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この秋冬、注目のタータンチェック 後編

前編に引き続き、スコットランドの伝統的な柄、タータンについてご紹介します。タータン工場を見学しに出かけてみましょう。

執筆者:平良 淳




前編に引き続き、スコットランドの伝統的な柄、タータンについてご紹介します。

タータンはスコットランド氏族『Clan』の誇りと象徴

タータン
街で見かけたタータン
タータンには沢山の色鮮やかな美しい色が使われていますが、実はその柄には大きな意味があります。その昔、11世紀から19世紀のスコットランドのハイランド地方には沢山のクラン(直訳すると家族または子供)と呼ばれる氏族が存在していました。険しい山岳地帯の多いハイランド地方で、外部との接触の少ない人々が共通の先祖を持った者同士で集団を作っていました。

それらのクランは、17世紀の末から18世紀始めにかけて、キルトやその他の装身具に、各々のクランの象徴として独自のデザインのタータンを使うようになっていきました。そして、その事は他のクランとの区別を明確にし、同じ氏族である事に誇りを持ち、独自のデザインのタータンがそれを象徴するかのようにクランの人々によって身に付けられました。

現在では、当時のようなこだわりは少なくなり、その時々のファッションに応じたものや個人的な好みによりタータンの柄が選ばれる事のほうが多いのかもしれません。また、プライベートのクラブやグループによって毎年ゾクゾク新柄が誕生していると聞きます。

そんな状況の中でも、一部のスコットランド人の中には、今でも伝統を堅く守り、誇りを持って自分のクランのタータンを身につけている人もいます。宗教的なこと以外で、民族的なアイデンティティーを持つ人が少ない現代にあって、こういった人を街角で見かけると不思議と新鮮な感じがします。
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