ペット保険/ペット保険の基礎知識

ペット保険はどこまで補償される?ペット保険の基礎を学ぶ

ペット保険とは、人とは違って公的な保険がないペットの医療費に備えるためのものです。また、飼っている犬が通りすがりの人に噛み付きケガさせたといったような場合の補償もあります。ペットを飼う上で検討しておきたい「ペット保険」の補償内容や加入方法について解説します。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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ペット保険はどこまで補償される?

ペット保険の基礎知識とは?

ペット保険の基礎知識とは?

ペットを飼っている人は、将来ペットにかかる医療費について考えておくことが必要です。ペットも平均寿命が延びていること、医療技術の進歩により医療費が高額化していることは人と同じです。

単にペットと言っても、犬や猫からハムスター・うさぎなどの小動物、鳥類、爬虫類までさまざまです。どんなペットを飼っているかによってケガや病気の際の医療費も同じではありません。また、同じペットでも年齢によって病気のリスクや医療費も違ってきます。

ペットには健康保険がないため医療費は全額自己負担です。この点を頭に入れて、ペットの医療費を考える際に検討したいペット保険について検証します。
 

ペット保険とはそもそも何?

人が加入する保険には、公的な保険(例えば国民健康保険など)と私的な保険(民間の生保・損保会社が販売しているもの)があります。公的な保障をベースに、不足する分を私的な保険や預貯金でカバーして万が一に備えるのが基本的な考え方です。

これに対してペットには公的な医療保険制度がないため、医療費がかかるときには自分で全額負担しなければなりません。人の場合には健康保険で医療費が1~3割で済みますし、他にも医療費の負担軽減となる各種制度がありますが、ペットの医療費は全額自費です。

ペット保険とは、こういったペットの万が一の医療費などについてお金の負担をカバーする私的な保険(民間の保険会社等で加入する保険)です。ペット保険は、損害保険会社や少額短期保険業者のいずれかで取り扱われています。
 

ペット保険にはどんな補償が必要なのか?

ペットを飼ったとき必要になる補償は、主に次の2つです。
 
  1. ペットの医療保障
  2. 第三者に対する損害賠償

「1」については、ペットの医療費をカバーするものです。健康保険がないため、負担が大きくなるのは説明したとおりです。

「2」については、特に犬を飼っている場合、通りすがりの人に噛み付いてケガをさせたとか他人のものを壊した場合など被害者に対する補償です。

ペット保険は、業者やその取り扱っている商品によって商品内容は異なりますが、ペットの種類や年齢などによっても引受け条件などが変わってくるので注意が必要です。また、犬の場合には小型犬、大型犬とで条件が変わるので、自分の飼っているペットはまず何に該当するのか確認してください。

他にもポイントになるのが、ペットの年齢です。生後間もない時期や一定年齢に達した以降の新規の契約はできません。ペットも長生きになっている以上、目先のことだけでなく長い目でみてペット保険を選ばなければなりません。

多頭飼いしている場合には、医療費だけでなく保険料も負担が増えます。きちんと予算組みをしておきましょう。
 

ペット保険と個人賠償

第三者に対して損害賠償が発生した場合の補償については、ペット保険では、犬の噛み付き損害などの名称で補償がついていたりします(ないところもある)。

これは人の損害保険商品でいうところの個人賠償責任保険(または特約)にあたるので、ペット保険で補償をつけていれば、あえてペット保険の噛み付き損害などの補償はつける必要はありません。

なお火災保険や自動車保険、傷害保険などにもこの特約で付帯できますし、特約保険料もたいした負担ではありません。例えば特約付帯して1億円の補償をつけても月々の支払いは100円くらいです。

火災保険の特約では犬が他人に噛み付いてしまった損害賠償は補償されないのでは? という人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。自分の加入している保険の内容をもう一度確認してその上でペットの保険を考えてみましょう。
 

ペット保険の商品選びと業者選び

現在、ペット保険は損害保険会社で3社、少額短期保険業者で9社が取り扱っています。

ペット保険として犬と猫を対象にしているところが中心です。そのためそれ以外の小動物等などは、取り扱っているところはごく僅かです。また犬や猫でも高齢になると新規では保険契約を引き受けないこともありますから(継続の場合は可能)、飼っているペットによって加入先が絞られてきます。

また、単純に保険料だけでなく、補償の内容や保険を利用するときの使い勝手も重要です。ペット保険は入院したら1日いくらというものより、負担する医療費の所定の割合(例えば50%、70%など)を負担するものが一般的です。

仮に70%のプランなら30%は自費になるので、人でいうところの健康保険をペットにつけているようなイメージになるでしょう。50%や70%くらいのプランが比較的多いですが、90%など負担割合が高いペット保険もあります。

ペット保険を利用する際の使い勝手とは、会社によっては提携病院があって保険会社にいちいち保険金の請求をしなくても病院の窓口で精算できるといったものです。海外旅行保険のキャッシュレス精算に近いイメージです。

ペットを動物病院に連れていくかは飼い主の判断です。これは人と大きく違うところです。ペットにかかるお金についてペット保険も選択肢の一つとして検討してみましょう。もちろんペット保険を使わずに預貯金を増やして対応するという選択もありです。

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