資産運用/資産運用をするときの鉄則

投資の3原則は分散、長期、複利運用!

人間が感情的に行いたいのは、集中投資と短期回収です。その誘惑を抑制できたときに、豊かな資産運用の世界が広がってきます。ギャンブルのような投資をしていても、人は疲れるだけで幸せになれません。分散、長期、複利の三原則を守れば、幸せになれます。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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投資対象にはいろいろありますが、いずれも基本は同じです。資産運用の三大原則は「分散、長期、複利」です。いずれも、投資のリスクを減らすための手法ですが、基本を学ばない人は、ほとんどがこの逆をやってしまいます。

分散投資は集中投資を上回る

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卵をひとつのカゴに盛ってはいけない

「卵をひとつのカゴに盛ってはいけない」という投資の格言があります。一回のつまづきですべての卵が割れてしまうから、分けて複数のカゴに盛る知恵をすすめているのです。

よくある誤解は、たくさんの銘柄や金融商品を持つことを分散だと思っていることです。しかし、たくさんの投資対象を持つことと、投資対象を分散するということは、意味が異なります。

分散の真意は、値動きに異なる資産に分けることです。

【関連記事】「20世紀の大発明はアセットアロケーション!」

世界中の資産を、8つの資産群に分けたときの分散の効果を示す表が以下のものです。
2013Ranking6Assett

過去10年間の世界の主要な資産の値動き

 

10年前に投資した100万円は、日本株を買った場合には大型株で147万円、小型株で177万円にしかなりませんでしたが、米国株なら200万円、ヨーロッパ株なら212万円、アジア株では283万円になっていました。ローリスクといわれる海外先進国債券ですら160万円になっていました。この結果が、初めから分かっていれば何も苦労はないのですが、分からないときにどれか一つの資産に集中すると、大きな損失をこうむる可能性があります。ならば、すべての資産群に均等にかけてみよう!と単純に分散した結果が最終行です。

10年前に100万円を、11の資産群に分けて投資したら、203万円になっていました。平均利回りでいうと、7.34%の価値上昇でした。一般の個人投資家ならば、オンの字をつけられる十分な投資成果だと思いませんか?

20世紀からこのような傾向が続いています。分散の有利さは、かなり普遍的な事実といえます。

世界の大投資家たちは、集中投資がお得意です。大富豪ともなると、リスク許容度は大きく、狙うリターンも大きいので、分散投資には満足できません。失っても困らない投資元本を投入できる人は、集中投資も良いでしょう。しかし、多くの一般人には向きません。ギャンブルとしてなら、話は別ですが・・・。

長期投資は短期投資に常に勝つ

人間は、良い成果を楽に早く欲しがります。それは、性格や考えによるのではなく、怠け者の人間としての本性です。その本性を制御できる人に、より大きな成果が与えられるように、この世の中はできています。

まず、長期投資は分散されたポートフォリオのリスクを減らします。どんな時代の分散投資も、長期間続けることで平均的な収益率に回帰することを統計学は教えてくれます。

ただし、間違った投資手法を用いたり、価値のない企業に投資していたら、どんなに時間をかけても結果はどんどん悪くなることは、当然です。

長期投資には、もう一つのメリットがあります。そのお話は、次のページで
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