知っておきたい、お金を借りる最新事情
更新日:2007年09月25日
改正貸金業法で上限金利が引き下げられたのはよいのですが、貸金業者の貸し渋りが起こり、1000万人を超える人が消費者金融を利用できなくなるそうです。ヤミ金融が跋扈する時代になるかもしれません。
NPOなどに融資業務ができるのか!
2.で名前の挙がったグラミン銀行とは、ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が設立したバングラデシュの貧者のための銀行で、女性向けに起業資金の無担保融資をしています。ノーベル賞で話題になったこともあって、金融庁がモデルに据えたのでしょうが、わが国にはこうした低利での無担保融資の伝統はありません。おそらく、NPOバンクや岩手県消費者信用生協のような団体を想定しているものと思われますが、海千山千の多重債務者を相手に焦げつかせずに融資するのは至難の業でしょう。さらに、この事業から収益をあげていくビジネスモデルが描けていません。東京都が設立した新銀行東京は事業者向けのローンを展開しましたが、素人集団だったために焦げつきが続出しました。そういったリスクも考えられるでしょう。
安易なセーフティネットの構築はさらなる混乱を招くだけ?
このように、少し考えただけでも「多重債務問題改善プログラム」は、実効性が見えず穴だらけです。それが分かるからか、現場は早くも途方に暮れているのです。このままこれらのセーフティネットを実行に移せば、貸金市場はより一層の混乱を来すでしょう。そして、目的の多重債務者の解消にはほど遠いことになるのではないでしょうか。
私は金利引き下げには賛成ですが、ハードランディングで性急にコトを進めたばかりに逆に多重債務者を増やす結果になりはしないか、と心配しています。
1000万人のローン難民はどこにいく?
いずれにせよ、法律施行前から1000万人の人が消費者金融を利用できなくなるという予測がでたり、「借りられなくなる人」がでることを行政側があらかじめ宣言するようでは全くもって不安です。本末転倒というしかありません。ノーベル賞に関連するからと突然、グラミン銀行の名前をだしたり、これまで注目されなかった岩手県消費者信用協会をグラミン銀行と似た組織というだけで引用したり、現場を知らない学者と役人が鉛筆をなめなめ作った法律にしか思えません。ヤミ金融が跋扈する時代に逆戻りしないためにももう一度原点に立ち返って、セーフティネットを作り直すなど改正法の現実的な是正がなされることを望みたいものです。