知っておきたい、お金を借りる最新事情

更新日:2007年09月25日

ローン難民1000万人の時代がやってくる

改正貸金業法で上限金利が引き下げられたのはよいのですが、貸金業者の貸し渋りが起こり、1000万人を超える人が消費者金融を利用できなくなるそうです。ヤミ金融が跋扈する時代になるかもしれません。

倒産を恐れて貸し渋りが横行!

昨年12月に成立した改正貸金業法は貸出金利の上限を29.2%から20%以下に引き下げるという法律で、これによって多重債務者は大幅に減少すると期待されています。ところが、その一方で、いままでグレーゾーン金利(29.2%~20%)で潤ってきた消費者金融業者やキャッシング比率の高いクレジットカード会社が次々と経営危機に追い込まれ、貸し渋りを始めました。とくに新規顧客に対しては、与信を厳しくしており、これまで5割の新規顧客獲得率だったものが、3割まで落ちています。そこまでしなければ生き残れないほど厳しい状況になっているのです。

「借りられなくなる人」続出!

これが利用者に思わぬ影響を及ぼしつつあります。1000万人を超える人たちが消費者金融を利用できなくなるからです。多重債務者だけでなく、上客だった個人事業主でも消費者金融から簡単には借りられなくなるといわれており、多くの利用者がヤミ金に駆け込むか、自己破産するしかないという極めて異常な事態となりつつあるのです。

金融庁、あわててセーフティネットづくり!

こうした混乱は、改正法成立前からある程度予想されていました。それでも金融庁は上限金利を大幅に引き下げるというハードランディングを選んだのですが、今ごろになって「借りられなくなる人」のためにセーフティネットを作ろうとしています。2007年4月に発表された「多重債務問題改善プログラム」がそれで、1.全国の自治体500カ所に相談機関を設けて多重債務者のカウンセリングを行う、2.低利で融資を受けられる「日本版グラミン銀行」を設立する、3.高校の家庭科で多重債務の実態を教える、などいくつかの施策を打ち出しました。

自治体が「サラ金」に変身できるのか!

金融庁は09年末の改正法の本格施行までにこうした施策を実行しようとしているのですが、これらのプログラムにどれくらいの実効性があるのか、筆者はとても不安に思うのです。
先日、ある消費者生活センターで講演をしたのですが、その際に「多重債務問題改善プログラム」のいい加減さを思い知らされたからです。そこの自治体も多重債務者のための相談窓口を設ける予定になっていますが、担当者には何のノウハウもないため、「多重債務者が相談に来ても私たちではどうにもなりません。結局は東京の弁護士さんに頼むことになります」という始末でした。他の自治体でも同じような調子で、相談窓口といっても結局は弁護士へのつなぎ役でしかないのです。消費者金融から有能な社員を引っ張ってきてアドバイザーにしたり、利用者の代表を加えるくらいの努力をすればいいのに、そんな知恵は回らない。結局は弁護士を儲けさせるための仕組みに過ぎないのでしょう。
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岩田 昭男

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