アレルギー/ハウスダスト・シックハウス症候群

カビ・ダニアレルギーに負けない部屋づくり

高温多湿のこの時期、お部屋で増殖するカビやダニがアレルギー症状悪化の原因となることがあります。今回は場所ごとにカビ・ダニ退治のポイントをご紹介します。

執筆者:光原 ゆき

文章:光原 ゆき(前任ガイド)

これからの季節に気をつけたいアレルギーは?


ダニやカビのいる部屋
目に見えなくても、お部屋にはダニの死骸やカビが浮遊しています
ジメジメの梅雨も終わりに近づいてきたとはいえ、蒸し暑さは増す一方。帰宅すると家の中がモワっとしている、なんていうこともありますよね。家の中で特に気になるのが、お風呂や戸棚に見られるカビ。カビはアレルギー因子の一つだって、ご存じでしたか? アレルギーは季節ごとに悪化要因がありますが、梅雨から夏にかけて気をつけたいのが、高温多湿な環境におけるカビ、そしてダニの増加です。

カビやダニは日常的に家にいるので、アレルギー症状の原因として気づきにくいかもしれません。しかし、お風呂のカビを徹底掃除したり、部屋のダニ対策をしたら、くしゃみやかゆみの症状が緩和した、ということもあります。気になる人は、アレルギー科で原因物質(アレルゲン)の検査をしてみましょう。ここでは、簡単にできるお部屋のカビ・ダニ対策をご紹介します。


高温多湿でカビ・ダニが急増中


まず、ダニの繁殖に必要な条件とはどのようなものでしょうか。ダニは、室温20℃~30℃で、湿度が60~80%、さらに餌となる人や動物のフケ、食べ残しなどがある場所で繁殖します。また、ふとんやぬいぐるみ、カーペットなどに繁殖しやすいといえます。

カビも15℃から繁殖し始めますが、20℃を超えると勢いよく繁殖し始めます。湿度については、60%くらいから繁殖し始め、多湿であればあるほど繁殖します。また、ゴミやホコリを好みます。

6月、7月、8月の平均湿度は、東京都で70%を超えています。この時期の日本は、まさにカビ・ダニの好む環境といえますね。さらに、隙間風が吹いていた昔の木造住宅と違い、最近の住宅の構造は高密度・高断熱で、空気がこもったままになっています。これがダニ・カビの発生に拍車をかけているといわれています。例えばダニだと、昭和30年頃に比べて昭和60年頃では3倍に増えたというデータもあります。※1

このように、カビ・ダニともに、掃除や換気を怠ると、あっという間に繁殖してしまいます。衛生的な観点からもカビ・ダニのない部屋は大切ですが、アレルギー症状に悩む人にとっては、ちょっとした工夫で、毎日が楽になるかもしれないのです。

※1 都におけるアレルギー性疾患対策の在り方 最終報告、平成13年6月、東京都アレルギー性疾患対策検討委員会 より


次のページでは、家庭でできるカビ・ダニ対策をお知らせします。
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