

年金はよく3階建ての家に例えられる。1階が日本人全員を対象とする「国民年金」、2階が会社員を対象とした「厚生年金」(公務員は共済年金)で、これらは国が運営する年金制度だ。
これに企業が退職者に支給する「企業年金」という3階建て部分を加えたものが、日本の年金の基本的なしくみだった。ここに、「確定拠出年金(日本版401k)」という新しい選択肢が加わった(図1参照)。これは国が作った制度であるものの、個人が自分の老後のために資金準備することを支援する制度である。
従来型の年金制度が老後になったら年金は毎年○万円、とあらかじめ決定されている「確定給付」だったのに対し、確定拠出年金は拠出(積立金)は決まっているけれど、将来年金がいくら受け取れるかは加入者の運用次第となっている。この点がこれまでの年金ともっとも異なる点だ。
国の年金制度はつぶれることはないだろうが、少子高齢化の影響で、受け取り開始年齢の引き上げ、保険料負担の増加など、若い世代にとっては厳しい方向へ見直しが行われている。言い換えれば、国はこれまでのように個人の老後の面倒をみていられないので、「自分の老後は自分で責任をもって準備をしてね」という制度でもあるのだ。
一方、企業年金についても長引く超低金利、株価低迷等の影響で運用がうまくいかず経営を圧迫するケースが増えてきた。よって、企業は「お金は出すから自分で増やしてね(減っても責任もたないよ)」というこの制度の導入を検討し始めている。国や企業が面倒をみてくれた時代は終わり、自分のことは自分でなんとかしないと、という時代になったのだ。
図1 確定拠出年金の位置づけ