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更新日:2003年06月01日

sigmarionIII ファーストインプレッション sigmarionIII インプレッション

ドコモのsigmarionIIIの発売が開始されました。製品の機能とサービスを考慮すると、最安の小型ノートPCの1/3〜1/2程度と、お買い得感も充分な製品といえるでしょう。

 ドコモのsigmarionIIIの発売が開始されました。東京での店頭実売価格も5万円半ばと、製品の機能とサービスを考慮すると、最安の小型ノートPCの1/3~1/2程度と、お買い得感も充分な製品といえるでしょう。
sigmarionIIIでは、Windows CE.NET Version4.1が搭載され、旧機種のWindows CE3.0(H/PC 2000)とは、同じCE機と言っても別なマシンとなっています。
sigmarionIIIは、バックアップ電池が充電式の内蔵型に変更されています。購入後、条件によりますが最大1日くらい充電にかかりますので、購入後直ぐに使いたいユーザーの方は注意が必要です。(メインバッテリーが充電完了していれば、使用には問題ありません)


■外観
 このsigmarionIII、外観上での大きな特徴は薄さと言って良いと思います。旧型でもあるsigmarionIIに比べ、スペック上はわずか6mm薄くなっただけなのですが、手に持つと大きな差を感じます。特にバックに入れる際に薄さを気にする女性が多いので、女性にはsigmarionIIIの薄さは好まれるのではないかと思えます。限定でも良いのでカラーバージョンが欲しいところです。
薄型化されたことで、180度開閉できる機能も移動中の操作性向上に大きく役立つといえそうです。


■表示
 65,536色表示可能な800×480ドットの5.0型カラーTFT液晶は視認性も高く、アプリケーションによるもたつきはあるものの、描画速度は良好です。
ただ5.0型で800×480ドットの解像度をもっているので、標準のフォント設定ではかなり文字が小さく見づらいのが難点で、標準でフォントサイズを変更できるツール「フォントサイズ変更」が用意されていますので、スタートメニューなどのフォントサイズを変更する必要になるユーザーも多いかも知れません。
小型で高解像度な液晶搭載機では、OS側の標準設定フォントでは表示が小さいケースが多く読みづらいことが多かっただけに、こうした配慮は嬉しいですね。
また、更に細かく設定したい場合は、Tillanosoftさんで、「SmallTweak」のsigmarionIII対応版が公開されていますので、こちらを利用するのが良いと思います。
Tillanosoft : SmallTweak



■通信環境
 一番目立った変更点は、H/PC 2000ではシングルスクリーンの全画面表示のみでしたが、sigmarionIIIでは一部ポップアップウィンドウによるマルチウィンドウが採用され、「メディアプレーヤー」や「MSN Messenger」といったアプリケーションがPCと同じように使用できるようになったことでしょう。WindowsCEを古くから利用しているユーザーにとっては、Windowsに大幅に近づいたsigmarionIIIに、とまどいを受けるかも知れません。
実際に、「MSN Messenger」で複数の相手との会話画面を表示してコミュニケーションがとれる状態は、PCに限りなく近く、PDAも便利になったものだと感じました。

通信環境で気になる点は、DDIのAirH”通信カードの利用ですが、AH-N401Cの直挿しはカード認識しません。またCF>PCカード変換アダプタ経由でのAG-10も認識できませんでした。USBケーブル経由とSDタイプについては現時点で手持ちがないので、チェック出来てません。当面はドコモの@FreeDが主体というところでしょうか。

@FreeDによる接続は、インターネット接続ユーティリティを使用する方法、手動で接続設定をする方法でも問題なく行えます。@FreeDは安定した通信速度を確保してくれますので、電波を確保できるエリアであれば快適な通信環境が実現します。
電車での利用は路線にもよりますが、東京の地下鉄での使用ではAirH”の半分くらいの接続時間は確保出来るケースもあり、送受信のレスポンスの良さを利用してのWebブラウズやWebチャットでは駅付近だけでも使えそうだと思えます。むろん、どの路線でも利用に耐えれるかどうかは、まだまだ引き続きの検証が必要です。また「MSN Messenger」は、ドーマントからの復帰と再サインインの繰り返しとなるため、実用には苦しいかと思えます。
もちろん、地上での通常車両では移動では問題なく使えますので、電波を確保できるエリアの移動なら快適な通信環境が安価に手に入ると言えます。

■メールとアプリケーション互換
 sigmarionIIIには「受信箱」があらかじめ搭載されていますが、メーラーは好きなものを選びたいのがユーザーの望みでしょう。そこで、CE系のメーラーとして人気も高くsigmarionIIIに適している定番メーラー「nPOP」または「nPOPQ」を導入してみました。インストールするには、公開されているCABファイルを一度PC上でexeファイルを取り出してsigmarionIIIへ転送する必要がありますが、両方ともに問題なく動作しています。これは、sigmarionIIIでのCABファイルの互換性の問題のようなので、対応したCABファイル版が用意されれば、意外と動作する既存のCE用アプリケーションも多くなりそうです。
実際にJornada720で使用していたアプリケーションもほとんどが使用可能であったのには驚きました。
sigmarionIIIは、SDカードをストレージとして使えるため、Jornada720のCFに置いて使用していたソフトウェアをまとめて移動して使用できたので、Setupも一気に進んで少々拍子ぬけもしましたが、なかなか快適です。
余談ですが、PalmOS機のDOCファイルが読めるViewPageも使用できたのは、マルチPDAを使うユーザーには嬉しいですね。
nPOP (nakka氏作)
nPOPQ (Qta Sakamoto氏作)
Dicre : ViewPage for CE

■総括
 sigmarionIIIは、充分とは言えませんが、OSの変更により標準搭載されているソフトウェアはPCアプリケーションに近い強化が行われており、今までのCE機と比べて大きく機能がアップされています。もちろん、古くからのCEユーザーにとっては、カスタマイズすることで更に使いやすくすることも可能です。
Tascal softさんのTascalRegEditも動作していますので、レジストリレベルのカスタマイズも自己責任ながら可能です。

通信環境まわりは強力になり、良いことずくめのようなsigmarionIIIですが、新規に動画対応された「Media Playar」は、まだまだ低い完成度です。WMV,MPEG-1データ共に、再生時の駒落ちも激しく音声も途切れがちになるなど、現状では動画再生の実用レベルに達していないと思えます。今後の改善に期待したいところです。

こうして一通り使用してみた結論ですが、予想以上に標準アプリケーションの改善、既存ソフトウェアの互換性もあることから、実用度はかなり高いと言えます。価格もこれだけの機能を搭載していれば、充分なコストパフォーマンスはあると言って良いかと思います。
難点といえば、DDIのAirH”カードが使用出来ない点と、動画再生の不完全さ、sigmarionII譲りの変則的キーボード配列、フォント表示がバランスの悪さといったところでしょうか。課題である既存アプリケーションの対応は、これから次第ですね。

ノートPCより安価で気軽にキーボード付きの軽いデバイスを使いたいという方には、安心してお勧めできそうなデバイスです。

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庄司 恒雄

PDA・スマートフォンに関わりはじめて10年。PDA黎明期に「PDA-JAPAN」というサイトを立ち…

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