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| 第17回:「子育て事情」ガイド 河崎 環 |
2005年02月15日
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| 「All About」を支える約300名のガイド。ガイドは一つのテーマに一人だけ。厳しい審査を何度も通りぬけ、そのテーマのナビゲーターとなる。彼らがそのテーマに魅せられた理由とは?All Aboutを通して発信したいこととは何なのか?このインタビューでガイドたちの素顔に迫ります。
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| Photo by Hideo Matsumura |
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| 編集長インタビュー第17回目は、「子育て事情」ガイドの河崎環さん。若くして子供を授かったときのエピソードや子育ての面白さ、昨今の少子化問題などについて伺いました。 |
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| ■「子供は欲しいけど産まない」女性がいる |
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| ユーザーに触れて初めて気付かされた |
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- 森川:
- 河崎さんがガイドを始めたきっかけ、そして「子育て事情」というテーマを選んだ理由は何だったのですか?
- 河崎:
- 私は大学4年在学中に、妊娠・出産を経験しました。すべての原点はここにあります。「きっかけはできちゃった婚」、って感じで(笑)。当時、大学院への進学を希望していたのですが、まず子育てに専念。それから興味のあった乳幼児の発達心理学を勉強して、そこで得た知識をテーマにしました。今は子供と向き合っていく人生を選んで本当によかったと思っています。
- 森川:
- 大学生の時に出産を経験されたんですか? 実際に育てていくなかでは、やはりストレスも多かったのでしょうね。
- 河崎:
- そうですね、かつて学生の頃北米へ留学していたこともあって、アメリカと日本の教育環境の違いには不満を抱くことが多かったです。例えば、幼稚園の送り迎えひとつとっても、アメリカはドアtoドアでの車送迎が当たり前なのに、日本ではそれが暗黙の了解で禁止されています。母親が早起きしてお弁当をつくり、キレイにお化粧をしてからお出かけ。わざわざ幼稚園から離れたところに車を停め、そこから子供の手を引いて送り届ける。なんだかとても不自然ですよね。それで日本にいると、ストレスを感じることが多いなぁ、と(笑)。
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- 森川:
- 確かに。母親目線に立って、初めて見えてくることって多いんでしょうね。ガイドを始められて、社会に対するそういったユーザーの声に触れる機会も増えたのでは?
- 河崎:
- ユーザーと向き合ってみて驚いたのは、「子供は欲しいけど産まない」という価値観の女性がいることに気づいたこと。彼女たちが子供を産まない理由を突き詰めて考えてみると、行き着いた結論は、女性特有の嗅覚で「子供を産むと大変」と感じているのではないか、ということでした。
であれば、時代を牽引するカッコいい母親像さえいれば、「私もそうなりたい」という意識が芽生えるのでは。例えば世間で「勝ち犬」と呼ばれる人たちが、家族を持つことがいかに幸せであるかを積極的にPRすれば、前向きに考えられる女性も増えそうですよね。
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| ■「親の思いの60%がちょうどいい」 |
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| これが才能をつぶさない子供との向き合いかた |
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- 森川:
- お子さんと向き合っていくうえで、何か大切にしているものはありますか?
- 河崎:
- 子供に対しては、自分で思い描いた発想の60%で接するのが適当だと思っています。仮に自分の発想の100%とか120%をぶつけたとしたら、それはきっと子供に無理をさせているはず。120%の力で頑張ったら、それと同等あるいはそれ以上の見返りがある仕事的な感覚とは全く異なるものです。
塾の講師をしていたので、学習塾に通う最近の小学生の生活を目の当たりにしているのですが、塾のある日の就寝時刻は23時以降が当たり前。朝普通に学校へ行って授業を済ませ、家に戻ったら予習をしながらおやつだけ食べて塾へ。3時間の授業のあとにその日の復習をして、くたくたになった体を引きずって帰宅。この間、もちろん食事をする暇などなく、疲労が溜まっていれば夕食を摂らずにそのまま寝てしまうケースもあるようです。なかには、夜更かしを自慢し合う子供もいますから…。
- 森川:
- そこまでして受験戦争を勝ち抜き、いい会社に入ったとしても、それまで学んできた知識って意外と身に付いていなかったりしますよね。実際私もあれだけ英語を勉強したのに、ほとんど活かしきれていないですし。
- 河崎:
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だから、子供を自由度の高い私学やインターナショナルスクールに通わせたいという親が増えているのかもしれません。特に芸能人などのご子息に多いですね。会社組織に属する将来よりも、何か抜きん出た一芸や手に職を付けさせたいという思いからでしょうか。
こういった選択肢がある中で、親がすべきは「子を真剣に観察すること」です。どんなセンスを持っていて、何が得意・不得意か、これを見抜いて随時軌道修正してあげる。併せて、親自身が思い込みで間違った道に進むことがないよう、時には引き返す勇気も必要です。「親が自分自身を真剣に観察すること」も、同じく大切なんですよね。
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- 森川:
- ここ数年、若い母親が子育ての壁に衝突して児童を虐待してしまうという事件を耳にしますが。
- 河崎:
- 子育ては人間相手の作業ですから、なかなか自分の思い通りには進みません。努力してもどうにもならないことが多くて、それまでの人生で培ってきた総合力が試されるといった感じ。人生経験の少ない若年齢の母親が子育てを放棄してしまうのは、こういった背景があることを理解しなくてはいけません。
これとは逆に、比較的高年齢で出産をした母親が子育てを放棄した事例は、あまり聞いたことがありませんよね。やっぱり、出産までに積み重ねた数々の社会経験が、実際の子育てにうまく生かされているのではないかと思います。
- 森川:
- 思い詰める前にインターネットの母親コミュニティサイトを利用すれば、子育てに関する悩みを解消するためのヒントがあるかもしれませんね。
- 河崎:
- ここ5、6年で、ネット上のコミュニティは飛躍的に普及したと思います。日頃感じていた悩みやストレスを、共感してくれる仲間たちに伝える。結果として、これが心の助けに繋がるのだと思います。
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| ■少し話せば済むことまでメールで伝達 |
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| アナログとデジタルを使い分けるバランスが大切 |
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- 森川:
- お子さんへの教育の一環として、パソコンは取り入れていらっしゃいますか?
- 河崎:
- 私は根がミーハーなので(笑)、子供が2歳のころに買い与えたのですが、すぐに片目の視力が低下したので接触時間をだんだん減らしています。今では親が見ているそばで、ほんとに触れさせる程度に留めています。
私は、パソコンに触れた年齢によって、コミュニケーションのしかたが異なるのではないかと感じています。私は団塊ジュニア世代ですが、この世代は「会話」というアナログ的な大切さと、電子メールのデジタルな便利さのそれぞれの必要性を認識しているので、ケースバイケースで使い分けができると思います。
ところが、まず手軽な携帯電話のメールでコミュニケーションを始めた若い世代や子供の世界では、同報メールなどを利用してバーチャルな友達づくりが当たり前となっているようです。少し話せば済むレベルの内容でも、メールを使って伝達してしまう。しかも、それに返事を返さなければ、仲間はずれに近い扱いを受ける。返事をする側に、何か異様な切迫感みたいなものが見受けられます。
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- 森川:
- 時にメールは、「逃げに繋がるツール」であるという認識も必要ですよね。言いづらいことがあれば、メールに頼るといったケースも少なからずあると思います。
- 河崎:
- そのような習慣が身に付いてしまうのは子供にとっても不幸。親はきちんと子供の行動を見守りたいところです。アナログとデジタルをどこで線引きするか、このバランスが重要だと思っています。
- 森川:
- 今後、ガイドの立場から発信していきたいメッセージがあればお聞かせください。
- 河崎:
- 私は、子育てというのは決してステレオタイプな「母性」の世界ばかりのものではなくて、知的でクリエイティブな作業だと感じています。最近は、子育てとは社会経験豊かな感性の鋭い人にこそ向いているのではないかと思い始めています。自分が世の風潮に流されやすいミーハーなので、自戒も含めてね(笑)。特に、私と同じ団塊ジュニア世代の女性は、他人と一緒であることに抵抗を感じる、個性的で素敵な女性が多いはず。いい子育てをしそうな人がたくさんいるのに、産もうとしない現実がもったいないと感じています。
魅力的な女性なればこそ、子育てを楽しんでもらいたい! そして、その人の中にある人間的財産を後世へ向けて伝えて欲しいと思っています。
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