文章:郡司 勇(All About「温泉レポート」旧ガイド)
冬に群馬県の新施設を中心に廻りました。そのときのレポートです。一部埼玉県北部も2ヶ所ほどあります。
1月某日
1渋川温泉 スカイテルメ 総計9030
渋川市は有名な伊香保温泉のお膝元であるが17号線の利根川沿いに温泉が湧出した。カルシウムを含んだ等張性の食塩泉で総計9030mgという良好なものである。関東平野一般の化石海水型であろうか?66.5度で毎分549リットルも湧出し立派な実力である。土類食塩泉のために苦味が強く臭素臭もあるので硬質の感触を持っている。
Na 2721 Ca 686 Cl 5293 Br 22.1というもの。
薄褐色透明、塩苦味、臭素臭多し、と観察した。露天風呂が新鮮で弱く源泉を足している。内湯の桧風呂は掛け流しで溢れる量が多いが温度調節した後の湯であるのでやや新鮮味に欠けているのが残念。ここは建築が凄い。アルミパネルの宇宙船が空中に浮いていると形容される外観である。コンクリート打ち放しの基台の上に楕円形の船体がオーバーハングして載っている。そのため浴室からは榛名の山や平野が一望のもとに見渡され、景観が美しい。新しく掘削した北橘温泉や前橋温泉、荻窪会の山温泉とも同系の湯である。
2北橘温泉 ばんどうの湯 総計7560 露天風呂掛け流し
利根川の右岸の高台にある新築の日帰り温泉センターの湯である。木造の平屋で円弧状に建築されている。湯は土類食塩泉(NaCa-Cl)の64.2度で毎分1417リットルという豪快な湧出量である。総計は7560mgと渋川温泉よりもやや少ないが相似形の組成となっている。臭素臭が渋川より弱く清澄な湯となっている。内湯は半循環(オーバーフロー)で露天風呂は弱く加湯しつづける使い方となっている。透明微褐色、塩苦味、弱い臭素臭で個性的には少なくなっているが露天風呂の湯の新鮮さが良い。
3前橋温泉 クア・イ・テルメ 総計6450 半循環 臭素臭が強い
前橋市郊外の市街地に建つ外科医院の一部を利用した温泉。外観は病院風である。内湯のみであるのが幸いしたのか浴室内は臭素臭が多く発ちこめている。大きな浴槽が1つあるもので加湯しながら強力に循環されている。緑色透明、塩苦味、臭素臭多しである。Br—イオンの分析結果が分析表にないがBr2になって飛び去った後の分析と推測できる。この3ヶ所では一番の匂いの強さである。64.5度で総計は6450mg
4荻窪温泉 会の山会館 総計8770 掛け流し 匂いは少ないが
多量の掛け流しは評価
やはり温泉は仮設施設が良い。コンクリート扇型浴槽に仮設足場で使用する単管組みの屋根で壁は竹のよしず張りという簡素なもの。温泉はなにも加工していないし配管も最短で掛け流しになっている。49.5度の土類食塩(NaCa-Cl)泉で総計8770mg この温度が幸いして多量の掛け流しが可能になっている。毎分751リットル自噴という素晴らしい源泉である。新鮮このうえなく透明、塩苦味、臭素臭+金気臭。で匂いが強くなっているのは
新鮮な証拠である。自噴の面白さは湯量が不規則で多量に出たかと思うと止まりそうになったりし、間欠的なのがまた情緒があるものだと思う。前3個所と同系の温泉ながらCaカルシウムの割合が高いので苦味が強く伊豆山や大金温泉などに匹敵する土類食塩泉となっている。Na 2098 Ca 1188 Cl 5245 という組成。
5神川温泉 アカシアの湯 埼玉の最北部、神川町にあるセンター系の温泉施設。川の向こうは群馬県である26度の含食塩重曹泉で総計3053という重曹系にしてはなかなかの分析表になっている。省エネルギーであろう太陽光発電パネルが連立している。また分析表の書き込みが浴槽内分析と書いてあるので期待したが透明、無味、無臭(カルキ味)というもの。洞窟の露天風呂や多種の浴槽など凝った造りの温泉であるがカルキ臭で良さがなくなっている。源泉と書いてある浴槽はカルキ臭がしないのみで透明、無味、無臭なのが残念。3グラムの湯ならばもうすこし個性を感じると思うのだが。