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三井住友系カード3社合併の意味

オーエムシー、セントラルファイナンス、クオークの三井住友系カード3社の合併で、5年前に始まった三大メガバンクを中心としたクレジットカード業界の再編は一段落。新しい業界の姿が見えてきました。

岩田 昭男

執筆者:岩田 昭男

クレジットカードガイド

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来年4月に業界第5位のカード会社が誕生!

08年2月29日、三井住友フィナンシャルグループのオーエムシー(流通系)、セントラルファイナンス(信販系)、クオーク(信販系)の3社は記者会見を開き、09年4月に合併し、新会社に移行すると発表しました。この合併によって、会員数2197万人、取扱高2兆3560億円という業界第5位のカード会社が誕生することになります。

存続会社はオーエムシー、本社は名古屋(セントラルファイナンスの地元)で、東海地区での営業強化を狙った布陣になります。社名は合併後、変更になりますが、「三井住友」の冠はつきません。また、カードのブランドは、オーエムシー、セントラルファイナンス、クオークがそのまま残ります。

三井住友カードはどこへ行く!

一方で、残された三井住友カードの去就が気になります。同社はこの合併には合流せず、従来の形で残る予定です。無理に合併させて軋轢を生むよりは、三井住友カードと合併新会社の二頭立てにして、「銀行」「信販」「流通」のそれぞれの強さを発揮した方が得策との狙いです。「クレジットカードのマーケットには様々なニーズがあり、ひとつになってマーケットインにするより別々にした方が効果的」と三井住友カード代表取締役社長・月原紘一は話しています。さらに、このカード戦略を全体的にみるために新たに中間持ち株会社を設立して、二社はその傘下に所属します。この持ち株会社がリテール戦略を二つの会社に振り分ける役割を担うわけですが、この辺りが他のメガバンクにはない工夫といえます。

生き残るために3社合併を選択!

三井住友フィナンシャルグループは急激に所帯を増やしました。昨年4月にはセントラルファイナンスを三菱UFJフィナンシャルグループから迎え入れたのをはじめ、同7月にはオーエムシーも傘下に加えました。これらの2社とクオーク、三井住友カードの関係を調整するために、昨年9月から戦略検討会議がスタートしました。最初は、セントラルファイナンスとクオークの合併に関する話し合いがテーマでしたが、そのうちに、業法改正で環境が悪化するなかで生き残り策を話し合う会となりました。「成長の見込めるクレジットカード事業。クオークとの2社体制ではなく、オーエムシーが入って3社でまとまる方がスケールメリットを受けられる」との結論に達したとセントラルファイナンスの土川立夫代表取締役社長は言います。貸金業法改正などの環境悪化が3社を結びつける結果になったというわけです。
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