編集長インタビュー第55回は、「男のボディケア」ガイドの森 俊憲さん。ボディデザイナーという肩書きを持ち、異色の経歴を経ていまに至ったそうです。半分は読者目線と謙遜しつつも、“カラダ”のメンテナンスの新しいヒントを教えてくれました。
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ボディデザイナーという肩書きをお持ちですが、もともとはどういったきっかけでこの分野に入ったんですか?
森
実は、ちょっと前まで携帯電話の開発や、携帯キャリアの会社で働いていたサラリーマンでした。でも、学生時代にトライアスロンをやっていましたので、フィットネスやボディメンテナンスなど、カラダのことに関しては興味がありました。社会人になって、せっかく自分なりに努力して作ったカラダを失いたくはなかったので、どんなに忙しくても効率的なトレーニングを考えて時間をみつけて続けていたんです。
その時に、一流のアスリートやスポーツ選手などがやっているようなトレーニングはハードなため、普通の人が真似をしても継続するのが難しいと思って、私みたいな普通の人がカラダを引き締めたり、体型を維持できるようなトレーニング法を発信してみようと考えて、個人サイトで始めてみたのがきっかけですね。
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そのサイトでは、トレーニングのマニュアルを提供しているという感じですか?
森
そうですね。コンテンツのメインは動画でして、レベル別や環境別など、それぞれのニーズに合わせてトレーニングできるものを約140くらいご紹介しています。そのサイトでは、アドバイザーとしての役割も担っていますので、会員の方の現状を把握し、どうしたいのか、どうなりたいのかをヒアリングして、いまと将来のカラダのギャップを埋めるためのカラダ作りをご提案しています。ですので、コンテンツの中からいくつかをセレクトし、その順番も指南させていただきつつ、フルオーダーメイドでプログラムを作るといった感じになっています。iPodにもダウンロードして動画のコンテンツを見ていただけます。
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昨年、ビーリー・ザ・ブート・キャンプが流行しましたが、トレーニング方法で日本人のカラダに合うといったことはあるのでしょうか?
森
そもそもの体型はもちろん、欧米人と日本人とでは考え方も違いますからね。私が提供しているのは、筋肉ムキムキのボディビルダーのようなカラダ作りではなく、日本人の美意識に合った、バランスが良いカラダ作りを目指しています。
さきほど、美意識という話がありましたが、最近の男性は男性用のエステサロンとか、メニューも含めて、トータルでコーディネートしてくれるところがすごく増えましたよね。それは、美意識の高まりに応えようとしているように感じますが、たとえば、昔からあるメンズエステとはまた違った切り口なんでしょうか?
メンズエステというのは、ムダ毛の処理や肥満対策など、プロフェッショナルな課題解決型のサービスだと思います。その一方で、みだしなみの延長線上として進化してきているのがボディケアではないでしょうか。いまは、その2つをメインに市場があると思います。
また、美意識の高まりで言うと、時代とともに意識が変化してきたと思います。バブルの頃は、クルマや時計など、モノに対して投資していましたが、いまは自分のカラダを気遣って、投資している、または投資しようと考えている予備軍もだいぶ増えたと思います。
メンズエステが出始めた当時、男がスネ毛を脱毛するなんて、という風潮もあったかと思いますが、
先日の記事にも書いてありましたように、カバーメイクなど、そういったことが注目されている感じですか?
森
もともと、カラダに関する意識は、欧米人の男性に比べて日本人男性の方が遅れていた感がありました。ところが、ようやく日本人男性も、欧米のようにカラダに対して本気で気遣う姿勢が見られるようになってきました。たとえばネイルケアは、欧米のビジネスマンには当たり前ことで、自分の行きつけのサロンがあるのはもちろん、他の顧客と同じ道具は使いたくないということから、自分の道具をサロンにキープして、置いておく人も多いらしいです。そこまでしている日本人男性はまだ少ないですが、甘皮を取ったり、磨いたりといったネイルケアは、日本人男性もずいぶん欧米の感覚に近づいてきたと思いますね。
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女性から見ても、男性の指先や爪って結構気になるという人も多いと思いますね。そういう意味で言うと、カラダを磨くという事は、みだしなみに通じている部分もありますね。
森
確かにそうだと思います。ビジネスマンであれば、爪は、名刺を差し出すときに、絶対に相手の目に触れるでしょうし、そのときに汚いと、やっぱり仕事に悪影響がないとは言えない。第一印象を少しでもよく見せるための演出方法としては欠かせないと思います。
また、そういったことが気になっている人は、20代〜40代と幅広いと思いますが、気になり始めるのは30代が多いのではと感じています。私自身も、30代になってから爪だけでなく、顔のシワやシミも気になりだしました。若い頃は、海に行っても、紫外線対策など全然気にしませんでしたね。秋とか冬になれば、肌の色も元に戻りましたが、30代になってからは、残念ながらシミとして残るようになってしまいました。それで、危機感を覚えたという実体験はありましたね。
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そういったところをその人なりに気にして、ケアするということは、美意識の高まり、ひいてはおしゃれ感度が高まったということですよね。
森
30代という年齢は、自分自身の体型の変化など、10代や20代の若い頃と変わったと自覚できると思います。その中で、ビジネスマンは特に、それなりにリーダーの立場にあるなど、若い頃と比べて環境が変わっている人も多いでしょうから、部下や後輩からの視線も意識せざるを得ない。そうすると、少しでも自分をよく見せたいという思いが自然と生まれてくるはずです。女性に対してだけでなく、同性や周囲の人たちにたいするエチケットのひとつ、ビジネスマナーのひとつとしてボディケアは欠かせない要素になっていると思います。
短所をカバーするのではなく、長所を伸ばすという方法論
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森さんがガイドをされている男のボディケアというサイトを通して、ユーザーに何を伝えたいですか?
森
自分自身を飾るためにケアするのではなく、等身大で、もともと持っているカラダを磨く事を意識して欲しい。まずはボディケアを実行するきっかけになるように、伝われば良いと思っています。私の持論ですが、トレーニングもケアも、ウィークポイントをカバーしたり、解消したりするような方法ではなく、どこかひとつ自信があるところを探し出し、まずはそこをもっと伸ばすことから始める事が大事だと思います。短所を解消するのは、非常に難しく、本人の強い意志も必要です。しかし、長所をもっと伸ばそうとする事で、小さな成功体験が得られますし、そうするとモチベーションが上がり、継続もできるようになると思います。何よりも、成功した事を実感する事で気持ちがラクになりますからね。
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なるほど、そういった発想は意外です。普通なら、太ったからウエストサイズを落としたいと考えますよね。
森
私が個人サイトでも提唱しているのがボディをデザインするというコンセプトなんです。ダイエットやエクササイズって、いまの自分からの引き算の考え方ですよね。それは、どうしてもネガティブなアプローチですので、ストレスを感じてしまうことが往々にしてあります。しかし、私の場合は、より自分らしいとかワクワクしながら楽しめるように、足し算の考え方でサポートしています。たとえば、食事制限はせず、ライフスタイルも変えなくてOKで、隙間の時間を使って効果的なエクササイズができるように提案しています。そうすると、しなやかな筋肉をつけられて、代謝もどんどん上げることで、燃焼しやすくなるので、リバウンドの危険性もありません。
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決して無理はしない、ありのままの自分で効果的に続けられるということですね。その話を聞いただけでも、ワクワクしてきますね。とはいえ、その一方で無関心な人もいると思います。そういった方々に向けてアドバイスはありますか?
森
顔やカラダを磨くための何かを、一度騙されたと思って体験してみるといいと思います。おそらく、無関心な人は、「男が美容なんて!」と思っている方がほとんどではないでしょうか。でも、一度体験していただければ、ご自身が持っているものを良い方向に導いてくれますので、少しは美に対する意識も変わってくると思います。昔は、女性が綺麗だと世間が元気になると言っていましたけど、男性も女性に負けず、がんばって欲しいですよね。