掲載日: 2004年 07月 30日
改訂版でさらに充実 「中国茶と茶館の旅」
中国茶に造詣が深く、何冊も本を書かれている平野久美子さん。彼女の名前がお茶と結びついた最初の作品「中国茶と茶館の旅」の改訂版が出版されました。
「中国茶と茶館の旅」といえば、以前は中国茶に嵌った人ならだれもが最初に手にするというほどの名著。中国茶の文化がカラー写真で綺麗に紹介されており、この本を読んでさらに深い中国茶の世界に誘われた人も多かったのではないでしょうか。
今年年初に平野さんから「2月の末か3月の初め頃は私も香港取材があって、東京を留守をします。新潮社の「中国茶と茶館の旅」が今年、全面改訂となります。その取材です。」というメールをいただきました。丁度私の香港出張が決まったのと同じ時期で、お薦めの茶館などないかお聞きしていたところでした。そのお返事のメールで、この本の改訂版が出版されることを知り、とても嬉しく思ったものでした。1996年7月に発行されてから約8年。ずいぶん中国茶の世界も変化してきたところですから、時勢にかなった改訂だと言えるでしょう。
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| 美しい表紙 |
早速手にとってみると、表紙がずいぶんと変わっていました。旧版は、茶器のセットを全面にあしらったものでしたが、今回の表紙は、茶畑、茶器、お茶請けなどが美しくレイアウトされています。
さらに変わった点は、その本自体の厚さ。カラーページがぐんと増え、茶荘、茶館のページが充実していました。旧版同様、香港、台湾の茶藝館はもとより、広州、上海の茶館にまでページを割いているのは嬉しい限り。香港の新しいお店も掲載されています。
さらに、本の著者欄に目を留めると布目潮[シ風]先生のお名前がそのまま残っていました。布目先生は中国茶文化を「茶経」など中国の文献学で紐解き、素人にもわかりやすいように解説してくださった茶文化研究の第一人者だった方。数年前に惜しまれつつご逝去されたのですが、その先生の名前が残っていたのもとても嬉しいことでした。
今年5月中旬に平野さんにお会いする機会がありました。その時に「布目先生のお名前をどうするか出版社の方に聞かれたのね。でも、この本は布目先生のお名前があったから、ここまで多くの人の目にとまったのだから、敬意を表して、そのままにしてもらったのよ。」とおっしゃっていました。
そんな経緯を経て、布目先生の茶の歴史を紐解いたイントロダクションは、そのまま健在でした。
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| 黄山のお茶の説明 |
さて、ページを開いていくと、第1章は旧版がまず「お茶を識る」という題名だったのに対して、今回は「銘茶を育んだ天、地、人」。武夷山、杭州など、有名な中国茶の産地の紹介が並びます。掲載されている写真もほとんどが新しいものに変更され、文章自体も改訂されています。
その後に続くお茶の基礎知識は、前回とはあまり変更ない様でした。お茶の淹れ方は、時代を経てもそうそう変わりはないですから。
それに加え、台湾の有名な茶文化研究家の周[シ兪]さんの「茶の心」というすばらしいエッセイもそのまま残されていました。この文章はお茶を飲む人の心が自由で良いことを教えてくれるのです。ちょっと日本の茶道批判的名部分もありますが、でも道は重んじる必要があるんだという点は、万国共通ではないかと思います。





