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「美しい姿勢・歩き方」ガイド:長坂 靖子

第31回:「美しい姿勢・歩き方」ガイド
長坂 靖子

2006年04月15日


「All About」を支える約300名のガイド。ガイドは一つのテーマに一人だけ。厳しい審査を何度も通りぬけ、そのテーマのナビゲーターとなる。彼らがそのテーマに魅せられた理由とは?All Aboutを通して発信したいこととは何なのか?このインタビューでガイドたちの素顔に迫ります。

姿勢は、心の鏡であり、美の基本。美しさにこだわるからこそ、心も健康でありたい。

「美しい姿勢・歩き方」ガイド:長坂 靖子
「美しい姿勢・歩き方」ガイド:長坂 靖子

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右:「美しい姿勢・歩き方」ガイド
長坂 靖子/
左:編集長 森川 さゆり

編集長:森川さゆりと「美しい姿勢・歩き方」ガイド:長坂 靖子

Photo by Hideo Matsumura


編集長インタビュー第31回は、「美しい姿勢・歩き方」ガイドの長坂 靖子さん。元「ミス日本」という経歴を持つ長坂さんが、数あるエクササイズの中からウォーキングを選び、今も深くこだわり続けるのはなぜでしょうか。外見だけではなく内面美を支え、生き様さえもあらわすという、姿勢や歩き方。それを美しくすることの大切さと愉しさを語っていただきました。

「コンプレックスがあるから、美しさにこだわる」

「ミス日本」受賞が、女性美を理論的に考えたいと思うきっかけに。

「美しい姿勢・歩き方」ガイド:長坂 靖子

森川:
長坂さんは「ミス日本」「ミス・インターナショナル」などのミスコンテストで受賞なさっていますよね。やはり、その後の人生に大きな影響を与えたと思うのですが、実際はいかがでしたか?
長坂:
「ミス日本」受賞当時は弱冠16歳で、世の中のことを何も知らない普通の高校生でした。自分でもよくわからないまま審査が進んでいくうちに、ある段階以上になると「カワイイ」「キレイ」だけでは合格できないということに、気がついたのです。どう考えても自分よりスタイルのいい子はたくさんいましたし、彼女たちを目の当たりにしてコンプレックスも感じました。合格したのは私の運が強かったせいもあるのでしょうが、私にとってはまったく不思議な結果で、その時「美しさって一体なんなの?」と素朴な疑問を持ったのです。そこで、「美しさ」についてもうちょっと理論だてて考えてみようと。
森川:
これは私の想像ですけれど、たたずまいなどで醸し出されるその人の雰囲気やオーラというものも審査に影響するのでしょうね。
長坂:
たしかに選考に残った女性は、なぜか非常に心を捉えるかたが多かった気がします。人間としての生き方が表情に出てきて、また、それが骨格にも表れ、そのひとの風格に影響するのだと思うのです。
森川:
私は電車に乗っていると、つい乗り合わせた人の顔を観察しては「この人の性格は、きっと〜かな」「こんな生活をしているのかな」なんて想像してしまいます(笑)。
長坂:
そう!わかります(笑)。確かに歳をとるにつれ、人の生き様はますます顔にあらわれるものですよね。でも、その人の全体像が雰囲気を作り出しますから、実際は顔だけでなく、動作も非常に大切なものなのです。そしてその動作の基本が、姿勢なのです。私も最初は外見から惹かれて姿勢や歩き方に興味を持ったのですが、勉強すればするほど「外見だけではなく心も体も健康でなければいけない」と思うようになりました。私はウォーキングトレーナーの仕事を始めてから、今更ながらに健康の大切さに気がついたのです。普通のかたは、もっと早くに気がつくことなのでしょうけど(笑)。そして、つくづく「姿勢って深いな」と思いました。どんなひとにとっても姿勢は大事。寝たきりのかた、車椅子のかたにだって、最良の姿勢があります。単に見た目がキレイ、だけでなく、健康面からもアプローチを、そしてもっと真剣に姿勢について学びたいと思いました。

子供の体育の授業にウォーキングを

子供たちにこそ、正しい姿勢や歩き方を教える必要がある。

「美しい姿勢・歩き方」ガイド:長坂 靖子


森川:

姿勢やウォーキングの勉強はどのようになさったのですか?
長坂:
もともと独学で勉強していましたが、興味がわくにつれ本格的に学びたくなり、ウォーキングスクールに2校通うことにしました。2校も通ったのは、「ウォーキングを仕事にしている人って、どんな人なのかな」、と思ってまず1校へ。でも、ひとつの学校だけだと、その色に染まってしまいそうな気がして、別のスクールにも通ってしまいました。
森川:
結構、完璧主義だったりします?
長坂:
そうなんですよ。興味があると、とことん追求したくなってしまいます(笑)。ですがスクールに通っているうちに、見た目がよくなることだけに特化したり、ガチガチに固められたテクニックの習得は、自分が目指しているものと違うということに気付いたのです。「美しさ」と「健康」の両方があってほしい。単に歩きのテクニックを難しそうに教えるのでは不十分。そう思ったんですね。いい理論も、人が使わなければ単なる机上の理論に終わってしまいます。どんなにウォーキングが素晴らしいものであっても、生活レベルにおとしこまなければダメだと思ったのです。
森川:
だから、ご自分でウォーキングの協会をたちあげたのですね。
長坂:
ええ、インストラクターの仲間たちと一緒に。スポーツ医学の先生や、整形外科の先生の話もたくさんお聞きしていますが、私は学者ではありません。その道のスペシャリストの話を聞いて、いいところは取り入れ、多くの人に解りやすく伝えることが私の仕事だと思っています。「こうだ」と決めたら動かないのがありがちなパターンですが、私はそうしたくないんですよね。人間の体なんて、まだまだ解明されていないことがたくさんあります。さまざまな情報を精査しながら、フレキシブルに取り入れて行きたいと思うのです。そもそも、歩くことなんて誰も意識しません。まず、その動作をたくさんの人に意識してもらうことが、私にとって一番初めの目的でした。
森川:
頭で意識しているときはちゃんとやろうとするのですが、すぐに忘れてしまうのですよね・・・。正しい姿勢を保ったり、歩き方を意識し続けるのって難しいな、と思います。
長坂:
大人は皆、そうなのです。すでに確立されてしまったスタイルを矯正するのはなかなか難しいことですよね。でも、子供は別。柔軟だから素直に飲み込めるし、すぐに身に付きます。だから、子供にこそ正しい姿勢や歩き方を教えたいと思っています。子供の体育の授業に「ウォーキング」カリキュラムを導入するのが、私の今一番叶えたい目標です。
森川:
確かに、子供の教育として、健康面の大切さをきちんと躾けたいですよね。
長坂:
母親は、子供に正しい姿勢を教えたくても教えられないのです。母親が正しい姿勢や歩き方を知らないのですから、仕方がありません。
だからこそ、専門家が子供たちに直に教えることが大切だと思います。姿勢って、実は内面が表れるものなんだ、こんな筋肉を使うんだ、というフレッシュな驚きを提供したいですね。「キレイになりたい!」というのは、それから考えればいいことなのです。

歩くテクニックだけでなく、愉しさを感じてほしい

大切なのは、「抜いたり足したり」のサジ加減。

「美しい姿勢・歩き方」ガイド:長坂 靖子

森川:
昔、自分の騒々しい歩き方を注意されたことがあるのです・・・。先日、バタバタと音をたてずに歩くためのウォーキングレッスンをテレビで見たので、早速実践してみたのですが、妙に不自然な気がして。こんな歩き方で周りの人は私をどうみているんだろうと思うと、愉しむ余裕なんて全く感じられませんでした。
長坂:
確かにテクニックはウォーキングの重要な要素の一つです。動作の質により、かなり運動量が異なってしまいますから。しかし、フォームばかりを気にしていたら、かえってストレスになり、「歩く事」を楽しめない状態になってしまいます。先ずは、「自身の姿勢やウォーキングに関心を持って頂く!」という所からスタートすれば良いと思います。ウォーキングの醍醐味は、まだまだ浸透していないと思います。例えば、ウインドウショッピングをしていると、ついたくさん歩いているものですよね。ウォーキングも、楽しめば「セレトニン」という心を鎮める脳内ホルモンが分泌されるのです。歩くということを大きく捉えると、フォームを気にしないただのお散歩だけでも心が癒されるものなのです。実は、歩くことは癒しの面が大きいと、私は思っています。
森川:
長坂さんのガイドサイトが立ち上がったときは、ちょうどウォーキングブームの真っ只中。テクニックだけがフォーカスされていた時期でもありました。だから長坂さんが訴えていることにはとても共感しました。
長坂:
常にいい姿勢を保つなんて大変。落ち込んだときは、シャキッとはいられないし、仕事に夢中になれば自ずと前かがみになるのは当たり前ですよ。そのくらい魂を入れ込まないと仕事なんてできませんよね(笑)。心模様が姿勢にあらわれるのだから、それは自然なことなのです。だから「いつも」じゃなくていいんです。1日に3回でも意識して正しい姿勢を実践してみる。そして、自分の具合をみながら、姿勢を美しくすることの心地よさを覚えていけばよいのです。「美しい姿勢・歩き方」では、記事を読んだ皆さんが、自分の「抜いたり足したりするサジ加減」でチョイスして、日常に取り入れていただければそれでいいと思います。「心」にフォーカスした姿勢や歩き方を、できるだけたくさんの方に伝えていきたいですね。
長坂さんがよく利用するAll Aboutのサイト

次回の編集長インタビューは【男のみだしなみ】ガイドの首藤 眞一良さんです。