どこの国でも、いい人ばかりじゃない
「NYでミュージシャン、っていうとすごそうに聞こえますが、実はそうとは限りません。超一流レベルから、先週ギターを始めた人まで、いろいろな人がものすごい数でいます。
一方、演奏機会もさまざまで、誰にでもチャンスがあります。自分次第。周りに惑わされず、自分のペースで音楽を育てていくのであれば、こんなにいい街はない。素晴らしいミュージシャンに触れる機会も多くて、常に勉強になります。
ただし、どこでもそうかもしれませんが、いい人ばかりとは限りません。こういうことをしてあげると言われつつ、いっこうに話が進まないこともよくあるし、逆に夢を追う人を利用しようとする人もいます。なので、基本的には、人に頼らない。いいお話も、自分にとって価値のあるものかどうか見極めることがとても大切だと思います」
ガイドから少し補足をすると、NYでは日本人だからといって信じきってはいけないと、よく言われる。日本から来たばかりの人や観光客に親切にして、お金をだましとるという悪い人も時にはいるので注意!
多恵子さんのパーフェクトな発音の秘密
多恵子さんは、ネーティブの人みたいに英語の発音がキレイなのですが、どうすればそうなれるのでしょうか?
「まず、よく聞くこと。自分で聞き分けられないとマネできないですから。たとえばノドの奥からつき出てくるような日本語にはない母音や、勢いのいい破裂音などを、ちゃんと聞き分ける。
そして自分なりにマネしてみる。ちゃんと発音するには頬の筋肉と舌と唇をとてもよく使うことに気づきます。ようするに、日本語よりよっぽどおおげさ。そのせいで日本人とアメリカ人の表情筋って違うんじゃないかな。
あと英語の発音って、ご存知かもしれませんが、日本語の発音と息の使い方がちがうんです。普段話す日本語にはあまり深い呼吸はいりませんが、英語をきちんと発音するには息をたくさん使います。シンガーは腹式呼吸がきちんとできているので英語の発音もいいんだと思います。」
日本にも大人の空間を
これからの抱負は?
「演奏機会を増やしていきたい。演奏旅行に出かけたりなどして、その場その場で何かを感じてもらえる演奏をしたい。そして、日本人であることも踏まえたうえで、国境のない音楽を発信していきたいです。日本には、いい大人がいい音楽を気軽に聴けるところがまだまだ少ないので、そうした場所をつくるのも抱負のひとつ。
たとえばNYにある
ZINCバー。NYでも最先端のミュージシャンが出演するのに、ミュージックチャージは5ドル!しかもバーテンダーやウェイトレスの女性がカッコいい。もしくは、美味しいものも食べられる上、いい音楽の聴ける、ハーレムにある
Mo-bayレストランみたいなところを日本で自分でプロデュースできるといいな。」
音楽への熱意がNYへの移住につながっている多恵子さん。NYだけでなく、世界で有名なシンガーとして活躍していけることを願っている。
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