Mac OS X では「
WebKit」と呼ばれるシステム共通のプログラム(フレームワーク)を使って、インターネットで使われているHTMLドキュメントなどを解析・表示しています。
Apple Mailやヘルプビューア、Safariや
シイラ、
OmniWeb などがこのフレームワークを利用しているため、同じドキュメントなら、ソフトウェアが異なっても同じ表示になるのです。
そして、この「WebKit」フレームワークは、オープンソースとして「
The WebKit Open Source Project」で公開され、開発途上版(
WebKit Nightyly Builds)がテスト公開されており、だれでも簡単に利用できます。
※開発途上版とは品質保証されていないソフトウェアですので、利用には十分注意が必要です。
「
WebKit Nightly Builds」ページトップにある金色のSafari アイコンをクリックすると「WebKit」アプリケーションがダウンロードできます。これをハードディスクにコピーして起動すると、実際には Safari が起動してきますが、内部では「WebKit」アプリケーションに含まれている最新のWebKit が利用されています。現在のMac OS X 10.4.9に搭載されているものより新しい機能や不具合改修が施されているので、Safari の文字化けやページ表示の不満が爆発しそうな人は、試してみるとよいでしょう。
 |
| 「WebKit」というアプリケーションと、「Drosera」というアプリケーションが含まれます。今回必要なのは、「WebKit」のほうだけです。※「Drosera」は「WebKit」アプリケーションを実行中に起動して、利用するJavaスクリプトデバッガです |
ここでは、WebKit※の新機能や改善ポイントを紹介します。
※今回使用したのは、「WebKit-SVN-r21794」です。
日本語を含むテキストファイルをそのまま表示しても文字化けしなくなった
Mac OS X 10.4.9 までのSafariでは、ネット上に配置された .txt 拡張子を持つShift JISコードのテキストファイルは、そのままでは、文字化けしてしまいます。
このような場合は、Safariの「表示 - テキストエンコーディング」から、「日本語(Shift JIS)」を選べば日本語が読めるようになるのですが、そもそもデフォルトのエンコーディングが「日本語(Shift JIS)」なのにおかしいですよね?
最新の「WebKit」を使えば、このようなケースでもちゃんと日本語で表示されるので、安心です。
 |
| Safariを使っていると、あたりまえのように遭遇する文字化け。Safariの完成度というよりは、WebKitの完成度に問題があったのですね |
mixiなどのブログへの画像貼付け作業が便利になった
以前、ネット上で「Mac OS Xのファイル選択ウインドウはアイコン表示(サムネイルを並べた表示)ができないので目的の画像が見つけにくい」ということが話題になりました。
そのとき、多くの Macユーザは「ファイル選択ウインドウにiPhotoなどから、ファイルをドロップすれば簡単に使えるよ」というアドバイスをしていましたが、わたしは、そのような操作より「ファイル選択ウインドウ自体を表示させずに設定できれば、もっと便利になるのに……」と思い、要望として
Appleへフィードバックを送ったのです。
……しばらくして、最新の「WebKit」を使ってみてビックリ!私がフィードバックしたとおりの実装がされていました!
(もちろん、昔のWebKitを知らないので、他の人の意見が先に採用されていただけかもしれませんが)
この新機能によって、mixi の日記などへ画像を設定するとき、iPhoto で中身を見ながらドラッグ&ドロップするという操作だけで画像が設定できるようになり、Windowsのファイル選択ダイアログのサムネイル表示よりもずっと便利になりました。
もちろん、他のブログやグループウェアなどでのファイル設定ボタン上でも利用できます。
 |
| Mac OS Xはドラッグ中の画像の中身もバッチリわかります。ドロップする位置は、マウスカーソルの先端がボタンに重なる場所です |
mixiなどの文字コードがEUC-JPのサイトで記号の文字化けがなくなった
以前の記事で紹介した内容の文字化けは、すべて「WebKit」で発生しません。「

」や「

」もそのまま入力できます。
※ただし、「

」は「

」で表示される場合があります。
Microsoftのサポート技術情報ページの右下のアイコンが巨大化しなくなった
MacでもMicrosoft Office を利用することがあるため、よく
サポート技術情報ページを利用するのですが、なんだか右側に巨大なプリンタがいつもいるのが不思議だったんです。
ところが「WebKit」アプリケーションでアクセスすると、本当は小さいサイズで表示されるべきものだったんですね。
個人的には、とっても気になっていたので、スッキリしました。
 |
| SafariとWebKitではその差は歴然です。そもそもどうして、こんな変な表示になっちゃうんでしょうか? |
その他の問題点
「WebKit」アプリケーションを利用して起動するSafariは、特殊な方法で起動しているため、私が知っている範囲で以下のような問題点があります。
●一部の文字フォントがSafariで表示する場合と異なるものになる
→ゴシックフォント表示のはずが明朝で表示される場合があります。文字の大きさやボタンの表示なども微妙に異なる感じです。
●サイトのパスワードを記憶する設定にしていても、特定の場合に機能しない
→Safariの環境設定 の自動入力というものがあるのですが、これの各項目をオンにしていても一部のサイトでは機能しなくなります。対象のサイトがパスワードを記憶する機能を持っている場合は、そちらを利用しましょう。
●InputManager を利用するソフトウェアを使っていると強制終了する場合がある
→ /ライブラリ/InputManagers/ 以下に Mac OS Xの機能を拡張するプラグインがインストールされていると「WebKit」アプリケーションが上手く動かない場合があります。「WebKit」を使用したい場合は取り除いてください。
補足)「WebKit」 を起動したときのトップページをいつものSafariのものと同じにしたい
 |
| 「WebKit」を起動すると表示されるトップページ |
「WebKit」はテスト利用目的で配布されているため、起動した最初はその旨を伝えるページにジャンプするようになっていますが、常用するには少し不便です。
しかし、ちゃんと回避方法は用意されており、/アプリケーション/ユーティリティ/ターミナル を起動して以下のコマンドを実行します。
defaults write org.webkit.nightly.WebKit
StartPageDisabled -bool YES
※すべて1行で入力
|
コマンドを実行後、「WebKit」再起動すれば、いつものSafariと同じトップページに変わります。ターミナル操作がわからない、コマンドを実行してもうまくいかないというひとは、
こちらからスクリプトをダウンロードして実行してみてください。
【関連情報】
・
The WebKit Open Source Project
・
WebKit Nightly builds
・
Mac OS の使い方(from All About)
・
アップル - Macをはじめよう
・
Macintosh製品ガイド
・
アップル - Mac OS X
・
美しいソフトウェア(from All About)
→All About「Mac OS の使い方」トップページへ
→その他の記事はこちら