年をとっても男女が求愛し続けるには?

個人差があるので一概には言えませんが、男性は往々にして「SEXすることでパートナーとの関係を深めようとする」のに対し、女性は「コミュニケーションを深めた上でのSEXをしたい」と考えます。「挿入ではなく、ハグされただけで満たされる」という人もいます。

豊かな性生活を過ごすためには、こうした男女の感覚の違いを理解することが大切。それが常に新鮮さを保つ秘訣です。年をとっても、若いときに負けないくらいの情熱で求愛し続けるためにはどうすればよいのでしょうか。

人間に特有の「求愛の12段階」 

英国の動物行動学者、デズモンド・モリスは「あらゆる動物の求愛パターンには典型的なプロセスがある」として、動物の一種である人間が親密度を増していく過程を12段階に分けて示しています。

極めて単純化すると、人間の求愛行動は（１）目から体に始まり、（２）目から目（３）声から声（４）手から手（５）腕から肩（６）腕から腰（７）口から口（８）手から頭（９）手から体（10）口から胸（11）手から性器（12）性器から性器――という経過を辿ります。

ご自身の経験から思い当たるフシはありませんか？もちろん、各段階は前後が入れ替わったり、同時に起こったりします。また、さまざまなバリエーションも考えられます。

大切なことは、各段階の行動がいずれも男女間のコミュニケーション手段であるということです。若いカップルであれ、長年連れ添った夫婦であれ、さりげなく交わす視線や言葉のやり取り、スキンシップなどは二人を最終段階に誘（いざな）うのに不可欠な要素です。

ED治療のカギ握るパートナー 

最終段階とは二人で築く豊かな性生活です。また、男性がさまざまな理由でED（勃起障害・勃起不全）を疑われる場合には「二人で乗り切る」という心がけを持つと改善が促されるようです。

ED治療を男性だけのものと捉えるのではなく、二人で一緒に治すという姿勢が男性の気持ちを前向きにし、治療効果を高めるのです。EDの男性がSEXの満足を取り戻すために治療薬は大変に有効ですが、その効果を高めるにはパートナーの深い理解と愛情に満ちた協力が欠かせません。

実際、ED治療の再診時にパートナーの同席を勧めるクリニックもあります。パートナーの何気ない一言がきっかけでEDに陥る男性がいる半面、ED治療を成功させるカギを握っているのもパートナーだからです。

SEXに集中しにくい住宅事情など、生活環境面で性的な興奮を抑えるような要因があれば、それらを取り除く工夫も必要です。

女性にできる工夫や心がけ 

ED治療を二人で克服する際に女性が働きかけると有効な工夫や心がけをいくつか紹介しましょう。

まずは、ゆとりの時間を作ることです。忙しくてSEXに十分な時間を割けないという状況では、その気にもなりにくいもの。他のことを後回しにしてでも二人の時間を作ってみることが大切です。

その上で、たっぷりとスキンシップを楽しみます。男性が挿入を義務や負担に感じることでストレスを高めていることがあるからです。挿入にこだわらない、入念な愛撫やハグ、会話などは思いのほか愛を高めます。

体位の工夫も一法です。勃起力の弱い男性には体を横たえて女性の背中側から行う背側位がベターです。家ではどうしても落ち着いてSEXできない場合、旅行に出かけたり、ホテルを利用したりするなど、思い切って環境を変えてみるのも新鮮な刺激になるはずです。

適度な間隔で楽しむことが大切 

「子供の母親にしか見えなくなる」「化粧やおしゃれをしなくなる」「体型が変わる」といった変化で、妻が性的な対象として考えられなくなったと訴える男性は少なくありません。

「今日は疲れているから」「忙しいから」などの理由でSEXを拒まれることが続いた末に男性の気持ちが萎えることがあります。また、変化のない「相手まかせ」の単調なSEXの繰り返しでは男性の脳が刺激を感じにくくなり、うまくいかないこともあります。

血管や神経に障害がなくても、性的興奮が高まらなければ勃起も起きにくくなります。さしたる理由がなくても、SEXの間隔があきすぎると、たとえその気になっても、ちぐはぐな感じになってしまうことも多いようです。

最も根源的で分かりやすいコミュニケーション手段としてのSEXを楽しむには、適度なペースを保つように心がけることも大切です。

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