WWDC 2005
(Mac のデベロッパー向けイベント) キーノートスピーチで衝撃的な事実が明らかになりました。
なんと、2006年の6月から、2007年6月までに すべての Mac が Intel プロセッサ に変更されるというのです。
WWDC2005 キーノートスピーチ
でのデモ(ストリーミング では 00:28:00くらい)では、Mac OS X for Intel は非常に軽快に動作していました。
しかし、ここでユーザーが最も気になるのは、「ソフトウェア」です。現在、Mac に採用されているのは PowerPC G4 、PowerPC G5 というプロセッサですが、Intel のそれに入れ替えるということは、単純に考えると、従来のソフトウェアはそのままでは動作しなくなることになります。
しかし、この問題に対しては、Apple はいくつかマジックを用意しています。
今回は、このAppleが用意したマジックを紹介しながら、今後の Mac の展望や 今、Mac を買うべきか否か?ということを考えてみたいと思います。
マジック その1 - ロゼッタ -
「今持っているソフトは、Intel 版 Mac では動かないの?」
… 答えは
「いいえ」です。
Apple は従来の PowerPC 向けに作成されたソフトウェアでもそのまま Intel 版 Mac で動作するような仕組みを用意しています。

それが
「ロゼッタ」です。
お察しの通り、これは“エミュレーション”という技術によるものなのですが、Classic 環境のように、わざわざOSのなかでOSを起動するようなものではなく、ソフトウェア単位で実行され、しかも高速に動作します。
WWDC2005 キーノートスピーチ
で行われたデモでは、Word 、Excel 、Photoshop CS などが非常に高速に動作していました。
(ストリーミング映像では00:40:00 あたりから見られます)

※ロゼッタの動作デモ
この「ロゼッタ」という技術の詳細は、TRANSITIVE 社
の「QuickTransit
」というソフトウェアを調べてみると、なんとなく理解できると思います。Apple から公式に同じものだという説明はされていないのですが、この「QuickTransit
」と同じものか、あるいは非常に良く似た技術で実現されているのは間違いなさそうです。
「QuickTransit
」については、この記事の最後にある関連リンク先を参考にしていただくとして、仮にこれと同じ技術であれば、Intel 版 Mac 上で従来のPowerPC 向けに作成されたソフトウェアを、高速かつシームレスに動作させることができそうです。
マジック その2 - ユニバーサルバイナリ -
いくら、エミュレーション技術がすばらしいからといっても、やはりコンピュータの性能をフルに引き出すためには、そのプロセッサに最適化されなければなりません。
つまり、ソフトウェアを作り直す作業が必要です。
しかも、ソフトウェアメーカーにとっては、既存の PowerPC 版 Mac のユーザーもサポートしなければなりませんから、両方の Mac でソフトウェアが動作するようにしなければなりません。
Apple は この作業を非常に簡単に行えるようにしました。

それが
「ユニバーサルバイナリ」というものです。
Mac OS X のベースとなっているのは、
NeXT 社
が開発した NeXTSTEP/
OPENSTEP
です。そして、この OS は、最終的には、Intel のプロセッサでも動作していました。
Mac OS X でも例に漏れず、Apple 社内では、5年前の初期のバージョンから密かに Intel プロセッサで動作する Mac OS X が開発されていたそうです。
これは5年も前から Apple が Intel プロセッサへの移行を本気で考えていたということにもなります。
このため、Mac OS X 開発当初から、複数のプロセッサに容易に対応するしくみがすでに考えられていたのです。
ここで、もう少しコアな人のために、具体的にどのようにすれば、PowerPC 版と Intel 版の両方をサポートするアプリケーションが作成できるのか見てみましょう。
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になれば、
Xcode 2.1 がダウンロード
できますので、このソフトを入手して、一部のオプション(カスタマイズ を選んで、「Mac OS X 10.4(Universal) DSK」)を追加し、インストールします。

あとは、ソースコードを読み込んで、プロジェクトのアイコンを選択し、情報ウインドウを表示、「Build」の「Architectures」を選択して「Edit」ボタン(あるいはダブルクリック)を押して、オプションを変更し、コンパイルし直すだけ※。
※実際には、数行~数十行程度の修正が必要。
以上のように、 開発者の立場から見ても、Intel 版 Mac への対応は容易に行えるようになっていますから、「ロゼッタ」の機能とあわせて、「既存のソフトウェア資産」および「新しく出るパッケージソフトウェア」については、心配する必要は少なそうです。
しかし、来年6月以降に出荷される Intel 版 Mac が今の Mac より高速なのかどうか?Classic がちゃんと動くかどうか?プリンタドライバなどはどうなるのか?など、いろいろ不明点があるのも事実なので、安定動作する高速な Mac が必要ならば、いまのうちに買っておいたほうがよいかもしれません。
(今後、スピードアップした PowerPC 版 Mac はいくつか出荷されるようです。それに、まだ1年もありますしね)
どちらにしても、非常に大きな変更になりますので、いくら2年かけて移行するといっても、ソフトウェアの対応や、Mac 本体のトラブルが収束するのは、2年よりもう少し時間がかかるのではないでしょうか?
(2005年6月8日 木下幹司
)
関連リンク:
- ニュース関連 -
アップル
アップル - ニュースリリース
WWDC 2005
Apple WWDC 2005 Keynote Address
(基調講演の映像が見られます)
- ロゼッタに関連すると思われる「QuickTransit」のニュース記事 -
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