All About トップ    編集長インタビュー    第47回:「インテリアショップ」ガイド  くろだ あきこ


「インテリアショップ」ガイド:くろだ あきこ

第47回:「インテリアショップ」ガイド
くろだ あきこ

2007年9月18日


「All About」を支える約490名のガイド。ガイドは一つのテーマに一人だけ。厳しいいくつもの審査を通りぬけ、そのテーマのナビゲーターとなる。彼らがそのテーマに魅せられた理由とは? All Aboutを通して発信したいこととは何なのか? このインタビューでガイドたちの素顔に迫ります。

ショップの人に聞いて、はじめて分かることがある。インテリアの奥に秘められた、つくり手の思いを伝えたい

「インテリアショップ」ガイド:くろだ あきこ
「インテリアショップ」ガイド:くろだ あきこ

左:「インテリアショップ」ガイド
くろだ あきこ/
右:編集長 森川 さゆり

編集長:森川さゆりと「インテリアショップ」ガイド:くろだ あきこ

Photo by Hideo Matsumura


ガイドインタビュー第47回目は、「インテリアショップ」ガイドのくろだあきこさん。建築やインテリアへの情熱を失わず、常に最新のショップを開拓するくろださんに、インテリアショップを120%愉しむコツを伺いました。

そもそものきっかけはマンガ家への夢?

いつしか建築への情熱が芽生え

――
くろださんは中学を卒業されてからずっと建築関係の学校に進学されてますが、そもそも建築に興味を持ったきっかけは何だったんですか?

くろだ
実は、子供のころからマンガを描くのが好きで、マンガ家にあこがれていたんです。人物は描けるけど、建物をうまく描けないので、建築学科にいけばうまく描けるようになるかと思って(笑)。でも結局、描けるようになったのは、一見ちゃんとしているように見えて実はそうでもない“インチキパース”だけでした。

――
ほほえましいエピソードですね(笑)。でも、きっかけはマンガだったかもしれませんが、その後も大学までずっと建築学科に進まれたということは、やはり何かひきつけられるものがあったということですか?

くろだ
もともと私の母親が、『暮らしの手帖』という雑誌が好きで、バックナンバーがほぼ全部家にあったのですが、それを私もよく読んでいまして、ドールハウスの特集なんかを見ているうちに、「家について考えるって素敵!」と思うようになったんです。また、建築学科の学生は、勉強のためにきれいな建物をいろいろ見てまわるのですが、それもとても楽しくて、いつの間にかすっかり魅了されていました。

日本の家具デザインにみた

見えない快適さへの追求

――
将来は何になりたいと考えていたのですか?

くろだ
本当は住宅の設計をやりたかったのですが、建築事務所への就職を親に反対されて、建築とはあまり関係のない会社に就職しました。建築関係の論文を読んで内容をまとめ、データベース化する仕事についたものの、やはり建築への未練は捨てきれず、インテリアコーディネーターの資格を取ったりもしました。そんなとき、ジャパンデザインネット(JDN)というデザインのポータルサイトで文章を書く人を募集していたので、何度か寄稿したんです。もともと文章をまとめる仕事をしていたこともあって、書くことに対する抵抗はなかったです。

その後、デザインというとどうしても海外に話が片寄りがちだったので、もっと日本のデザイナーについて伝えたいと思い、企画書を書いてJDNに連載の提案をしました。その結果、「日本の家具デザイン」という連載コーナーを持たせてもらうことになったんです。

――
確かに、デザインやインテリアというと海外に目がいきがちですが、日本に注目した理由は何ですか?

くろだ
1つは、つくりがとても細かくて、深いところまで考えられているということです。

――
それは、日本人の手先が器用ということですか?

くろだ
それもありますが、それだけではなくて、たとえば小物1つにしても、自然と使いやすくなるよう考え抜かれているところですね。

――
使う側の発想に立っているということですね。
くろだ
あまりに自然な動きで使うことができるので、使っている人がそれに気づかない。気づかれない快適さがあるということですね。デザインといったとき、見た目がいいのはもちろんですが、使い勝手もよいものが本当にいいデザインだと思います。

――
そうですね。見た目はいいけど、引き出しを開けるのが大変だといった家具も実際ありますからね。
くろだ
そして、日本に注目したもう1つの理由は、日本にも非常に多くのつくり手がいらっしゃるのに実はあまり知られていないので、その存在を伝えていきたいと思ったことです。どんなものでも、裏には必ずそれをデザインしている人がいるわけですから、それをさかのぼってみて、なぜこういうデザインになったのか、どういう意図でつくったのかを伝えていきたいと思いました。

――
All Aboutのガイドになったのは、どういういきさつだったのですか。
くろだ
JDNで「日本の家具デザイン」という連載を持ったものの、このテーマだと日本のものしか紹介できないので、もう少し幅広くインテリアを紹介したいと思っていたところ、All Aboutでガイドを募集していることを知り、応募しました。

ガイドとして取材するなかで気づいた「深さ」

ショップでなければ得られない情報

――
ガイドになってみて、変わったことはありますか?

くろだ
取材ができるので、普通に買い物すると素通りしてしまいそうな、「深い」部分まで聞くことができるのが大きいですね。

――
深い、というのはどういうことでしょうか?

くろだ
たとえば、家具やインテリア雑貨がどうしてこういう形をしているのか? あるいは名前の由来とか、使い方のアドバイスとか、直接話を聞かないと分からないところまで知ることができるので、個人的にもとても楽しいですし、それを誰かに伝えなきゃ、という気になります。

――
服を買うときと似てますね。洋服を買うときって試着をするから、店員さんからいろいろとアドバイスをもらえますけど、それと同じですね。

くろだ
インテリアだとつい単品で考えてしまうんですけど、いいショップであれば、コーディネートのコツまで教えてくれます。

――
インテリアって基本的に自分の部屋に置くものですし、自分の部屋は自分しか分からないから、あまりショップの人にコーディネートの相談をするという発想がなかったです。

くろだ
でも本当は、もっとショップの人と話をして、いろいろとアドバイスをもらった方がいいですよ。お店によっては、あまりお客さんに話しかけないようにしているところもありますから、積極的に話しかけるようにするといいと思います。そうやって深く知れば知るほど、モノに対する愛着もわいてきますし。

――
最後に、インテリア好きの読者の方々に向けて、何かアドバイスをお願いします。

くろだ
そうですね、よく言われますが、ショップのコーディネート術は自分の家でもちょっとしたコーナーに取り入れたりすることができるので、ぜひ参考にしてほしいですね。また、繰り返しになりますが、インテリアショップに行ったら、ショップの店員さんにデザインの裏側の物語、そこに込められた作り手の思いを聞き出してみることをおすすめします。

――
実用的な部分だけじゃなく、成り立ちなどの背景を知ると、そのインテリアに自分にとっての意味が出てきますよね。

くろだ
家やインテリアについては、特に教わることもなくきてしまうことが多いですけど、自分が暮らす空間はやはり重要だと思うんです。でもあまりに身近すぎるので、知っているようで実は整え方を知らなかったりします。なので、いきなりインテリアから始めなくても、たとえばマグカップのような小物でもいいので、何かお気に入りの物から始めて、そこから徐々に快適さを広げていければいいと思います。このマグカップに合うお皿、このお皿に合うランチョンマット、テーブル、イス……というように。まずは気楽に、自分にとっての「くつろぎ」から始めてみてください。

くろださんがよく利用するAll Aboutのサイト

次回の編集長インタビューは【子供服・ベビー服 】ガイドの石井 睦子さんです。