温泉/関東の温泉

箱根温泉の白濁湯、秘湯、谷底の宿(2ページ目)

箱根の仙石原にある白濁の湯の「ウェルテル俵石」。自噴の足元湧出天然岩風呂の姥子温泉「秀明館」。ロープーウェイで行く谷底の湯宿、堂ヶ島温泉「大和屋」のレポート、ほか木賀温泉の源泉施設

執筆者:郡司 勇

 2 姥子温泉 秀明館 


1. 足元湧出源泉の浴槽 2月休業なので3月になってから行ってください
2. 熱交換の施設が付いていた
3. 明礬泉系の単純温泉
4. 個室利用の日帰り温泉 3000円



姥子1宿は古いままペンキ塗りだけ施された
箱根では昔は7湯と言われていた。現在は17湯となっているが、江戸時代から入っていた7温泉は自噴していて現在でもある。しかし木賀温泉だけはあまりに急斜面で温泉として開発できなかったのか?現在は源泉のみと一軒だけの宿になっている。その7湯の中でも特に芦の湯と姥子温泉はプリミティブで温泉の個性が際立っており、都心に近い立地ながら立派な温泉情緒を持っている。

姥子2神聖な足元湧出源泉の前に熱交換された浴槽がある
箱根は火山性の温泉から湯本のような火山下に湧出する食塩泉などもあり、箱根火山が全域に渡って温泉を湧出させている。今でも早雲山温泉の斜面からは噴気が立ち昇り壮観である。箱根でも唯一の湯治宿を守り通してきた一軒宿の秀明館の経営が変り、改修された。これは一大事である。しかし以前の頑固女将に劣らない御主人になられて安心した。

姥子3源泉のほうは激熱であった
日帰り入浴は16時からの短時間でそれ以外は個室を利用してゆっくりと入浴する方針であった。あいにく安価な2300円の部屋は満員であったが3000円の部屋で入浴することができた。ここは雑誌、テレビも取材不可である。以前とおなじ方針を貫いている、譲り受けた天山の経営者にも敬意を表したい。男湯と女湯にそれぞれある源泉湧出の岩肌は神棚のように厳重に保護されており、今は源泉部分は、湯面で板で仕切られ入浴禁止である。湯量の少ない時には温度が熱くなり、さらに冬の乾期には枯れてしまう、また雨後は大湯量になり白糸の滝のように湧出する源泉である。自然のままである。

姥子4源泉浴槽のほうは入浴厳禁である
ここの温泉は明礬泉だと思っていたが分析表に拠ると明礬系の単純泉であった。今回は湯量が少なく底から湧出しているだけで熱い湯であった。熱交換して適温にして浴槽に注がれていた。しかしこの貴重な源泉は誰でも感動するのであろう、しめ縄が張られており、神聖な区域とされていた。温泉とはこのように原始的な湧出状況を見ると心理的に高揚するのであろうか、祭壇のような雰囲気であった。透明ながらわずかに酸味と明礬渋味があり、無臭の温泉であるがこの温泉は貴重である。水素イオンは酸性泉に満たない0.51mgであるがPHは3.3の酸性泉範囲に近い温泉である。いつまでもこのままで存在して、将来に残してほしい。



姥子温泉 秀明館 
神奈川県足柄下郡箱根町元箱根110-1
電話. 0460-4-0029
日帰り個室  2300円、3000円
15:00~ 日帰り入浴 1800円 
利用時間:  10:00~17:00  2月休業 
宿泊 なし 
  • 姥子温泉 秀明館 
  • 姥子温泉 秀明館 


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