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庭に木を植えるメリット4つ! なぜ庭に木が必要?

庭に木を植えるメリットとは? あなたの庭には、木がありますか? 「ネコの額ほどしかない庭だから……」と、木を植えないでいるとしたら、もったいない! 今回は、なぜ庭に木が必要なのか、そのメリットについてご紹介いたします。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

<目次>

庭に木を植えるメリットとは……「木」ってどんな植物?

庭に木を植えるメリット4つ! なぜ庭に木が必要?

草より大きく、堅く、長生きする木

『草木も眠る……』とか『草木がなびく』など、しばしば慣用句として登場する「草木」という言葉、でも草と木の違いってなんでしょう?
植物学では、「草本(そうほん)」、「木本(もくほん)」と大別されてはいますが、実際のところその境界は未だあいまいなのです。
なので、ここでは一般的に根・茎(枝)・葉を持ち、地上茎が堅くなり(木質化)、多年に渡って生育し続ける植物、ということで捉えておきましょう。

この「木」という植物も、さらにその形態から「低木」と「大木」に、また「常緑樹」と「落葉樹」にと大別されていきます。もっと詳しく見ていくと、葉の状態から常緑樹も「針葉常緑樹」と「広葉常緑樹」に、そして落葉樹も「針葉落葉樹」と「広葉落葉樹」とに分類されていきます。

さて、この「木」を庭に植えることで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。庭に植えるのが草花だけでは、いけないのでしょうか?次項から詳しくお話しましょう。
 

木の役割

木々のもたらす豊かさは、はかりしれない

木々のもたらす豊かさは、はかりしれない

「木は二酸化炭素を吸って酸素を出してくれるので、大切にしなければ……」という話を聞いたことがある方、多いのではないでしょうか。でも、夜はその逆に「木も酸素を吸って二酸化炭素をだしている」という事実は、あまり取りあげられてはいないようです。(昼夜が逆の植物もあります。)
二酸化炭素と酸素の吸収・排出量は個々の植物で異なりますし、それについては専門の研究者にお任せするとして、それ以外にはどんな役割が木にあるのでしょう。

例えば、山に木が無かったら大雨が降るたびに土砂崩れがおきます。これは、しっかりと土中に張った木の根が土留めの役割をしているからです。同時にその根は雨水を蓄える、天然の貯水タンクにもなります。吸収した水分は木によって「ろ過」され、蒸散して再び雨雲を作ります。木によって「水」が循環しているんですね。 また、植物による温暖化防止の効果については、既にご承知の通りでしょう。
 

庭に木を植えるメリット

前頁では木という植物についてとその役割についてお話しましたが、ここでは家の庭に木を植えるメリットをお話しましょう。
「ウチの庭は狭いから、木はいらないわ」と思っていらっしゃる方、それは実にもったいないことですよ!木には、草花には無い良さがあるのですから。

【メリットその1.】庭に広がりが生まれる
花壇
草花でも高さは出せるが、コニファーを使うとメンテナンスも楽

例えば花壇を設けるのに玄関前の小さなスペースしか取れないといった場合、なんとなく季節の一年草を植えておしまいにしてはいないでしょうか。こういう花壇は、ちょっと離れて見てみるとノッペラボウで物足りない感じがします。
ここに一本、場所を取らないスリムな針葉樹を加えてみると、目線に「高さ」がプラスされます。60センチ角の花壇なら、はじめは60×60だったのが、それに針葉樹の高さ分の空間がプラスされるのです。
この場合、地植えでなく鉢植えでも効果は同じなので、ぜひお試しください。
狭い庭こそ、木を一本入れて「高さ」という空間を生み出しましょう。
 

【メリットその2.】ローメンテナンスで季節を楽しめる
ハナモモ
当サイトの常連、我家のハナモモは毎年たくさんの花をつけてくれる

一口に木といっても、実にたくさんの種類があります。庭木として取り入れられるものに限ってみても、大変な数です。その中には、美しい花を咲かせる花木や、実りを楽しむことができる果樹、あるいは紅葉が美しい木など、魅力的なものがたくさんあります。

例えば庭を季節の草花だけで彩ろうとすると、毎日の花がら摘みやら伸びた茎の切り戻し、そして植え替えと結構手間がかかるものです。その点、季節が巡ってくるたびに花を咲かせたり紅葉する木というのは、草花に比べてローメンテナンスといえます。 (もちろん、それなりのメンテは必要ですが……。)
冬は常緑樹の緑を、春・夏は花木を、そして秋には実りと紅葉をと、樹種を選ぶことによって一年中庭を楽しむことができるでしょう。
 

【メリットその3.】家族とともに歴史を刻む
エゴノキ
うつむいて咲く花が可愛い、エゴノキ

昔は、『女の子が産まれたら庭に桐の木を植えて、その子が大きくなって嫁ぐ際にその桐で箪笥を拵えて持たせる』といった風習がありました。生長の早い桐は、現代の住宅事情にはそぐわなくなってしまったのが残念です。
でも、同じように家族とともに時を刻む木、「シンボルツリー」を植えることは可能です。これは寿命の長い「木」ならではですよね。
シンボルツリーとして何を植えるかは、特に決まりはありません。大好きな花が咲く木、思い出のある木、実りのある木、家族でじっくり話し合って決めるところからがスタートです。
 

【メリットその4.】我が家の温暖化防止に
炎天下ではウッドデッキの床も意外と高温になるので注意したい

炎天下ではウッドデッキの床も意外と高温になるので注意したい

家の庭に木を一本植えたからといって、即座に地球温暖化がストップするわけではないかもしれませんが、「ちりも積もれば山となる」です。2020年の国勢調査によると日本の世帯数はおよそ5570万世帯、単身世帯も多いのでしょうがそれでも一世帯に一本として、すごい数の木が植えられる計算になりますよね。

グローバルなことからもうちょっと足元の方に視点を戻しますと、例えば落葉広葉樹を庭に植えたとすると、夏の日差しを和らげる木陰を生み出してくれます。冬には葉が落ちるので日光を妨げることはありません。

同様に日差しを照り返すコンクリートブロックの塀を、木に変えてみてはどうでしょう。ここでも輻射熱が弱められるので、周囲の植物にも好影響をもたらします。
またコンクリート面だけでなく、真夏はウッドデッキの床面も結構熱くなります。普通にパラソルやターフで日よけしても良いのですが、これからデッキを設置する予定なら、木陰を作れるような木を取り入れたデザインもお勧めですよ。

いかがでしたか?何だか木を植えたくなってきた……、という方が増えてくれたら嬉しいです。
繊細な葉を持つ木、ダイナミックな姿を見せる木、もっと身近に木を感じるためにも、お庭に一本、木を植えてみてください。
 
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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