文章:郡司 勇(All About「温泉レポート」旧ガイド)
別府温泉道と九重3
別府温泉道と九重3はオンパク温泉アカデミーの講師2日目です。別府に170ヶ所もある共同湯のうちで時間の経過とともに美しく鄙びた温泉を廻ります。共同湯や温泉建築の鄙びは利き湯と違い一般の方々にもその良さが一瞬にしてわかり、やはり視覚のインパクトが一番分かりやすいと思った。最後に九重の筌の口温泉に行った。個性的な湯で炭酸を充分に含有しながら熱めの湯は存在感抜群である。共同湯は新築されてから初訪問。
10湯山温泉 湯山高原荘 白濁 東共同湯は透明、無味、無臭だが同じ湯
山の上の温熱地帯である湯山は噴気が凄い量で湧出しているが、湧水が貴重で温泉としては造成している。高原荘は県道からさらに山を登った高台にあり噴気の音が激しく聞こえる。全国でもこの湯山と明礬しかない三角の明礬採取小屋も貴重な景観である。このような噴気地形は熊本県の岳の湯温泉を彷彿とさせる。温泉は小さな共同湯風の湯小屋1つのみで左側に内湯1つと右側に露天風呂付きの内湯の2ヶ所のみで貸切りの入浴となる。白濁した単純硫黄泉で白濁、少酸味弱たまご味、硫黄泉多しと記録した。浴感は少ないが強く白濁した湯は写真では素晴らしく写った。この下の湯山西共同湯にも同じ湯を送っているが全くの透明で硫黄臭もほとんどなくなっているのが不思議な現象である。
保養ランドに長時間いたのと、夕食を頼んでいたので本日は10湯。18時で温泉巡りは終了、豊前屋連泊
朝湯は隣の地蔵泉に入浴
1明礬温泉 みんなの湯 幾度かのアタックにてやっとOK
明礬の豊前屋のとなりにある個人宅の温泉。不在のことが多く今回やっと入浴となった。入口に奉ってある地蔵尊に寸志を入れる仕組で以前は開放していたが最近は申し出て開けてもらうことにしているようだ。個人宅の温泉とはいえ広い内湯で中央に簡単な仕切りがある。湯は白濁した硫黄泉が少量足されている。大きな浴槽ではややヌル目である。外観は崩壊しそうなバラックで将来的には入浴できなくなってしまうと思われる。地蔵泉より豊前屋が硫黄泉に近づいているが、こちらはさらに近づき、酸味がなく完全な硫黄泉である。白濁、たまご味、硫黄臭というものであった。浴槽、泉質ともに大赤川の湯に似ているがこちらのほうが白濁が薄い。
2明礬温泉 湯元館 恵山、毒沢に続く純粋な明礬泉 明礬以外の成分は少ない
PH1.9 濃さは山田屋と鶴寿泉の中間
明礬温泉の東側の沢は酸性が強く山田屋旅館のPH 1.7 H 20.1 Al 203が最強であるが、山田屋隣の湯元館もPH1.9で純粋な酸性明礬泉となっている。H 14.2(48.8%)Al 66(25%) SO4 1215(80.4%) HSO4 583(19.1%)というものである。温度は76.6度という高温である。さすがに酸味が強く灰白濁、強酸味、弱い噴気臭ありと記録した。硫黄臭はなく分析表にもHS,H2Sともに記載されていない。浴室は小さなものであるが木枠の浴槽で雰囲気はある。ほかに露天風呂も設置されているが内湯の風情が良いので内湯に入浴した。水素イオンによる酸性以外の含有物は明礬で鉄は18mg(2.4%)で極めて純粋な明礬泉である。
今回温泉道はここの99ヶ所目で打ち止めとする。
この後、鉄輪温泉の富士屋旅館に行った。国指定文化財の宿で現在改修中であるが大きな瓦屋根の古い旅館であった。
3別府温泉 寿温泉 再々 本日不調、色匂いとも少なし
別府オンパクの2日目は別府の共同湯を廻り、別府の日本一たる所以を感じてもらおうと思った。全部で約170ヶ所ほどある共同湯はダントツの日本一の数で別府市民は温泉が完全に生活に溶け込んでいる。そういった意図で昔ながらの鄙びた、またはレトロな状態で現役として残っている共同湯を4ヶ所廻り、別府の底力を感じてもらおうという主旨である。まず大正時代の建築で竣工当時のまま市街地に残っている寿温泉である。当時は斬新な建築であったのであろう、アールデコ風の幾何学的な外観とアーチの高窓が雰囲気を醸し出している。湯も別府竹瓦や楠温泉などと同系の金気臭のある渋味の効いた温泉である。すぐ横に源泉があるのも良い。タイル貼りの小さな浴槽1つのシンプルなものであるが濃い目の重炭酸土類泉がゆるく掛け流しされている。以前は熱い湯であったが今回は適温で個性も少なめの気がした。しかし薄褐色、渋味、金気臭と記録した。