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「メンズファッション」ガイド:倉野 路凡
第20回:「メンズファッション」ガイド 倉野 路凡 2005年05月12日
「All About」を支える約300名のガイド。ガイドは一つのテーマに一人だけ。厳しい審査を何度も通りぬけ、そのテーマのナビゲーターとなる。彼らがそのテーマに魅せられた理由とは?All Aboutを通して発信したいこととは何なのか?このインタビューでガイドたちの素顔に迫ります。
スーツは“男の戦闘服”。トレンドに振り回されず「自分のスタイル」を確立するべき
「メンズファッション」ガイド:倉野 路凡
「メンズファッション」ガイド:倉野 路凡
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編集長:森川さゆり、「メンズファッション」ガイド:倉野 路凡
左:「メンズファッション」ガイド
倉野 路凡/
右:編集長 森川 さゆり
Photo by Hideo Matsumura
編集長インタビュー第20回目は、「メンズファッション」ガイドの倉野 路凡さん。大人の男性が「自分のスタイル」を確立するための手伝いをしたいと言う倉野さんに、自分を美しく見せる着こなしについてのアドバイスをいただきました。
■原点は1980年代のプレップスタイル
ずっと変わらない中に真のかっこよさがある
森川:
倉野さんは子供の頃からずっとファッション関係のお仕事に就きたいと考えていたのですか?


倉野:
いいえ。実は、10代の頃は茶人になりたいと思っていたんです。私は京都出身なのですが、京都の茶人に堀宗凡(ほりそうぼん)という人がいて、彼にとても憧れていました。とても変わったおじいさんで、かっこいいんです。


森川:
そういえば、「路凡」さんというお名前は、茶人っぽい雰囲気ですね。茶道のご経験があるのですか?


倉野:
実際にお茶を習ったことはありません。しかし、「お茶の世界に入ったら、なんて名前にしよう?」と考え、思いついたのが、「路凡」という名前です。以後、自分で描いた絵に入れるサインやファッションライターになってからのペンネームなど、ずっと「路凡」を使っています。


森川:
倉野さんはフリーのファッションライターとしてのご経験がとても長くていらっしゃいますよね。普通の会社員として勤めたことはあるんですか?


倉野:
ありますよ。最初は美容師になろうと思って美容専門学校を卒業し、インストラクターとして働きました。でも、美容師は性に合いませんでした。アパレルメーカーに勤めたこともあるのですが、これも4ヶ月で退職。根が“プー太郎”なんでしょうね。


「メンズファッション」ガイド:倉野 路凡
森川:
ファッションに興味をもったきっかけは何だったのですか?


倉野:
ファッションに興味をもったきっかけは、1979年に『ポパイ』に出会ったことです。1980年頃のアイビーブームの影響を強烈に受け、代々木のメンズファッション専門学校へ入学しました。『ポパイ』以外にも、『ホットドックプレス』や『メンズクラブ』などで紹介されていたプレップスタイルは、本当にかっこよくて衝撃的でした。
ファッションにおいては、私自身は今も80年代を生きていると思っています。それは、トレンドばかりを追うスタイルではなく、ウンチクのある定番スタイルこそ「大人のメンズ服」だと考えるからです。


森川:
確かに、倉野さんの記事はブランドの歴史や背景など、“ストーリー”を語っていますよね。All Aboutの読者は30〜40代が多いのですが、倉野さんの記事に描かれているストーリーは、その世代の男性は非常に好まれています。


倉野:
やはり、ウンチクが多いですからね。90年代はストリートファッションなど、感覚で着るファッションが流行しました。なので、ウンチクがすっぽり抜けてしまっているんです。カジュアルな服はそういう着方でもいいのですが、“男の戦闘服”であるスーツは違います。細部にこだわって着ないと、自分の体型の弱点を強調するような着こなしになってしまいますから。


■スーツは自分のプレゼンテーション
いかに自分を美しくみせるかが重要
「メンズファッション」ガイド:倉野 路凡


森川:
30代、40代になると、人によってはお腹が出てしまったりして、それまでの洋服が似合わなくなってしまいますよね。そういった年代の男性は、どういったポイントに気をつけたらいいのでしょうか?


倉野:
みなさんトレンドに振り回されがちなのですが、スーツは自分の商品価値を上げるもの。いかに自分を美しくみせるかが重要です。だから、もっと「自分の体型を良く見せる」ということを考えるべき。言い方を変えれば、「自分の体型を補正する服装」をすることが大事なのです。トレンドのスーツを着たとしても、それが自分に合っているかどうかは、誰も教えてくれません。


森川:
店員さんは絶対「似合う」というので、自分で冷静に判断するしかないんですね。


倉野:
そうです。数年前、肩が内側に入った60年代風のスーツが流行しました。しかし、腕の太い人や顔の大きい人がこういうスーツを着ると、変なシワが寄ってしまったり、顔が余計に大きく見えたりして、全く美しく見えません。そうやってトレンドに振り回されていると、いつまでも自分が美しく見えるスタイルが確立できないんですよね。


森川:
早く自分のスタイルを確立するには、どうすればいいのでしょう?


倉野:
自分のマイナスのポイントを素直に認め、テーラーに頼るのが早道です。一度自分の体型に合うスタイルを発見すれば、次回からは同じようにすればいいわけです。フルオーダーは高価でなかなか手が出ないかもしれませんが、パターンオーダーでも、弱点を補正するスーツを作ることは可能なんですよ。


森川:
他に何か、大人のメンズファッションで重要なポイントはありますか?


倉野:
年齢を重ねると、どうしても「清潔感」が失われてきてしまいます。そうすると、それを補う必要が出てきます。清潔感をかもし出すのに重要なのがシャツ選びです。カジュアルなシャツや安いポリエステル混シャツだと、衿の高さが3.5センチくらいしかないのですが、これだと清潔感が出てきません。

清潔感を出すためには 4センチ以上の衿の高さのものを選んだほうがいいです。わずか5ミリなのですが、4センチ以上衿の高さがあると、スーツの後姿を見たときにキリッと見えるわけです。


■まずは着こなしの"基本"を伝えたい
大人の男性が「自分のスタイル」を確立するために
森川:
All Aboutのガイドになってみていかがですか?


倉野:
All Aboutでは、自分が編集長であり、編集者であり、ライターであり、カメラマンであるので、自由に自分の世界を表現できます。それがもの凄く楽しくて、ついつい1つの記事の執筆に1週間を費やしてしまうこともあります。そんな時は、さすがに妻からクレームが入りますね。


森川:
倉野さんの記事は、内容が雑誌の特集並みの力作が多いですよね。ファンも多いので、読者からのメールなども多くて大変なのではないでしょうか?


倉野:
私が担当する「メンズファッション」は30代、40代がターゲットですが、よく20代や50代の方からもメールをいただきます。多いのが、単なる記事への感想ではなく、真剣な相談。そういったお困りの方には、2時間くらいかけてじっくりお返事を書くこともあります。


森川:
2時間ですか?


倉野:
そうなんです。例えば今日いただいたメールの中に、「イージーオーダーでスーツを作ったのですが、小柄なので納得のいく美しいシルエットが出ません。どうすればいいでしょうか?」という相談がありました。こういった相談は一言で回答ができるものではありません。アレコレ考えて返事を書いていると、あっという間に2時間なんて過ぎてしまいますね。


「メンズファッション」ガイド:倉野 路凡
森川:
今後サイト上で読者に伝えていきたいメッセージはどんなことですか?


倉野:
まずは、スーツの着こなしの"基本"ですね。素材であるとか、色の組み合わせであるとか。サイトのアクセス数やメールなどを見ると、基本的な知識への需要が高いと感じています。若いうちはトレンドを追うのも悪くないと思いますが、30.代は、まずは自分を美しく見せる着こなしの基本を身につけるのが重要です。

移りゆくファッションではなく、大人の男性が「自分のスタイル」を確立する手伝いをしたいと思っています。



■倉野さんがよく利用するAll Aboutのサイト
1位 パン
2位 ジュエリー・時計
3位 


次回は【女性のキャリア】ガイドの泉 まつおさんです。