エネルギー事情

ガイド:南山 武志

エネルギーの現状や“とっつきにくい”技術を、「文系」のココロでわかりやすく解説。

提供:電気事業連合会

 

掲載日: 2009年 07月 02日

「準国産」のエネルギーを生むプルサーマル

エネルギー「自給率」のアップに寄与


前回、プルサーマルはウラン燃料をリサイクルする発電だと述べました(図1)。資源の有効活用を図る――。それはわが国のような「資源小国」にとって、とても大きな意味を持つことです。

プルサーマルの仕組み
プルサーマルにより資源利用効率は10%〜20%アップする(電気事業連合会)
日本のエネルギー自給率は、わずか4%(2006年実績)。主要先進国ではダントツの低さです。不況の影響で世界的に原油の需要が減り、価格も下落しましたが、最近持ち直しの動きも出始めました。中長期的にみれば新興国の爆発的なエネルギー需要の増大は不可避で、エネルギー資源の争奪戦になる公算大。将来にわたるエネルギーの量的な確保、自給率の改善は、日本にとってまさに至上命題です。

ただ、「自給率の改善」といっても、国内で大規模な油田を掘り当てるような可能性は、ほとんどありません。そこでクローズアップされるのが、プルサーマルなのです。プルサーマルでは、一度発電に使ったウラン燃料を再利用します。使い終わった燃料を蘇らせるのだから、これは立派な「準国産エネルギー資源」と言っていいでしょう。この発電の導入で、資源利用効率はおよそ10〜20%アップするそうです(電気事業連合会)。


廃棄物の放射能を大幅に減らす

豊かな自然を象徴する山
国土が狭い日本にとって、廃棄物の処分は切実な問題
メリットはまだあります。一度原子力発電に使われた「使用済み燃料」は、放射能(放射線を出す能力)を帯びた状況にあります。プルサーマルに回してももちろん廃棄物は出ますが、使用済み燃料をそのまま捨てた場合(「直接処分」)に比べ、体積で30%〜40%にまで低減されるのです。

当然のことながら、放射能を持つ廃棄物は厳重な管理のもとに置かなければなりません。容量が多ければ、それだけ大規模な施設、広大な土地などを手当する必要が生じます。ただでさえ国土が狭い日本にとっては、切実な問題と言えるでしょう。

直接処分の場合、発電の過程で生まれたプルトニウムを再利用することなくそのまま「捨てる」ことになります。そのプルトニウムの半減期(放射性物質の量が半分になる時間)は、およそ2〜4万年! 放射性物質の管理という点では、相当な負担を強いられてしまうことになります。

ですから、「プルサーマルを行えば廃棄物の放射能を小さくできるメリットがある」というよりは、「直接処分はデメリットが大きい」と言うのがより正確かもしれません。そもそも日本の原子力発電は、スタートの時からこうした燃料のリサイクル(「再処理」)を前提に推進されてきました。急に新しい取り組みが開始されたというのではなく、自然な流れなのですね


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