思った気持ちに言い訳はできないんです。だから行ける時に行った方がいいと思ってます。

── 思い切って飛び込んで、違った環境を自分のプラスに変えていくことは、大きなことですよね。

豊田 ええ。前回のW杯に行った選手も、半分以上が海外経験者でしたよね。全く違う国で、自分がタフに、柔軟に変わらなきゃという環境にいた人は、強い。コミュニケーション能力・交渉力・タフな精神力・・・。語学力はもちろんですけど、それ以外のプラスアルファの部分がすごく大きいような気がします。
それに僕、今日本のプレゼンスがすごく下がってるのを感じるんです。バブルの時代だったら、どんな国のビジネススクールでも、「日本モデル」というものが必ずあった。キヤノンとかトヨタとかソニーとか。でも今は日本企業がスルーされていて、中国の方が注目されている。これは日本人としても、さびしいことだと思うんです。留学することで、違いを認識したりとか、海外ってやっぱりこんなすごい人がいるんだな、と刺激を受けて帰ってきて、日本でのその人の仕事にしっかり活かしてもらう、というのは、最終的に僕の仕事の根幹にあると思うので。うまく自分でタイミングを作って、留学してほしいですね。

人生は有限資源

留学経験も立派な個性。新しい経験は必ずできる。

「留学・インターンシップ」ガイド:豊田 圭一

── 私は、海外旅行は好きでよく行くんですが、最近は回を重ねて初めてわかってくることがあるなぁと感じます。最近では「これを観に行く」というのではなく、町を歩いたり、人を見たり、ボーっと色んなことを考えて楽しむとかことができるようになったんです。留学での生活も似たような感じなのでしょうか?

豊田 そうですね。どっぷり生活してみて初めて気づくことは多いと思います。僕がよく思うのが、旅行がテンポラリーなのに対して、留学は生活を丸ごと向こうに持っていくという点。日本での学生生活や仕事を一旦ストップするから、向こうに行ってからはある意味、背水の陣でもあるんです。自分が動かないとどうにもならないので、意識も変わると思うんですよね。行ってしまえばすごい気づきがあるかもしれないし 出会いがあるかもしれない。何があるか分からないのも面白さです(笑)。

── 留学は考え方を変える場になる、と。

豊田 ええ。僕なんかも普段は忙しい忙しいって終わってしまうんですけど、まず海外に行くことでしっかり考える時間ができる。異なる考えに触れて、あ、そんな考え方もあるんだ、という気づきもある。
留学ってたったの1年間でもできるんですよ。何となく日本にいて、1年前の自分との変化を言える人は少ないかもしれない。せっかくならすごく成長できる1年間を作ってみた方がにした方が、面白くないですか?

── 最後に、留学を決心しきれず迷っている方に、アドバイスをお願いします。

豊田 留学は、全ての解決策ではないかもしれません。昔のことですが、僕はすごく仲の良かった友達を事故で亡くしてしまったことがあるんです。その影響もあるのでしょうが、人生は有限資源だと思っています。ネガティブかも知れないけれど、「死ななきゃ絶対いい経験になる!」ということ。「海外に行っても大丈夫でしょうか?」「治安悪くないですか?」と心配する人は多いですが、心配の方が大きいなら無理に行かなくてもいいんです。でも行けば絶対、いい経験になる。
留学するということは、それ自体がすごく大きな行動です。留学に行って人生が変わる可能性は、決して小さなものではないと思いますよ。

豊田さんがよく利用するAll Aboutのサイト

次回の編集長インタビューは【ホームメイドクッキング】ガイドの黒田 民子さんです。