文章:郡司 勇(All About「温泉レポート」旧ガイド)
足元湧出大内湯が圧巻の岩井屋
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| 大雪の岩井屋 |
木造3階の宿で瀟洒に造ってある。中に大空間の浴室があるとは驚き
今回の旅の目的は足元湧出源泉巡りであった。大御所である三朝温泉と岩井、湯原を含めて廻ろうと思ったが車のワイパーを早くしないと視界が悪くなるほどの豪雪で、湯原は時間切れで行けなかった。
国道は時速40キロ以下の流れになっている。日ごろバイクに乗る私にとってはストレスの溜まる行程となった。
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| 竹のすのこが浴槽底に見える |
目的の一つに岩井温泉の足元湧出源泉を持つ岩井屋があり、楽しみにしていた。
木造3階の宿で、造りは古いが内装は美しく、畳敷きの廊下や玄関の瀟洒な造りも美しい。木造3階の昭和11年築の母屋をこれほどまでに現代的にうまく使った旅館も数少ない。
華やかな美しい宿になっている。足元湧出の内湯は大きな浴槽で露天風呂やもう一つの浴槽はまったくの付属品で、この岩井屋はこの「長寿の湯」と命名された温泉が全てである。
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| これが足元湧出源泉の浴槽 |
半地下になった湯船は足元が竹ですのこ状になっており、その間より温泉が自噴している。
四方の縁から湯がゆっくりと溢れ素晴らしい光景であった。ややぬるいためか、上からも源泉を少量足して飲泉口とされている。飲泉すると透明、芒硝+石膏味、湯の香ありで清楚な個性をもったやさしい湯である。天井の高い大きな空間である。
空間はある程度の大きさが有ると風格が出る、この小さな宿にこのような大きな空間があったのかと思えた。ほとんどをこの長寿の湯が占めていると言ってもよいであろう。感動した温泉である。
三朝温泉 木屋旅館
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| 三朝の名宿、木屋旅館 |
日本の数多い温泉地の中で、源泉が浅いところから自噴している温泉地の代表はこの三朝温泉や指宿温泉などであろう。
このような恵まれた温泉なので、私が至上の温泉形態であるとしている「足元湧出源泉浴槽」のある宿がいくつかあり素晴らしい温泉地となっている。
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| この浴槽が足元湧出源泉の楽泉の湯 |
また三朝温泉は花崗岩の地層なので、放射能を多量に含有し、温度のある温泉では日本一の放射能泉ともなっている。
主成分は1000mgを少し越える重曹弱食塩泉であるが。ヒスイ湯(現存していない)での702マッヘなどの記録もあり放射能泉としての知名度が高い。木屋旅館は三朝温泉街のほぼ中央にあり地熱曲線をみるとこの木屋旅館や中屋旅館や橋津屋辺りが高く、地下1メートルで40度ほどを示している。故に水があれば温泉となって湧出するし、岩だけでも天然のオンドルとなる。
木屋旅館は玄関は2階建てのようにみえるが奥の棟は木造3階建ての宿である。三徳川に沿って建築されている瀟洒な宿で、サライ誌などでも紹介の名宿である。藍染めの宿として1階のロビーには藍染めの作品が置かれている。
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| 石の隙間から源泉が湧出する |
浴室は4箇所で男女別の河瀬の湯と河鹿の湯があるが、地下にある足元湧出源泉の楽泉の湯が圧巻である。
2階までの吹き抜けになった天井の高い空間で木枠の2連になった浴槽がある。足元は平たい石が並べてあり、その隙間から湯がどんどん湧出している。流れを感じるほどの湧出量でかなりの熱湯である。もう一つの浴室はこの源泉から流下されるように造られた、やはり地下の家族湯である。コンクリート造のシンプルな浴槽で別府の地元専用共同湯のようである。この2つが素晴らしい。
湯は1200mgほどの含重曹食塩泉で透明、無味、少湯の香と記録した。個性は少ない三朝の湯であるが、この奇跡的な湧出状況の温泉と凝った造りのこじんまりとした宿で、高い評価とした。
2つの足元湧出浴槽を持つ中屋
今週で改築のため長期休業に入る。ラッキーであった。
木屋旅館の斜め向いに有る宿で、湯巡りのパンフレットに一目でわかる足元湧出の浴槽が載っており、ここの風情を見て明日必ず行こうと思った。
さて老舗の中屋は古い造りの2階または3階建ての宿で、改修計画が進んでいる。今週から解体工事に入るとのこと。すでに昨晩の客が最後で、中の調度品も搬出が始まっていると聞いた。この古い建て家で最後の日に入浴できるとは、なんとラッキーなのであろう。
浴室は木屋と同じく地下にあり2つの棟にそれぞれあり、連続してのではなく、各1つづつ分かれてあるので、階段を昇り降りして2つの浴室に行った。
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| 中屋の足元湧出浴槽はすのこ敷き |
一つは岩風呂で足元は砂礫である。その中から適温の湯が湧出していた。
地熱が高いのであろう。隣の部屋は低温サウナのようなオンドル室になっていた。もう一つの棟に行くのにまた着衣して、階段と廊下を行ったがこちらはパンフレットの写真のものである。コンクリートのような切り石の四角い浴槽である。足元が木のすのこになっていて自噴しているものであった。こちらは熱い湯で残念ながら少々加水しないと入れない温度であった。
共同湯のような簡素な造りで温泉好きの琴線に触れるのはこちらであろう。透明、無味、無臭なので加水してもあまり湯の表情の変化は無い。こちらの棟も地下は地温が高く隣の部屋はオンドル室になっていた。床に毛布が敷いてあり、まるで後生掛温泉や大深温泉のオンドル室のようであった。山陰にこのような温泉風俗があったとは驚きである。今後はBアンドB形式の宿に改修すると聞いたがこの2つの貴重な浴槽や浴室はうまく残して欲しいと願った。
※この記事に書かれている情報は2004年3月時点のものです。ご利用の際には最新情報をご確認ください。
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