文章:阿多 静香(All About「台湾」旧ガイド)
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公式サイト:www.natsukoi.net
今年の夏は、なんだか切ないような懐かしいような気持ちで過ごせるかも。こんな映画を見たら、映画の主人公と同じような年頃の「あのころの自分」をきっときっと振り返ってしまうだろう。今夏公開の、そんな台湾映画を紹介する。
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「藍色夏恋(原題:藍色大門 Blue Gate Crossing)」は、台北の女子高生モン・クーロウ、その親友リン・ユエチェン(女)、ユエチェンが恋している男子高校生チャン・シーハオが中心の映画。チャンへの恋心を伝える勇気のないリンは、ラブレターに親友のモンの名前を書き、それをモンがリンの代わりに彼に渡したことからチャンはモンに興味を持っていく。モンはリンに内緒でデートしたりして、彼女もだんだんと彼に興味を持つようになったかと見えるが、近づいたようでもモンはチャンとの距離をとっている。好きな女の子の心にも体にもになかなか触れられない。こんな状況に苛立つチャンを、ある夜モンは体育館に呼び出してお互いの秘密を打ち明けようと言い出す…
これまでの台湾映画では、大人になる前の男女の青春を描いた内容も多かった。たとえば侯孝賢監督の「風櫃の少年」「恋々風塵」、エドワード・ヤン監督の「{牛古}嶺街少年殺人事件」、蔡明亮監督の「青春神話」など。今回紹介する藍色夏恋は、易智言(イー・ツーイェン)監督の作品。1995年「寂寞芳心倶楽部」(日本未公開)で映画監督としてデビューした人。これまでの台湾青春映画について、「若者が自分自身を知り、未来の計画を立てる作品ばかりで、性を扱うことがほどんどない」と語り、「しかし性の問題は大切だと思う。その後の人生にずっと関わる問題なのだから」と続ける(藍色夏恋のパンフレットから引用)。この映画では心の変化だけでなく性を意識し始める部分を描いている。異性と手をつなぐこと、異性とキスすること、好きな人とキスすることって、などと考えるモン。彼女の鋭いながらもアンニュイな瞳が気になってしかたがない。体育館の隅の柱に自分の心を殴り書きするモン。親友でも知らないモンの姿がここにある。映画のラストシーンではチャンも同じ場所に「今の自分」を記す。図らずもモンやチャン、リンに感情移入してしまうのだ。BGMのピアノのメロディーが観る者をさらにノスタルジックな感情にしてくれる。
試写会に参加した私は、あ、あれは民生東路五段だ、とかそんな懐かしい場所を映画の背景に発見したり。自分の17才くらいを思い出しながら台北生活も思い出して、一人でいろんな意味の郷愁の域に入っていたのだ。この映画の配給会社・ムービーアイの田中さんも「上海支社の人間が心から気に入って買い付けた作品。この夏、日本のみなさんにも触れていただき、年代を超えて何かを感じてもらえる映画と思っています」と話してくれた。
そんな藍色夏恋は今夏7月下旬からシャンテシネ(東京・日比谷)で公開予定。追って、シネマフロンティア(札幌)では8/30~公開、シネモンド(金沢)と、他順次公開を予定している。
藍色夏恋(原題:藍色大門 Blue
Gate Crossing)2002年/84分/ビスタサイズ/ドルビー・デジタル/台湾・フランス合作映画/北京語
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