東京関連情報

更新日:2005年08月29日

やっぱり目黒に限る!2つのさんま祭

9月12日、19日。目黒駅の東口、西口それぞれでさんま食べ放題のイベントが開かれます。落語「目黒のさんま」の舞台は一体どちら?

文章:妹尾 みえ(All About「東京」旧ガイド)

9月の半ばに、目黒駅をはさんで2つの「さんま祭り」が開かれ、街はもうもうとした煙に包まれる。
しかも、 これが焼きさんまを無料配布する、気前のいいイベント!

もちろんお題は落語の「目黒のさんま」なわけだが、しかし、海のない目黒区でなぜさんま?!そしてなぜお祭りが2つ?!

イベントにでかける前に少々おつき合いいただきたい、東京ならではの落語にちなんだこんな街の物語。

<CONTENTS>
●さんまは目黒に限る?!落語の世界・・・
●ゆかりの?茶屋坂・・・
●出羽守は目黒区駅前を駆けた・・・
●2つのさんま祭り・・・


さんまは目黒に限る?!落語の世界

その前にまずは「目黒のさんま」のおさらいを。

ある日、殿様(モデルは松江の城主・松平出羽守といわれる)が急に野がけ(平たく言えば馬でのかけっこ)にでかけるといい、馬を目黒へ走らせた。

しかし急なことだったため、お昼になっても弁当の用意もない。
お腹をすかせたお殿様を前に、どうしたものかと家来たちは頭を悩ませていた。
と、そこに漂ってきたのが、それはそれは香ばしい香り。

さんま絵図
茶屋坂街かど公園にあるプレート。右上の吹き出しに注目を。見かけも情けないさんまを目の前に、お殿様の頭の中には、煙をもうもうとあげるあのさんまの事が…

近所の百姓に言って持ってこさせると、これが真っ黒に焼けた「さんま」だった。

魚といえばお毒味を重ねた、冷えた鯛しか知らなかったお殿様はびっくり。

恐る恐る口に入れてみると、脂ののった「さんま」の美味しいこと!

お城に帰った殿様の脳裏に浮かぶのは、あの目黒で食べた「さんま」の事ばかり。

そんなお殿様を心配して家来が河岸から調達したのが、“高級さんま”。しかし身体に悪いからと脂を落とし、蒸したものだったため、あの美味しさに到底およばない。

そこでフシギに思った殿様は家来に尋ねた。
「・・・これはどこのサンマじゃ」
「日本橋の河岸でございます」
それを聞いて殿様が一言。
「それはいかん。さんまは目黒に限る」

ゆかりの?茶屋坂 爺々茶屋

茶屋坂
現在の茶屋坂。今もかなりの急坂だ。茶屋坂というバス停があるが、そちらは新茶屋坂。本家はそれより住宅地に入ったところにある。
さんまの仕入先や話の筋はいろいろだが、オチは必ずこのキメ文句。

落語はもちろん史実ではないが、一般にゆかりの地として紹介されるのが、目黒区三田の「茶屋坂」である。

江戸時代、目黒、世田谷、品川といったエリア(つまり当時は郊外)は、将軍の鷹狩りが盛んだった。
当時つづら折の坂の上にあった、 冨士のよく見える茶屋には、そうした鷹狩り途中の将軍家光や吉宗が立ち寄り、休んだと言われている。広重が『江戸名所百景』に描いているほどの、江戸郊外の名所だったのである。

この見晴らしのよい茶屋は、将軍が店の彦四郎を気に入って「爺、爺」と呼んでたいそう可愛がったところから「爺々茶屋(じじがちゃや)」と呼ばれるようになったとか。十代将軍家治がお団子と田楽を食べたという記録もあり、こうした庶民とのふれあいが、やがて落語に結びついていったのだろう。

茶屋坂となり
茶屋坂のとなりの坂を上から見下ろす。傾斜は20%。さすがにマンションも増えてきたが、左手には趣のある塀が続き、恵比寿ガーデンプレイスのお膝元とは思えない静かな暮らしに出会う。
今も茶屋坂下の「茶屋坂街かど公園」(目黒区三田2-15-15)には、清水碑とサンマ物語のプレートが飾られており、江戸時代から水も豊かだったことがよくわかる。恵まれたわき水でいれたお茶は、さぞおいしかった事だろう。

またその水が、東京大空襲で街を助けたことも案内板には紹介されているので、歴史に興味のある方はご覧いただきたい。

これにちなんで開催されるのが、目黒区主催の「目黒SUN祭」。
しかし、落語の本当の舞台は茶屋坂ではないのでは?と疑問を投げかける人たちもいる。それが2つのさんま祭りにつながるのだが…。

出羽守が駆けたのは何処・・・?さんま祭りの詳細は次で!

(執筆者:妹尾 みえ)

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この記事の担当ガイド

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藤丸 由華

東京のラジオ局のアナウンサーとして12年、東京にこだわった取材を敢行。ニューオープンのスポットはもち…

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