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大葉 ナナコ
「共働きの出産・子育て」ガイド:大葉 ナナコ

第33回:「共働きの出産・子育て」ガイド
大葉 ナナコ

2006年06月15日


「All About」を支える約300名のガイド。ガイドは一つのテーマに一人だけ。厳しい審査を何度も通りぬけ、そのテーマのナビゲーターとなる。彼らがそのテーマに魅せられた理由とは?All Aboutを通して発信したいこととは何なのか?このインタビューでガイドたちの素顔に迫ります。

出産はパートナーと共に、命を学べる機会 命を育んで行くことの原寸大を伝えたい

「共働きの出産・子育て」ガイド:大葉 ナナコ
「共働きの出産・子育て」ガイド:大葉 ナナコ

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左:「共働きの出産・子育て」ガイド
大葉 ナナコ/
右:編集長 森川 さゆり

編集長:森川さゆりと「共働きの出産・子育て」ガイド:大葉 ナナコ

Photo by Hideo Matsumura


編集長インタビュー第33回は、「共働きの出産・子育て」ガイドの大葉ナナコさん。自身も共働きをしながら5人の子どもを出産し、バースコーディネーターとして活躍しています。不安や心配が先に立ちがちな共働きと育児に対して、大葉さんは常にポジティブ。「今は出産・育児の変化の時期で、女性にとって出産はキャリアダウンではない」と語ります。今回は現代女性の生き方、パートナーと育む命について聞きました。

出産・育児に向き合う二人を、メンタル面からサポートしたい

病院では分からないこと

「共働きの出産・子育て」ガイド:大葉 ナナコ

森川:
まず「バースコーディネーター」の仕事について教えて下さい。
大葉:
バースコーディネーターの仕事は、新しい命に向き合う“妊娠前、妊娠中、産後”の時期に、女性やカップルの、心と体と暮らしをサポートし、人生の質の向上をお手伝いすることです。現在、新しい命について考える女性やカップルのために、講座やセミナーを開催すると同時に、テレビドラマの出産シーンの監修などもしています。
森川:
カップルに対して、妊娠前、妊娠中、産後、という広いタイムスパンでの支援をしているんですね。
大葉:
新しい命について考えるのは、妊娠中や出産時期の人だけではなく、全ての人にとって大切なことだと思うんです。保育園や小中学校で児童のみなさんにお話をさせて頂くこともありますよ。私たちバースコーディネーターは、近い将来に親になる人たちや、10〜20年後に親になる子どもたちをサポートすることも全て含めて、支援したいと思っているんです。それから、今を生きる大人たちが夢を持つことも、とても大切だと考えています。現世代の大人たちも幸せであるほうが、生まれてくる次世代も喜ぶはずですから。生まれてきたこと、産んでいくこと、その両方を豊かにするお手伝いをしたいですね。
森川:
ご自身も5人のお子様を出産されてますよね。バースコーディネーターという仕事をしようと思ったきっかけは、その経験の中にあるんでしょうか?
大葉:
そうなんです。私が22歳で妊娠をした当時、「出産にはいくらかかって、ベビーベッドはいくらで」といった、妊娠に関する商業的な情報は多かったのですが、メンタルや生活に関する情報が少なかったんです。病気・医療の専門家はいるけれど、出産によって自分がどう変わるか、といった事は誰も教えてくれなくて、クチコミが頼り、という状況でした。妊娠・出産に関して、メンタルな面を教えてくれる専門家がいなかったんですね。正しい情報が分からないせいで、心配や不安はどんどん大きくなってしまう。「医療や商業の情報だけではなく、メンタルな部分を教えてくれる専門家がいたらいいのに」と考えたのが、バースコーディネーターの原型なんです。

今のあなたに育てられる子しか生まれてこない

怖がることはありません

「共働きの出産・子育て」ガイド:大葉 ナナコ


森川:

大葉さんの講座やセミナーにいらっしゃる女性は、どんな方が多いんですか?
大葉:
仕事をしながら「産む・産まない」で悩んでいる32歳くらいの人が多いですね。妊娠前の講座や、働く女性のための講座にいらっしゃるのは女子大生から40代の女性まで幅広いです。
森川:
それは、仕事と出産、ということで悩まれているのでしょうか?
大葉:
そうです。仕事と出産に上手く折り合いがつけられなくて悩んでいらっしゃる方が多いですね。会社でキャリアを積んだ女性たちがよく口にするのは、「納得する所まで仕事をしたら、出産したいと思ってるんですよ」という言葉です。
森川:
でも、なかなか仕事に納得できる時なんて来ないですよね。
大葉:
「出産=キャリアを失うこと」と捉えている女性が多いんです。だから、キャリアを失う前にちゃんと仕事を形にしたいと考えて、出産の時期を決められず悩んでいらっしゃる。私が伝えたいのは「出産によるキャリアダウンは絶対にない」ということです。子どもを産むことで、今まで積み上げてきたキャリアや履歴書がなくなってしまうわけではないんです。ただ、少しペースダウンはします。全速力で走っていたのを、出産からの2〜3年、歩調を歩くスピードに変える。その期間は、必ずしも出産前と全く同じ仕事をしなくてはならない、ということではないと思っています。今あるキャリアを生かして、新しい仕事に挑戦するチャンスにすることもできるでしょうし、その後は再びバリバリ働くのもいい。
森川:
確かに忙しい毎日の仕事に追われていると、子どもを産み育てるなんて無理だと諦めてしまいがちですよね。仕事を続けたい女性にとって、出産はやはりとても勇気が必要なことだと思います。精神的にも時間的にも余裕がないのに自分にできるかしら、と。
大葉:
私は、子どもは出会いだと思ってるんです。多くの女性を見ていると、不思議と自分が育てられる子、自分に育てられたい子が産まれて来るんですね。「仕事が忙しくて時間に余裕がない」、と思っている人には、バリバリ仕事をしている親の姿を見て育ちたい子が。「子どもに全精力を傾けたい」、と考えている人には、親と多くの時間を共にして育てられたい子が産まれて来るものなんです。だから、怖がることなんて何もない。育てられる子しか産まれて来ないんですよ。

「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」

今は共働きの出産・育児の過渡期

「共働きの出産・子育て」ガイド:大葉 ナナコ

森川:
なぜ、「共働きの出産・子育て」のガイドになろうと思ったんですか?
大葉:
5人の子どもを生み育てた経験から、女性がパートナーと一緒に見ることができる子育てサイトを作りたいと思いました。大人になった男女がまじめに命について考える、なんてあまり無い機会ですから。私は子どもに対して、仕事をしている人生の先輩としての親を見せてあげたいと考えています。少し前までは「結婚=寿退社」という風潮もありましたが、最近は「仕事もしたい」「子どもも育てたい」という人がかなり増えています。そして男性にも、女性に仕事をしてほしいと考える人も増えていますよね。
森川:
確かに、共働きに対する意識は変わりつつあると思います。
大葉:
今の30代〜40代はライフワークバランス、つまり「仕事と育児のバランスを取る生き方を作る世代」だと思うんです。それが使命。そうすることによって、次の世代が仕事と子育てを両立できるようになる。
森川:
次の世代というのは、今の20代の人たちのことでしょうか?
大葉:
そうです。これから出産を真面目に考える世代です。共働きでの仕事に関しては「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」。常に主軸になるのは自分です。今は共働きの出産・育児の過渡期。その時期に、いいロールモデルを多く紹介したいと思っています。加えて、妊娠・出産・育児に対する苦労や努力で疲れてしまうことを心配するカップルの、とりこし苦労を取り除いてあげたい、命を育むことを原寸大で伝えたいと思ったのが「共働きの出産・子育て」のガイドになろうと思ったきっかけです。
森川:
では最後に、子育てをして行く上で、大切なことは何でしょうか?
大葉:
共働きに限らないとは思うのですが、子育てで大事なのは、SOSが出せること。自分ひとりで子育てなんてできるわけがありません。パートナーや周りの人にSOSが出せることが大事。それから、子育ては「お仕事モード」ではなく「恋愛モード」で考える方がいいと思います。働く女性は子育ても仕事と同じように管理したがりますが、人間相手ではなかなかそうはいかないもの。恋愛と一緒だと思えばいいんですよ。相手を思い通りにコントロールすることなんて無理ですから。サイトでは不安や心配を抱えた女性と、そのパートナーがポジティブに新しい命に向かい合うための情報を、これからも発信し続けたいと考えています。
大葉さんがよく利用するAll Aboutのサイト

次回の編集長インタビューは【留学・インターンシップ】ガイドの豊田 圭一さんです。