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自賠責保険って解約できるの?

例えば事故でクルマが廃車になった。こんなとき自賠責保険に支払った保険料はどうなるのか。強制保険である自賠責保険を解約することはできるのでしょうか?

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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自賠責保険は必ず加入するよう法律で決められている

自賠責保険を解約できるケースもある?
自動車あるいはバイク(原動付自転車や軽二輪自動車など)を運行する場合には、自賠法(自動車損害賠償保障法)という法律によって必ず自賠責保険をつけなければならないことになっています。

自賠責保険が「強制保険」とも言われる所以です。

自賠責保険には「被害者救済」という考え方が根底にあります。近年、飲酒運転などによる不幸な事故が多いですが、加害者側が全く保険に加入していなければ、経済的に被害者が救済されません。

保険がなければ、加害者が自分で損害賠償すればいいというように考える人もいると思います。確かにその通りなのですが、仮に人一人亡くなった場合、数千万円から億にも上る損害賠償金は一般の人が簡単に支払えるものではありません。

例え何年かかって支払ってもらっても、遺族のほうは経済的な負担が軽くなるわけではありません。以上のことから、最低限、自賠責保険に加入することを法律で定めているわけです。

なぜ自賠責保険は勝手に解約できないのか?

自賠責保険を契約者がいつでも好きなときに解約できるようだと、法律で強制的に定めている意味が薄れてしまいます。ですから、クルマを買い取りや下取りに出したとき、自賠責の解約はできないようになっています。

中古車を買った経験のある人ならご存知だと思いますが、例えば車検○年付などのクルマがあります。車検が付いているということは、少なくてもその期間、自賠責保険もついています。つまり前のクルマのオーナーがつけていた車検や自賠責をそのまま引き継ぐことができるわけです。

自賠責保険の加入を法律で定めているように、自賠責保険の解約についても制限されています。それでは、自賠責保険は解約することができるのでしょうか?

自賠責保険を解約できる主なケース

意外と知らない人が多いのですが、一定の条件下で解約することは可能です。主には次のような場合です。

1. 自動車を滅失・解体したとき
2. 登録を一時的に抹消したとき


要は、車検証とナンバープレートを返して、もうクルマには乗らないということであれば解約できるのです。ナンバープレートを返す=そのクルマが走行することがないなら自賠責は解約してもいいでしょう、ということです。

自賠責保険の解約に必要な書類

実際に自賠責を解約する手続きを確認しておきましょう。まずは解約に必要な書類についてです。

●車検のあるクルマ
1. 自賠責保険承認請求書(保険会社に備え付け)
2. 自賠責保険証明書
3. 廃車が確認できる書類(抹消登録証明書、解除事由証明書、登録事項等証明書いずれか)
4. 保険契約者本人であることの確認書類(運転免許証、健康保険証等)

●車検のないバイク・原付

1. 自賠責保険承認請求書(保険会社に備え付け)
2. 自賠責保険証明書
3. 廃車が確認できる書類(軽自動車届出済証返納証明書、軽自動車届出済証返納済確認書、解除事由証明書、軽自動車税廃車申告受付書のいずれか)
4. 保険契約者本人であることの確認書類(運転免許証、健康保険証等)
5. 保険標章(原付のナンバープレートに貼ってあるステッカー)

自賠責を解約する具体的な手続き方法

一般的に、各損害保険会社の窓口に問い合わせることになります。一部の損害保険会社ではカスタマーセンターなどで電話・郵送対応するところもあるようですから、解約の際は確認してみましょう。

自賠責保険の解約は、自分で手続きしなければ仮に廃車などにしても勝手に解約返戻金が戻るわけではありません。クルマが廃車になって車両保険がなければ経済的に苦しいときもあると思います。もしものときに少しでも損のすることのないようにしましょう。
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