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| 第9回:「防犯」ガイド 佐伯 幸子 |
2004年06月15日
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| 「All About」を支える約280名のガイド。ガイドは一つのテーマに一人だけ。厳しい審査を何度も通りぬけ、そのテーマのナビゲーターとなる。彼らがそのテーマに魅せられた理由とは?All Aboutを通して発信したいこととは何なのか?このインタビューでガイドたちの素顔に迫ります。 |
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| Photo by Hideo Matsumura |
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| 編集長インタビュー第9回目は、「防犯」ガイドの佐伯幸子さん。6冊もの防犯関連著書を持ち、テレビや雑誌でも活躍中の佐伯さんですが、もとは自分自身が被害に遭いやすいタイプだったそうです。「防犯」をテーマに仕事を始めたキッカケや女性たちに伝えたいメッセージを伺いました。 |
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| 普通の女性が普通にできる「知的護身術」 |
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| 女性ならではの発想なのかもしれませんね |
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- 森川:
- 佐伯さんは、安全生活アドバイザーとして、防犯・護身・危機管理に関する講演、執筆活動をされていますが、どのようなキッカケでこのようなお仕事を始められたのですか?
- 佐伯:
- 原点は、私自身が幼少の頃に経験した、連れ去り未遂事件がきっかけとなっているんです。ある日道を歩いていたら、突然、大学生くらいの男性に、すれ違いざまにヒョイッと小脇に抱えられ、連れ去られそうになって…。大声を出そうと思っても声が全く出ないんです。咄嗟の時というのは声すら出ないんだと幼いながらに体験しました。その時は、運良く逃げることが出来たのですが、もし、逃げられなかったら思うと今でも怖いです。
- 森川:
- その経験が原点になってらっしゃるんですね。
- 佐伯:
- ええ、ただ「この仕事をしよう」と意気込んで始めたわけでもないんですよ。最初は、自分の身を守るためには護身術を勉強しなければと、柔道や空手などの研究を始めようとしたのですが、護身術って相手が来たら、どのようにかわすかというものでしょ?普通の女性が、いざという時に技をかわす余裕なんてどこにあるの?という疑問が湧いてきて…。
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- 森川:
- 確かに、声すら出せない怖い状況で、護身術なんて実践できないかも…。
- 佐伯:
- そこで考えたのが「知的護身術」です。危機にどう対処するかではなく、それ以前に危ない状況にならなければよいのでは?と思ったわけです。つまり、危険な状況を招かないための「頭を使った護身術」ですね。普通の女性が普通にできることでも犯罪を未然に防ぐ方法はあるんじゃないかということです。
知的護身術を提唱し始めてしばらくしてから、ある女性に「あなたの発想面白いわね。講演会で話してみない?」と誘われたんです。これがきっかけとなって、女性のグループをはじめ、公民館などの講習会で活動するようになりました。この活動が口コミでどんどん広がっていって、一般人の女性で護身術を教えている面白い人がいるということで、テレビや出版社から執筆の声をかけていただくようになり、現職につながっています。
- 森川:
- 被害者に遭いやすい女性の立場からのアイデアや発想が共感を得たわけですね。
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| 美容にかける情熱はすごいのに… |
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| 女性は防犯には無頓着すぎる |
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- 森川:
- 佐伯さんの活動を拝見させていただくと、防犯の中でも、特に女性の身の守り方にフォーカスしていらっしゃいますよね。
- 佐伯:
- ええ、やはり被害に遭いやすいのは、女性、子ども、高齢者。当然のことですが、多くの方は毎日平和に暮らしているので、だからこそ、どのように自分を守ればよいかということを知らないんです。
このように平和に見える日々の中でも、刑法犯罪は増え続けているのが実情なので、まずは、女性に自分の身の守り方を知って欲しい、そしてそれを子どもにも伝えていって欲しいという気持ちを持っています。
- 森川:
- 確かに、女性はもちろんですが、最近では、弱者である子どもを巡る事件も増えていますからね。私はそういう事件に遭ってしまった子どもたちが心に抱える傷のこともとても気になりますね。
- 佐伯:
- そうなんです。被害者自身の心の傷や、家族の心の傷はなかなか癒えるものではありません。被害に遭うと、取り返しがつかないくらい精神的に大きな痛みを伴う。これは多くの場合、物やお金の被害以上に深刻なものです。このことが犯罪被害の一番恐ろしい部分であるということを、事前に知って欲しくて、せめてそれに気づいている私が伝えていければと思っています。
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- 森川:
- ニュースなどで悲惨な事件を知ることはあっても、自分に降りかかっていることでない限り実感がわかないのも現実ですからね。
- 佐伯:
- 女性の皆さんは、美容には日々、力を注ぎますよね?美容は分かりやすいんですよ。目の前にたくさんサンプルがたくさんあるから。歳をとってシワやシミを作りたくないとか、あんな風に美しくなりたいとか…。使用感や美しくなっていく過程も体験談として雑誌を開けばいくらでも載っている。だから、美容には時間もお金もかけるんです。
でも、犯罪には本当の意味でのサンプルがない。メディアを通じて事件は目にしているけれど、犯罪被害にあった人のダメージや精神状況を被害に遭う前から想像することは出来ないんです。だから、防犯には無頓着なんでしょうね。
- 森川:
- 自分の身に起こって、やっと実感するということですね。でも傷ついてからでは遅い…。
- 佐伯:
- そうなんです。だから、私が伝えることで、少しでもそのことに気づいて、考え方を変えてくれる人が増えれば、と思っているんです。例えば侵入防止のために錠前を一つ増やしてワンドアツーロックにする。これに2万円かかったとしても、1日に換算すると30円程度。それだけで被害に遭う危険性を下げることができるんです。わずかのお金で安全を買うこともできるということです。
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| 犯罪を未然に防ぐには? |
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| 架空請求、ひったくり、痴漢…から身を守る! |
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- 森川:
- 最近は防犯グッズなどもいろいろ出ていますよね?
- 佐伯:
- そうですね。そういうものを活用するのも大事なことです。でも、防犯グッズに頼ること以外に、毎日の行動を振り返り、危険から身を守る意識を持つだけでも随分と違うんですよ。
- 森川:
- 具体的にはどんなことがありますか?
- 佐伯:
- 「防犯」サイトによく書いているのですが、例えば、夜遅く駅から自宅まで携帯でメールしながら歩かないとか、ひったくりに遭わないために車道と反対側にバッグをかけるとか、そんなちょっとしたことの積み重ねが大事ですね。
- 森川:
- 今、佐伯さんが一番注目していて、皆さんに気をつけていただきたい犯罪はありますか?
- 佐伯:
- 「架空請求」ですね。最近は、「年金未納差押さえ」という旨の架空請求被害が増えているようです。今、大きく話題になっている問題なので、騙されてしまう人が多いようです。また、既にポピュラーな「オレオレ詐欺」、「交通事故の示談金」はいまだに被害が後を絶ちません。
日本人は2〜3万のお金で片付くならば…と出してしまいがちなんです。でも、一度出したら一貫の終わり。骨の髄までしゃぶられてしまいます。また、日本では、子どもの金銭トラブルを親が処理をするという傾向があり、これが被害を拡大させてしまいます。よく考えてみてください。もともと払わなくてもいいお金を5000人が2万づつ出したらそれだけで1億円の荒稼ぎ。こんなにバカらしいことはないですよ。
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- 森川:
- 無視するという勇気も大事なのですね。
- 佐伯:
- そうなのです。また、弱い心につけこまれ、被害に遭う人が多いので、狙われる前にきちんと知識をつけて!と言いたいのです。
- 森川:
- これから暑くなってきますがこの時期気をつけたほうがいいことはありますか?
- 佐伯:
- 集合住宅を外から見たら、開け放しているお宅は一目瞭然です。窓を開けていると当然、侵入被害に遭いやすくなるので、十分な警戒が必要ですね。
また、お子様をお持ちの方に対しては、「見知らぬ人についていってはいけません」「何かあったら大声で叫びなさい」と言うだけでなく、「何かあったら」の"何か"を具体的に説明してあげて欲しいですね。「なぜ見知らぬ人についていってはいけないのか?」「何が危ないのか?」「なぜ、母親や父親がこのようなことを話しているのか?」「もし危険を感じたらどうすればいいのか?」など、防衛策まで伝えることも大事です。危険をただ怖いととらえるだけでなく、自分の身や幸せを守るのだというポジティブな発想で教えてあげてほしいですね。
- 森川:
- 佐伯さんのおっしゃる「知的護身術」は、自分のことだけではなく、自分の大切な人を守るためにも必要な知識ということですね。
- 佐伯:
- 最近も「撃退!〜女性のための防犯マニュアル」という本を出しましたが、私のサイトも本も、基本的には犯罪被害に遭いやすい女性向けには書いてあります。でも本音としては、お子様をお持ちの親御さん、愛する恋人や奥様のいらっしゃる男性の方にも読んでいただきたいという気持ちが強いですね。
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