文章:溝口 弘恵(All About「ニューヨークで暮らす」旧ガイド)
R&Bシンガーの深尾多恵子(Taeko)さん、のインタビュー
R&Bシンガー<前編>に続き、今回は彼女から、これからNYで暮らしたい!という人へのアドバイスや、英語のアクセントがパーフェクトな理由を語っていただいた。
自分を信じて情熱を持ち続ける!
まずは、親類縁者の反対をふりきってNYへやってきた多恵子さんへ、これからNYへ来る人たちにアドバイスなどありましたら。
「なにかひとつのことを少しでも形にするまでには、多かれ少なかれ年月がかかります。その間、自分を信じて情熱を持ち続ける。自分の中にある情熱の火を、自分で消すならともかく、決して周りからの水で消してしまわないよう。
特にそれまで割と順調だった人が急に方向転換して夢に向かって走り出したときなどは、周りは『なにを夢みたいなこと・・・』『親を悲しませないで』とか、とかく厳しいですよね。それは多くの場合、自分のためを思って言ってくれているのであって、感謝しなければいけないのだけれど、でも自分がどう生きたいか、とか、自分が一番得意とするものを一番知っているのは自分なんです。
常に自分の内側の声をよく聞いて、本当にやりたかったことを見失うことのないよう。周りの声に逆らって生きるのは大変ですし、それが自分の大切な人からの声であるほどしんどいものですが、いつか分かってもらえることを信じて自分の道を歩んでほしいです。応援してくれる人も、必ずどこかにいます。」
仕事が取れるまでは苦労の連続
どうやってシンガーとして売り込みを?
「CDとバイオグラフィーなどを持って営業にいきます。10軒行って1軒当ればいいか、ぐらいです。1日の仕事をとるために、数ヶ月かけて売り込みにいくのは当然なんですよ。最初のころは連敗でしたが、そのうち自分のプレゼンテーションの仕方や相手の要望がつかめるようになってきて、仕事が取れ始めました。
最近では、ある仕事を定期的に継続させたり、ブッキングを担当したりする機会も出てきました。経験を通じて、音楽そのものはもちろん、ビジネスとして大切な要素を日々学んでいます。」
アジア人であることも個性
日本人のシンガーってNYに多くないですか?
「街が安全になったこともあって、ジャンルや楽器の種類を問わず日本から音楽を勉強しにいらっしゃる方はたくさんおられます。ビザや、どうやって生活をつないでいくかとかで一番苦労されているようです。自分の情熱さえ続くかぎりNYで勝負する方もあれば、短期間で勉強して帰る方も。でも、ある程度期間がとれるに越したことはないと思います。
私は、数年前まで、日本人(アジア人)であることをネガティブに考えていました。でも、今はそれを個性のひとつとしてポジティブに捉えるようになりました。それに、NYのJAZZ界では実力さえあれば人種は関係ないどころか、実は親日派も少なくないんです。」