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| 第19回:「住まいを考える」ガイド 藤原 千秋 |
2005年04月15日
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| 「All About」を支える約300名のガイド。ガイドは一つのテーマに一人だけ。厳しい審査を何度も通りぬけ、そのテーマのナビゲーターとなる。彼らがそのテーマに魅せられた理由とは?All Aboutを通して発信したいこととは何なのか?このインタビューでガイドたちの素顔に迫ります。
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| Photo by Hideo Matsumura |
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| 編集長インタビュー第19回目は、「住まいを考える」ガイドの藤原 千秋さん。一生活者の視点で住まいを考える人の手助けをしたいという藤原さんの、ガイドにかける思いを伺いました。 |
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| ■何にも歪められない情報を伝えたい。 |
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| ハウスメーカーの営業で得た知識が私のベース |
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- 森川:
- 藤原さんはガイドをされる前は、ハウスメーカーさんにお勤めだったそうですね。どうしたら売れるか、営業マンの教育方法を考える部署にいらしたと伺っていますが?
- 藤原:
- そうです、色々な営業方法を研究しました。トークも100から200くらい記憶したり。私はアイデアを出せと言われた時に、営業のきっかけになるかなと思ってマンガを描いてみたんです(笑)。『営業マン 藤沢(旧姓)千秋の日々』っていうタイトルで。日常のちょっとした失敗談を描くこともあれば、「住宅金融公庫と銀行ローンの違い」なんていうのを描いてみたりもしました。思えば、今「住まいを考える」で書いている記事の雛形みたいなものだったのかな。
- 森川:
- マンガというのは、なかなか思いつかないですよね。
- 藤原:
- 最初は実験的に始めたんですよ。でも、マンガでチラシを作ってポスティングしていたものを見たお客さんから反応があり、そこから商談に入っていけるようになっていって。さらにまた、新聞も作ったりして、もう楽しくて。これが私の天職だ、なんて思ってましたね。
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- 森川:
- 勢いに乗りまくっていた、というわけですね。
- 藤原:
- ところが2年目に入って、病気になってしまいまして。「仕事を取るか、将来の子供を取るか」と言われ、それで仕事を辞めたんです。
- 森川:
- そうでしたか、それではやり残したことが…?
- 藤原:
- ええ、かなりありました。だから辞めてから2年後、体力が回復してきたらすぐに営業マンに戻ろうと思ったんです。でもそこで、主人がオールアバウトのガイド募集のことを教えてくれたんですね。「ウェブを通じて不特定多数の人に、アプローチするっていうやり方もあるんじゃない?」って。
それを聞いて私も、一つの企業に属してやっていくのもいいけれど、私が伝えたい読者のための情報を、会社の都合や人の思惑に歪められない形でウェブから発信していくやり方も面白いな、と思ったんです。ガイドサイトのリンク集や記事を作りながら、やりたかったことに近いと実感することが出来ました。
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| ■住みやすい家を選ぶために必要なものとは? |
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| 自分が信じられる「基準」を持つ |
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- 森川:
- 藤原さんの「伝えたい読者のための情報」というのは、具体的にはどういうことなのでしょうか?
- 藤原:
- 例えば普通の家庭の奥さんが家を建てたいと思った時って、近所の人や知り合いの人が言う情報を鵜呑みにすることが多いんですね。でもこの手の口コミ情報は、実は危険な部分もあるんです。住宅はお金がかかることなので、それぞれの家庭の懐事情に左右されるじゃないですか。だから、正しい情報や本当のことが案外耳に入ってこないんですよ。それで、「ちょっと待て」と。
- 森川:
- 住宅だけでなく、法律やお金の知識もないと正確なことは分かりませんものね。逆に色々な情報が多すぎて、人の言うことが信じられなくなったりもしますよね。
- 藤原:
- 家を建てる過程では、そんな風に人間不信になる人と、すべて投げ出しちゃう人がいるんですよ。投げ出して思考停止に陥っちゃうんですね。「もう分かんない!!とにかく決めて!」みたいな。営業マンとしてはそうなれば勝ちなんですけど、しかし危険だなーと。
- 森川:
- どちらもよく分かりますね。
- 藤原:
- さらにご主人が、選んだり決めたりすることから途中で逃げてしまうパターンも多くて。でも、一生ローンを背負うのはご主人なわけですよ。定年退職してからも年金から払わなければならないほどに借り入れをする場合がほとんどですし。
だからすごく大事なことなのに、最終段階に至る前に逃げてしまい、奥さんが独断で決めることになったりするのはあまりよくないと思うんです。
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- 森川:
- ご主人も奥さんも、ではどうにもなりませんね。
- 藤原:
- とにかく、色々な人が色々な立場で物を言うじゃないですか。例えば家を売る会社はその会社の都合で物を言うし、建築家の先生は建築家の仕事をまっとうするために物を言うけれど、必ずしもそれが自分にとってベストとは限らないですよね。結局、自分の拠って立つ軸がないと、どうしても選択に歪みが出てくるんです。
様々なプロの人に引っ張って行ってもらうとしても、自分が腰をすえて選んでいくためには、やはり軸が必要なんですよね。家を借りたい人、家を探している人、今住んでいる家を今よりもっと住みやすく住みたい人たちのために、私が持っている情報を活かしてもらって自分なりの軸を作ってもらう、「住まいを考える」というサイトはそんな情報の一つの出口になればいいな、とずっと思っています。

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| ■家をキレイにすると気持ちが優しくなれる |
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| 掃除は家と家族への愛情表現 |
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- 森川:
- 読者の方との接点の中で発見などはありますか?
- 藤原:
- そうですね、日記には、私の娘(2歳)と同年代のお子さんを持つ方から感想をいただくことがよくあります。あと、マンションを買ったばかりの方や、家を買ったばかりの方から、深刻な相談というのではなく、ちょっとしたアドバイスがほしいといった感じのものが多いですね。
- 森川:
- 私、それは藤原さんのキャラクターなんじゃないかと思います。身近で、気軽に相談できる感じ…。
- 藤原:
- この前は、新居に移ったのでテーブルやソファが欲しいという方に、「半年かけて探してみたらどうですか?」とメールでお話したんです。家を建てた途端に家具からカーテンからファブリックから、すべてとり換える方が多いのですが、引越しの日程に押されるようにして、「この日までに買わなきゃ!」と焦って選んで後悔している方をよく見るので。そうしたらしばらくして、「半年以上かけて、思い描いていたものよりずっといいものが見つけられた、先走らずにすみました」とメールが来て。小さいことだけれど一つ役に立ててよかったなと思いました。
- 森川:
- 読者の方も喜ばれたわけですね。そういう意味では藤原さんのポジションは、今までになかった立ち位置なのかもしれないですね。
- 藤原:
- 最初は「その道のプロがガイド」ということで、心配だったんです。でも、読者の代表としてのプロになればいいのかな、と今では考えています。以前は営業マンであちら側のプロだったけれど、今は一生活者としてこちら側にいるわけですから。
住宅会社で営業をしていると、金銭感覚も含めて感覚がずれていく気がしたことがあったんです。広い家や高級な仕様が当たり前になって素朴な感覚が失われていく。そういうところから距離をおいて、自分の日々の生活を大事にしていくことで、見えてくるものや伝えていけることはあるだろうなと思うんです。
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- 森川:
- 「住まいを考える」はテーマがすごく広いですよね。藤原さんなりに今、これを伝えていこう、ということがありましたら教えてください。
- 藤原:
- 賃貸や官舎や社宅に住んでいる方だけではなく、欲しくて買ったはずのマンションや家に住んでいる方でも、住んでる途中から住まいに対する愛情が冷めてしまうことがあるんですよ。そして掃除放棄をしてしまうとか、メンテナンスをしなくなっちゃうんですね。
そんな風に家に対する愛情がなくなるのは、見ていて悲しいですね。だから去年から家のメンテナンス系の記事を書いているんです。面倒くさがらずにお掃除をしようよって。お掃除をすることから家への愛情が強くなる場合もあると思うんですよ。家がきれいになることで自分の気持ちもすっきりして、家族に対しても優しくなれる気がしますし。
- 森川:
- お掃除の話は、私も耳が痛いですね。お掃除をする時間がない、でも本当はお掃除をしたい、なんていう方にいいアドバイスはありますか?
- 藤原:
- 罪悪感を感じる……という方もおられますが、私はお掃除の外注サービスもいいと思います。換気扇の中なんかは汚れると大変ですよね。でも外注でやってもらうと、つらい思いをすることなくきれいになって、それだけで日常生活が楽しくなるんですよ。汚いところを見たくないばかりに見ない振りをするのも、ストレスになりますからね。
- 森川:
- あ、それは私も賛成です。最初は主婦業をなまけているようで気がひけたのですが、プロのお掃除ってやっぱり違うんですよ。私の場合、年に一度の贅沢ですが、キレイになったキッチンを見て、「よし、これをキープしよう」という気持ちになって、家事に気合いが入ります(笑)。
- 藤原:
- そうなんです。お風呂の排水溝とか、ユニットバスでエブロンという風呂桶を隠している部分とか、そういう普段目に見えないところをキレイにすると、目に見えるところも掃除するのが苦痛でなくなる気がします。こうして「見ない振りスパイラル」を断ち切ると、住まいに対する愛情が湧いてくると思うんです。「センスのよくないご主人をオシャレにして奥さんの愛情を取り戻す」番組がありますよね、あれと同じかもしれません。
「住まいを考える」の読者の皆さんにはぜひ、自分の住んでいる家に対する愛情を保っていけるような、アイデアや情報を伝えていきたい、と考えています。
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