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「401kと将来設計」ガイド:山崎 俊輔
第12回:「401kと将来設計」ガイド 山崎 俊輔 2004年09月15日
「All About」を支える約290名のガイド。ガイドは一つのテーマに一人だけ。厳しい審査を何度も通りぬけ、そのテーマのナビゲーターとなる。彼らがそのテーマに魅せられた理由とは?All Aboutを通して発信したいこととは何なのか?このインタビューでガイドたちの素顔に迫ります。
お金があれば幸せになれるわけじゃない。でも、お金が足りなければ幸せになれないことも多いのです。
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「401kと将来設計」ガイド:山崎 俊輔
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編集長:森川さゆり、「401kと将来設計」ガイド:山崎 俊輔
左:「401kと将来設計」ガイド
山崎 俊輔/
右:編集長 森川 さゆり
Photo by Hideo Matsumura
編集長インタビュー第12回目は、「401kと将来設計」ガイドの山崎俊輔さん。商工会議所の主任研究員として、年金関係の執筆、セミナー講師、そして投資教育の観点からのライフプラン知識の普及などで活躍してらっしゃいます。今回は、今話題の年金をはじめとするお金と人生に対する考え方についてお話を伺ってみました。
■バブル崩壊前後の過渡期を経て・・・
激動の時代に企業年金や資産運用にかかわったことは自分の財産
森川:
山崎さんは法学部のご出身ですよね?法学部を出られて、年金や企業年金のような経済的な分野に進まれたのですか?

山崎:
ええ、大学では、趣味で小説を書いて応募したりしてたのですが、就職活動でたまたま駆け込んだ会社が企業年金の制度解説のパンフレットや、ディスクロージャー資料の制作をするところだったのがきっかけでした。年金制度も法律といえば法律ですしね。

最初の会社には5年半いました。当初の仕事は、企業の退職金に関する資料作成や、定年退職者へのセミナーの実施でした。その後景気が本格的に悪くなり、全般的に企業年金がカットされるようになりました。それ以降は、年金額が低くなることの会社から社員に対するエクスキューズが仕事のメインになりましたね(笑)。会社が従業員に対して行う、資産運用状況についてのディスクロージャーなどもお手伝いしました。その後、個人の資産運用関係のベンチャー企業に移り、資産運用をベースとしたアドバイスが主業務になりました。

森川:
なるほど、バブルが崩壊して景気が悪くなった過渡期を経験されたのですね。バブルの頃と、景気が悪くなってからだと、年金や退職金の話を聞く側の立場も随分変わったでしょうね。

山崎:
変わったと思いますよ。私が就職したのが、1995年。バブルがはじけた直後で、まだ景気が良いとされるくらいの時期でした。ですからちょうど激動の時代を経験したわけですが、確かに、現場にいるとその意識の変化を強く感じましたね。

「401kと将来設計」ガイド:山崎 俊輔
森川:
ベンチャーに転職後は、個人への資産運用のアドバイスがお仕事になったわけですか?

山崎:
個人へのアドバイスより、セミナーやコラム執筆中心でしたね。まだ日本では個人へのマネーアドバイスは難しいです。例えば2000万のお金の運用を手数料1%でアドバイスしたとして、20万円。年間20万円で資産運用のアドバイスは割りに合わないです。普通の個人に対する運用アドバイスで食べていくのは無理でしょうね。億単位のお金が運用できないと・・・。

森川:
その会社で執筆やセミナー経験を積んで、その後独立されたわけですが、All Aboutのガイドになっていただいたのはフリーになられた後でしたよね。ガイドをやろうと思ったキッカケは何ですか?

山崎:
All About「株」の前ガイドさんと、雑誌の対談でご一緒したのがキッカケでした。何度か食事をしているうちにAll Aboutで「401kと将来設計」のガイドを募集しているという話を聞いたんです。以前は、人脈なんか馬鹿にしていたところがあったけど、やっぱり重要ですね。いくら仕事ができても、キッカケがないと、どうにも行動しようがないですからね。

森川:
そうですね、人の縁は大切ですね。All About のガイドの中にはすでにガイドをやっている方から紹介されて応募しました、という方が多いんですよ。実際にガイドをされてみてどうですか?

山崎:
楽しいですよ。自分を紹介する手段の1つでもありますしね。

■自己責任時代の年金とは!?
現役世代こそ401kを知らなければならない
森川:
401kがスタートしたのは、いつぐらいでしたっけ?

山崎:
2001年の秋、2年半前ですね。401kは年金積み立て金の運用を、自分で行う自己責任型の年金です。老後のお金のことですから、国の年金制度や退職金について知らなければならないし、個人が自分で運用する訳ですから、資産運用についても知らなければならない。

401kは、現役世代が積立金を運用するものなので、年配の方の分野ではありません。でも、本屋で年金の本を見ると、著者は昭和ヒト桁とか、上の世代の方が多いんです。

森川:
401kの場合は、もっと現場にいる若い人にも語ってほしいですよね。山崎さんのガイドサイトにはユーザからのそういう期待も込められているんでしょうね。

山崎: 「401kと将来設計」ガイド:山崎 俊輔
ええ。退職金とか企業年金は、会社都合で減額されたり、ひどければもらえなくなってしまいます。会社が減額すると決めたら、来月からでも下げることができる。労働組合が交渉するでしょうけど、結局強いのは会社なんです。

それが、401kであれば、すでにもらったお金に関しては、何が起こっても確保できます。カットできないんです。自己都合で退職しても、大丈夫です。通常であれば、退職金は自己都合の退職の場合には、すずめの涙ですからね。

森川:
今のような時代だと、リストラや雇用不安だけでなく、企業の倒産という不安もあるかと思いますが、そういう場合はどうなるのでしょうか?

山崎:
会社がつぶれても、401kの積立金は、差し押さえの対象にはなりません。金融機関がつぶれても、積立金は保護される制度になっているんです。従来型の制度に比べればかなり得です。転職しても、口座に振り込まれた積立金はそのまま持ち出して、運用を続けることができます。若い人は転職もするでしょうから、特に適していますね。

会社から口座に振り込まれた積立金は、定期預金、保険、投資信託など好きな商品で運用できますし、すべてオンライン化されているので、24時間いつでも残高が確認できます。株式投資信託を買っていれば、毎日1円単位で残高の変化がチェックできるんですよ。完全に、オンライントレード感覚ですね。

森川:
以前、401kに関するアメリカのドキュメンタリー番組を見たのですけど、日本でもあのように普及するのでしょうか?

山崎:
普及する素地はあると思います。アメリカで401kが流行った30年前には、ネットがなかったので、すべて電話取引でした。今の日本ではネットが普及していますから・・・。実際に、401k導入企業は、3000社を越える勢いですし、社員数だと100万人を越えています。サラリーマンは大体3200万人いますから、3%くらいは401kに加入しているんですよ。3%だと同窓会をやったら、誰かは401kに加入しているくらいの感覚でしょうか?

森川:
たまたま私の周りにはそういう人がいないので、実感がわかないのですが、実際に自分の会社が401kを導入するとなったら、金融商品や経済の動向にも無関心ではいられなくなりそうですね。

山崎:
401kに加入すると、経済に対する意識は確実に変りますよ。以前お話したある工場の社長さんがおっしゃっていたのですが、工場入り口にあるコンビニでは、401k導入前と比べると、導入後は日経新聞の仕入れ部数を倍にしたそうです。

工場での仕事に直接関係なくても、日経を読んで、経済の概要を把握することで良いことは必ずあります。あと401kは新卒で企業に入ろうとしている人へのアピール度が高いですね。先進的なイメージがありますしね。企業規模に関わらず、活力のありそうな企業は導入しています。

■思うようにいかないからこそ、貯蓄が必要
かつてより広がった人生の選択肢
「401kと将来設計」ガイド:山崎 俊輔
森川:
年金問題が話題になっていますが、ガイドをされていて、ユーザーの年金に対する意識の変化は感じますか?

山崎:
漠とした不安はみんな持っているようですね。若い人ほど、不安を通り越して諦めの境地に達しています。とは言え、年金を諦めて何かしているのかと言うと、何もしていない・・・。

森川:
国民年金を払わない若い人も多いですからね。

山崎:
払わない人は多いですね。バイトで月に10万くらいの収入のフリーターには、1万3300円は確かにきついです。ですけど、1万3300円を40年間払いつづけたとして、638万4000円。1年間に受け取れる国民年金は約80万ですから、8年もらえば元は取れるんですよ。

年金を受け取り始める65歳以降でも、平均寿命を考えると女性であと20年、男性でも10数年はあります。そう考えると、年金で損をすることはまずありませんよ。

森川:
年金制度が崩壊するという話もありますが・・・。

山崎:
いや、年金制度はつぶれません。国は年金を辞められないんです。と言うのは、現時点で年金生活者は3000万人もいます。年金がもらえないと暮らせなくなるので、みんな生活保護をもらいに行きます。憲法にある”文化的で最低限度の生活”を維持する義務が国にはありますから。

そうなると国民年金だけをもらっている夫婦より、生活保護を受けている方が収入が多くなる可能性があるんです。だから国は年金を辞められないんです。となると我々が考えなくてはならないのは、今の年金制度の中でいかに食いっぱぐれないようにするかなのです。

森川:
そうなんですね・・・。FP(※ファイナンシャル・プランナー。以下FP)資格をとるのが、流行っていますね?

山崎:
そうですね。保険会社や銀行などの金融機関に勤めている人が取ると、業務にも役に立ちますが、FPの知識は、仕事では直接関係なくても、個人レベルで非常に有用なんですよ。

お金のことは、学校ではまったく教えていないのに、社会に出たら、いきなり自己責任になります。FP資格の内容なんて、本来誰でも知ってないといけないレベルの知識を資格にしているだけ。保険や相続、そして不動産評価の基礎…。結局“基本”なんです。ですから、普通にみんな知っておいた方がいいレベルの知識なんですよ。

森川:
なるほど、学ぶと意識も変わりそうですものね。

山崎:
資格取得には20万くらいかかりますから、何かしらものにしなくちゃと思うはず。普通は銀行しか使わないけど、信託銀行なんてものもあるんだ、とか、各行によって取引手数料がかなり違うのね、とか。

森川:
私自身も知らなきゃいけない、みたいな漠とした不安はあるのですけど・・・。知らなくてもなんとかなってしまうので、ずるずる来ちゃいましたね。知ればプラスになることも多いことはわかっているんですけど。

山崎:
大多数の方がそうですよ。でも、これからは意識を上げていかないと、得はしない時代になるでしょうね。ほっといても良いものが紹介されるような時代ではないです。

森川:
若いユーザに向けて、何かメッセージはありますか?

山崎:
お金があれば幸せになれるわけじゃありません。でも、お金が足りなければ幸せになれないことも多いことを知ってほしいです。貯金がないと、いざという時にリスクを取れませんし、チャンスを逃すこともよくあります。

以前、スガシカオさんのことを記事に書きました。広告代理店に勤めていた数年で100万貯めて、会社を辞めた。で、50万で音楽の器材を購入、半分を生活費にしたんです。結局それがキッカケで、チャンスをものにできた。会社を辞める時に100万がなかったら、あのようには思い切れなかったはずです。うまくいくかどうかは、運やタイミングもあります。けれどもお金がなかったら、行動にすら移せなかったわけです。

森川:
最近「やりたいことが見つからない」という言葉をよく耳にしますが、今見つかっていなくても、いつか見つかったときのために、今できることがあるというわけですね。山崎さんご自身はライフプランをきっちり立てているんですか?

山崎:
立ててないですよ。ある程度のイメージはしていますが・・・。本当は20代のうちに子供を作るつもりだったんですけど、未だシングルですし。

人生は思うとおりに行く訳じゃないから、不測の事態や、チャンスをものにするために貯蓄をして備える必要があるのです。必要な時にお金がないのが一番辛いですよ。お金は必要な時に気付いても足りなかったらどうしようもないのです。だから早めに備える必要があります。将来のことがわからない、やりたいことが見つからないなら、とにかく貯金しておけばいい。お金を蓄えていれば、気持ちに余裕もできるし、人生の選択肢も増えます。人生に大きな差がつくのです。1にキャリアアップ、2にコツコツ積み立て。今の20〜30代の世代は特に人生の選択肢が広がっていますから、事前に備えをして自分なりの幸せをつかんで欲しいですね。



■山崎さんがよく利用するAll Aboutのサイト
<趣味編>
1位 年金 1位 笑えるサイト
2位 資産運用のノウハウ 2位 東京
3位 転職のノウハウ 3位 夜景


次回は【サプリメント・健康食品】ガイドガイドのマリー 秋沢さんです。