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| 第27回:「薬について」ガイド 三上 彰貴子 |
2005年12月15日
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| 「All About」を支える約300名のガイド。ガイドは一つのテーマに一人だけ。厳しい審査を何度も通りぬけ、そのテーマのナビゲーターとなる。彼らがそのテーマに魅せられた理由とは?All Aboutを通して発信したいこととは何なのか?このインタビューでガイドたちの素顔に迫ります。
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| Photo by Hideo Matsumura |
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| 編集長インタビュー第27回は、「薬について」ガイドの三上 彰貴子さん。薬というと、頼りすぎたり、必要以上に怖がって避けてしまったりする人も多いものです。薬についての誤解を解きたいとおっしゃる三上さんに、これから伝えていきたいことを伺いました。 |
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| ■「これとこれ、飲んでいいのかな」 |
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| 同僚からの相談で、情報発信の必要性を痛感 |
- 森川:
薬剤師になられたきっかけを教えてください。
- 三上:
高校生の頃なのですが、祖父や祖母が、病院で薬をたくさん、10種類ぐらいもらってきていたんです。それを間違って飲んでいたり、飲み忘れたりしていているのを見て、祖父や祖母の役に立てればと思ったところから、薬剤師を目指しはじめました。
- 森川:
高校生のときにそんなにしっかり決めているってすごいですね。
- 三上:
けれど勉強していくうちに、薬剤師の仕事の多くは、薬を調合することに時間をとられてしまい、私が考えていた“情報を発信していく”という姿があまりイメージできなかったんです。そこで製薬会社に入って、まずは大企業の組織というものをから学び、さらに、お客様である病院や診療所の先生方に営業という立場で、薬の情報を発信していければと、考えました。
- 森川:
お医者さんと接する中で、得るものはありましたか。
- 三上:
薬の営業先である病院でお医者さんと話すうちに、経営などについての悩みを聞く機会があり、薬を売るだけでなく、経営のコンサルティングが求められていると感じました。そこから今度は経営について勉強して、現在は製薬会社向けのコンサルティング、例えば商品のマーケティング戦略や販売戦略に携わっています。
- 森川:
そういうお仕事をされる中で、「薬について」というテーマで、ガイドをやってみようと思われたきっかけは、何でしょうか。
- 三上:
製薬会社のでMRとして薬の営業をやっていた時は、周りが医者など理系で薬についてよく知っている方が多かったんですが、その後コンサルティング会社に転職したときのことです。私がトイレに行くと、「三上さん、これとこれ、一緒に飲んでいいのかな」と薬を持ってきて聞くんです。トイレが保健室みたいになったことも。
その後、女性を集めてピルについてのセミナーをやったこともあり、こういう情報発信こそ必要なのだと感じていました。その時に不妊治療のガイドをなさっている池上さんから、「薬について」のガイド募集の話を聞き、何も迷わず応募して今に至ります。
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| ■薬は怖くない |
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| 知りたい人に分かりやすい情報を |
- 森川:
ガイドとしてやり始めて、こういうことを書きたいとか、意外にこういうことの情報がないんだと気づかれたことはありますか。
- 三上:
ガイドとして書くに当たって、他の薬や健康系のサイトも見ましたが、少し難しく書かれているところが多いですね。読み手でなく、書き手の視点で書いてるなと思います。その点を気をつけて、心に「すとん」と落ちてくるような、雑誌を読んでいるような感覚で記事を書きたいと思います。
雑誌やサイトで薬についての情報を探していると、よく「近くの薬剤師に問い合わせてください」と書いてありますし、私のサイトでもそう書くわけですが、意外に近くに相談できる薬剤師さんがいないことが多い。薬局に行っても忙しそうで聞きづらいんですよね。だから本当はもっと、薬局だけじゃなくて、「私に相談してください」って言う専門家が手に届くところに大勢必要とされるのではないかと思います。
- 森川:
今、ガイドとして一般の消費者に向けて情報発信しはじめて、三上さんが理想としていたものに近づいた感じはありますか。
- 三上:
そうですね。かなり近くなってきました。薬局の窓口対応だと忙しくて患者さんもとりあえずお金を払って帰ってしまうことがあります。「もうちょっとあれを聞きたかったのに」って思っても、聞けなかったこともあります。逆に自分がすぐには必要ない情報を聞いてしまうかもしれないですね。
ウェブだと、それについて知りたいと思った人が、思ったときに、自分から進んで見られますよね。だから、薬剤師さんが言い足りなかったこと、患者さんが聞き足りなかったことを補う形で、役に立てればと思っています。
- 森川:
確かに、そういう説明は口頭だと、言う部分と言わない部分があるので、何かに書いた状態にすることで、過不足なく自分の見たい情報が見られますよね。
- 三上:
逆に言い過ぎてしまうと、不安になったりもするんですよね。インフルエンザ治療薬のタミフルの副作用による異常行動が話題になりましたが、薬は期待する効果である「主作用」と期待しない効果「副作用」があります。多かれ少なかれ、どうしても薬に副作用はあるのです。マイナスの面ばかりが強調されてしまうと、実際に必要な薬も飲むのが怖くなってしまうのではと懸念しています。
口頭での説明は、時間が限られているので一度に伝えられる情報量に限界があります。でも、サイトは自分から知りたければ知りたい分、調べられますよね。情報の判断は、近くの医師や薬剤師に相談してご自身で決める必要がありますが、情報提供の量と時間を問わないという意味ではサイトはすばらしいと思っています。
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| ■正しい薬の飲み方を知らない人へ |
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| 食後に飲まなくてもいいこともあるんです。 |
- 森川:
サイトを通して伝えていきたいメッセージはありますか。
- 三上:
そうですね。薬は正しい飲み方を知りましょうということと、正しく飲んでこそ効くということですね。私が感じているのは、薬の情報は分かるんだけど、実際に飲み方が分からない方が多いということです。水なしでそのまま飲んでしまったりとか、首や背骨がまがらない人が無理に飲もうと思って、ひっくりかえってしまったりとか。そういう正しい薬の飲み方のようなちょっとした情報が逆にないと思います。粉薬が苦手だったら、医師に言えば替えてもらえることがあるんですけど、それも知らない方が多いですね。
- 森川:
記事でもそこを中心に書いてらっしゃいますよね。すごく新鮮でした。こういうことって、確かに情報なかったなって。記事を読むまで、私も「食後服用」とある場合はごはんを食べてからでないと、薬を飲んではいけないのかと思っていました。
- 三上:
「食後服用」にとらわれている人がこんなにいるんだなって、実感しています。薬によっては、本当に絶対食後に飲まないといけないものもあるので、ちゃんと問い合わせていただきたいですが、抗生物質なんかは、菌を殺すことが目的なので、時間をきちんと3時間おきとか5時間おきとか、血中濃度を一定にしないと菌が死なないのです。膀胱炎の薬もそういうものに当たるんですね。7時間ごとのように決まった間隔で飲まないといけないんです。食事がずれて飲む間隔が空きすぎると、なかなか治らなくなる。働いている人は特に、食事が夜中になることもありますからね。“食後”ばかりにこだわって時間通りに飲まないと意味がないんです。
- 森川:
そういうふうに詳しく説明されると納得です。私たちもあまり受け身にならずにもっとお医者さんや薬剤師の方と話したほうがいいようですね。
- 三上:
薬は正しく、きちっと情報を得て服用すればこそのものです。逆に正しく使わなかったり、知らないことがあると、怖いものだということはすごく伝えたいです。もちろん、正しく飲んでも副作用が出ることがあるのでおかしいなと思ったら、すぐに医師、薬剤師に相談してみて欲しいです。また、やっぱり自己判断する前にも、薬剤師さんに聞いて、ご自身でも正しい情報を勉強していかれることはすごく大切ですね。
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