資産運用/資産運用をするときの鉄則

大投資家の名言 ドナルド・トランプ

大投資家というより不動産ショーマンといった方がふさわしいかも知れないトランプは、アメリカ文化を体現してきた。熟年に入った大富豪は、堅実な事業を志向し、自分の王国作りに余念がない。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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アメリカの不動産王といえば、ドナルド・トランプです。強い自己顕示欲と上昇志向を隠さず、3度の結婚歴を持つこの人こそ、不動産の世界における大投資家です。

世界一の不動産デベロッパー

新賢明なる投資家 上
トランプが41歳でに書いた「自信に満ち子供っぽく無邪気な楽しい個人史」
ドナルド・トランプは、ニューヨークで住宅開発業を営む父の元でビジネスを学びましたが、彼が目指したものは「もっとスケールが大きく、華やかでエキサイテイングな仕事」でした。

グランド・ハイアットホテルの再開発、当時世界一豪華なビルといわれた「トランプ・タワー」の建設、「トランプ・シャトル」なる航空事業への参入、カジノ・リゾートの開業などなど、1970年代から頭角を現してきたトランプは、常にマスコミの脚光を浴びる「お騒がせ男」でもありました。

トランプの特徴は、多くの大投資家と同様に、その発想力にあります。鋭く個性的な眼力で物件を見抜き、その不動産に隠れている魅力や割安度を発見することが得意です。人と同じ平凡な見方をしていては、大富豪にはなれません。それは、ちょうどバフェットが割安株を見つけて集中投資していく成功パターンと似ています。

ただ、トランプの場合には、狙ったプロジェクトをなしとげるための姿勢はなりふり構いません。お行儀の良い投資家ではないけれど、偽善を拒むそんな彼に、不思議なブランド力が付加されていきました。

向かうところ敵なしの勢いのトランプに試練が訪れたのは、1990年から。増え続けた負債に対しキャッシュフローが追いつかなくなり、一時は自己破産寸前まで追い詰められたのです。

最悪を予想して最高を手に入れる

世紀の「成り金男」が見事に復活したのは、1990年代の後半。そんな波乱万丈の大投資家の名言は・・・

「私は積極果敢な考え方をすると人は言う。だが、実際には、私は消極的な考え方をよしとする。商売ではきわめて慎重なほうなのだ。
つねに最悪を予想して取引にのぞむ。最悪の事態に対処する方法を考えておけば、つまり最悪を切り抜けることができれば、何があっても大丈夫だ」


トランプほどのリスク・テイカーが、慎重を心がけているというのは実に深い話です。多くの一般投資家は、最善の希望的観測で不動産を買ってしまうからです。

強気一辺倒の野心家が、挫折から学んでどう変ったか?詳しくは次のページで!
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