ガイドインタビュー第46回目は、「携帯電話」ガイドの石川 温さん。「日経TRENDY」に勤めていたときに携帯電話に出会い、そのおもしろさに惹かれて独立したという石川さんに、携帯電話の魅力やこれからについてお伺いしました。
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石川さんは元々「日経TRANDY」で記者・編集をなさっていたということですが、携帯電話に興味を持たれたのはいつ頃ですか?
石川
入社したのが98年ごろだったのですが、99年2月にDoCoMoからi-modeが出て。記者会見に広末涼子さんが来るというので、広末さん見たさに記者会見に出かけたんですね(笑)。そこでi-modeを作っている人たちの話を聞いていたのですが、ものすごく濃い人たちばかりで(笑)。でもそれこそ「これで世界を変えてやろう」と本気で考えていた人たちだったんですよ。その人たちの話を聞いているうちに、「これはすごく面白い世界だ」と思うようになって。それからどんどんハマっていきましたね。
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その後、独立されたわけですが、それはどういう理由ですか?
石川
「日経TRANDY」の場合、他にもいろいろ仕事を任されるのですが、やっぱり携帯電話が一番楽しくて。「できればもっと集中したい」という想いがどんどん強くなって。それなら独立しようと。
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そこまで携帯電話にハマったと。
石川
えぇ(笑)。
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独立してまで追いかけたくなる携帯電話の「魅力」は何でしょうか。
石川
携帯電話っていろんなものを飲み込んでいるんですよ。i-modeが出る前は電話とメールぐらいしか使えなかったのですが、i-modeが出てインターネットを取り込みました。いまはテレビも観られますし、おサイフ機能などの金融も取り込んでいます。あの小さな機械の中に、いろんな産業が入っているんですね。携帯電話の取材をしているつもりが、実は様々なビジネスの取材をしていることもよくあって、取材をしていてもホントに楽しいですね。
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確かに携帯一台ですべてがすんでしまうようになってきていますよね。ただ、それだけの産業やビジネスが入ってきていて、ちょっと飽和状態にあるのかな、という気もしているのですが、携帯にはまだまだ可能性を感じますか?
石川
う−ん、確かにもういっぱいいっぱいなのかなと思うことはあるのですが、それでもやっぱりまだまだ可能性を感じています。
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私も自分の携帯電話にたくさんの機能が入っているのは知っているのですが、なかなか使いこなすまではできなくて(笑)。石川さんはどの程度、機能を使っていらっしゃいますか?
石川
私もさすがに全ての機能を使いこなしているわけではないですけど(笑)、新しい機種が出ると、すぐに買って、一通りは使うようにしています。使って、体感してからではないと、記事に書けませんから。
ここ数年で、石川さんの中で「これはヒットしたな」と思うような機能などはありますか?
やはり音楽機能でしょうか。大人になって忙しくなると、なかなかCDショップに行くことが少なくなってしまうと思うのですが、それが携帯の画面だけで音楽が手軽に買えるようになって。買ったらすぐに聴けますし。本当に便利になったと思います。あとは電子書籍とか。
携帯電話って、技術の面でもサービスの面でも、いろいろな方向性があると思うのですが、これから注目していきたいことってありますか?
石川
おっしゃる通り、携帯にはいろいろな方向性や可能性があるかと思うのですが、いま面白味を感じているのは、どんどんパソコン化してきているな、ということです。画面もどんどん高精細化されてきていて一昔前のノートパソコンぐらいの表現力はありますし、通信速度も速くなってきているので動画も観られるようになっていますし。
私たちの世代は、だいたいの人がパソコンを持っていると思うのですが、若い世代はパソコンが買えない人も多くいます。そういう人たちにとっては、おそらく携帯電話が一番最初に触れるデジタルデバイスなわけで、そこで全てを完結させようとします。例えば大学のレポートなんかも携帯で出す人が増えているそうですし。そういうのを聞くと、まだまだこれからも進化していくのではないかと思いますね。
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携帯って人の文化を変えていきますよね。
石川
そうですね。特に表現方法を大きく変えますね。例えばメールでも最初は文字だけだったのが、絵文字が出てきて、画像や動画を使いこなすようになって。それがいいのか悪いのかわかりませんが、文化というか、人の生活をまだまだ変えていくのではないでしょうか。
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i-modeが出たての頃、国内だけではなく海外でも「日本の携帯はすごく進んでいる」という感じで取り上げられていましたが、いまはどうなんでしょうか。
石川
やっぱりまだ日本は進んでいますね。海外はまだ日本のビジネルモデルを追っているという感じです。日本で音楽配信が成功したから、アメリカなどの海外でも音楽配信をはじめるという話もありますし。まだまだ日本の方が数年先を行っていると思います。
ただ確かに機能については各国によって多少の差があるものの、携帯電話のすばらしいところは、なんだかんだ言っても基本は人と人とをつなげるコミュニケーションツールであるところだと思うのです。それを広げるためのメールだったりカメラだったりするわけです。そういう意味では、どの国でも受け入れられるツールですね。
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世代の広がりも面白いですよね。私の親もそうですが、年配の方でも、すごく楽しそうに使っていますよね。
石川
携帯電話を使うことで、コミュニケーションの密度や頻度が上がるということは確かにありますよね。特に親と子の関係だと、それがわかりやすいかもしれません。各電話会社でも、例えば父の日や母の日に携帯を贈ろう、なんてこともやっていました。
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昨年、ナンバーポータビリティという一つの波がありましたが、これからはどういう波があるのでしょうか。
石川
ナンバーポータビリティは一頃に比べ、だいぶ落ち着いていますが、いま盛り上がっているのはワンセグでしょうか。「本当にみんな観ているの?」という声も聞こえるのですが、例えば家族にテレビをとられてしまったお父さんが携帯で野球中継を見たり、中学生くらいの子どもたちが部屋でテレビを見るなど、マイテレビとして使っている方も多いようです。端末自身がどんどん進化していますから、私もこれからどういう機能や使い方が出てくるか楽しみです。
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どんどん便利になってきている携帯電話ですが、逆に使い方で気をつけた方がいいことはありますか。
石川
子どもには携帯電話の使い方をしっかり教える必要があるとは思っています。携帯電話を使えば、さまざまな情報にダイレクトにアクセスできますし、悪い情報もいくらでも手に入るわけです。それなのにいきなり「ぽんっ」と携帯を渡されることも多い。これはよくないことだと思います。やはりメーカーや電話会社、学校、もちろん親も協力して、もっときちんと教育していく必要があるのではないでしょうか。
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確かに犯罪に使おうと思えば、いくらでも使えますよね。どうしても便利なツールが出てくると、それを悪用しようとする人たちがいて、それに巻き込まれてしまう人も出てきてしまいますし。子どももそうですが、その子どもたちにきちんと教えるためにも、大人もしっかり使い方を知っておくべきだと思います。
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石川さんが携帯電話を追いかけるにあたって、大事にしている視点はありますか。
石川
「自分が持って、使って、楽しいか、便利なのか」というところは大事にしています。たとえば、いまおサイフケータイが盛り上がっていますが、確かに機能は便利なんです。でも使うための設定が面倒くさい。その辺は記事にするときでも、しっかり伝えていこうと思っています。携帯電話には便利な機能がいっぱいついていますが、反面、使わなくてもいいような機能もやっぱりあったりします。便利なものは便利、そうでないものは使わなくても大丈夫だよ、といったこともきちんと伝えていきたいですね。
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いろいろな機種やサービスが出てくる中で、一般の方がどういう風に携帯を選べばいいか、コツのようなものがあれば教えてください。
石川
うーん。いま持っている携帯を一度ざっとでよいので使ってみることをオススメします。いま持っている機種でも使っていない機能がいっぱいあると思うんです。それを一度使ってみてほしい。そうすると、新しい発見や本当に自分に必要なサービスや機能も見えてくるんですよ。と同時に、自分には必要のないものも見えてきます。
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確かにそうですね。実際に触ってみることで、自分にあった機能を見つけるのと同時に、意外な便利さも発見できるかもしれませんね。ただやはりそれって大変かも?(笑)
石川
マニュアルをひっくり返して読むのは大変だと思うので、まずは携帯電話のメニューをいろいろ見て、触ってみてください。「この機能は便利」というのが発見できたら、「次買うときはこの機能がもっと充実した機種を買おう」と思うでしょうし、「これは使わない」というのが発見できたら、どんなに他からすすめられても「この機能はなくてもいいや」という判断が自分でもできるようになります。
先ほどのおサイフケータイの話ではないですが、設定は大変だけど使ってみたら便利とか、音楽機能も覚えるのが大変でも使ってみたら楽しい、というのがいくつかあるはずです。そうすると自分が選ぶべき携帯電話が、きっと自然に見えてきますよ。