金利を制する者は相場を制す
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| アメリカの金利動向は世界の金融市場に大きな影響を与えます |
前回、株価の決定要因は4つ(企業業績、金利、需給、市場心理)あると説明しましたが、今回はそのうちの金利についての話しです。金利というと、ちょっと難しい印象を受けるかもしれませんが、この知識なしで株式投資をすることは、地図なしで登山をするのと同じ様なものといっても過言ではありません。投資成果には雲泥の差が出てしまいますから、最低限、簡単な知識は身につけておきましょう。
一口に金利と言いましても、大きく分けると短期金利と長期金利の2つに分けることができます。短期金利は政府が決める政策金利(公定歩合)に基づく金利で、銀行の預金利率などに影響します。一方で長期金利は市場で取引される国債の価格で決定する市場金利で、主に10年物の国債の金利を指します。そして、外国株をするうえで、必ずチェックしてほしいのがアメリカの金利動向です。アメリカの金利動向はアメリカの株式や債券市場はもちろん、香港やシンガポールなど、米ドルに通貨をペッグさせている国の金利はこれに直結し、その国の株式市場も大きな影響を受けるからです。
それでは、具体的に2005年のアメリカの金利がどのような動きになり、どのような影響を世界の金融市場に与えたのかを振り返ってみましょう。2005年は米国の短期金利引き上げによって、高金利に引き寄せられる形で世界の資金が米国に引き寄せられました。そして、集まったお金は米国では不動産市場に溢れ出し、米国の不動産市況は活況を呈したわけです。ところが本来なら一緒になって上がって不動産市況にブレーキをかけるはずの長期金利が横ばいの推移となり米国の不動産市況はバブル化しています。
この理由は、一件関係ないように見えますが、中国とインドの経済成長が関係しているのです。両国の経済成長にともなって資源価格が大幅に上昇し、原油価格は過去からは想像もつかない高値圏に達しました。ここで、いわゆるオイルマネーが莫大に膨らんでいます。このオイルマネーというのは、もとをただせば、1970年代のオイルショックの時に生まれました。当時、石油は30年程度で枯渇すると考えられ、それを懸念した米国は、膨大な量のドルを印刷して中東の石油を買い漁って先に使ってしまい、米国での石油は温存しておく作戦に出ました。ここで、本来の経済活動には必要のないお金が大量に発生したのです。この資金が投機資金に化けて、通常では考えられないカラ売りなどのマネーゲームが世界中で行われるようになったわけです。もちろん、今回の原油高にも一役買ったわけですが、その投機資金が原油高でさらに莫大な量になりました。つまり現在、世界は未曾有の金余り状態になっているわけです。そして、その余ったお金はどうしているのかというと、あまりに拡大しすぎて運用先がないために、世界最大の金融市場であるアメリカで国債を買わざるをえない状況になっています。国債が買われれば国債の価格が上昇し、反面、金利は落ちます。そのため、本来なら上昇しなければいけない、長期金利が横ばいになってしまったというわけです。
アメリカの不動産市況が活況でアメリカ経済が好景気となっていることは、アメリカに物を売っている世界中のメーカーに大きな恩恵を及ぼしました。また、ドルに資金が集まったことによってドル高円安、ドル高ユーロ安など、ドルにペッグしていない国にとっては通貨安につながり、株式市場には好影響を及ぼしました。しかし、2006年は状況がガラリと変わります。米国の短期金利の上昇が終焉し、アメリカの短期金融市場に滞留している資金が株式市場や他の通貨に流れ出して米国発の世界的な株高が起こるわけなのですが、その仕組みについては次回、お話しましょう。