通夜・葬式の弔問マナー/通夜・葬式の弔問マナー

お通夜と告別式どちらに出席する?親族以外のお葬式の参列・香典

お通夜と告別式、どちらに出るべきか、どちらも出るべきか。故人とのお付き合いの深さにもよりますが、参列への考え方を地域別に調べてみました。香典を通夜と葬式どちらで渡すか、どちらにも参列できないときの香典の扱いについても併せて解説します。

中山 みゆき

執筆者:中山 みゆき

冠婚葬祭ガイド

「通夜は故人と関係の深い人が参列する」という常識は変化しつつある

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以前は夜通しで故人を偲んだものですが、今は亡くなった当日の夜、または翌日の夜の18時~19時から始まり、1~2時間で終わる半通夜が一般的になっています

通夜は遺族や近親者、親しい友人など故人と深い関わりを持つ人が集まって別れを惜しむもの。しかし最近では一般客の参列も増え、告別式に参列できない時などは、通夜に弔問されるようになってきています。

全日本冠婚葬祭互助協会の「香典に関するアンケート(令和3年度)」を参考に、傾向を解説します。
 
<目次>

お通夜と葬儀のどちらに出席する? 故人との関係による場合も

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(社)全日本冠婚葬祭互助協会 「香典に関するアンケート(平成28年度)」より

アンケートの結果を見ると、四国以外は「告別式に出席する人」より「通夜に出席する人」の割合が多いようです。住む地域により傾向は変わってきます。

パーセンテージで表してみますと……

■北海道
  • 通夜に出席:52.6%
  • 両方出席:95.9%
  • 告別式に出席:4.1%
■東北
  • 通夜に出席:34.5%
  • 両方に出席:65.5%
  • 告別式に出席:30.6%
お隣同士でも、こんなにも地域性が顕著に表れているようです。

また出席者と亡くなった方の関係別を調べると、親戚関係では、どの地域でも両方に出席する割合は高くなっています。職場関係や勤務先社員の家族については、東北、四国、中国以外は通夜に出席する割合が高い結果となっています。

日中行われる告別式に出席することは、仕事を抱える方にとって、時間の都合をつけなければいけません。そうなると亡くなった方と自分との関係によって、どちらに出席するか決まってきます。

本来は通夜への参列は、親しい人に限られ、それほど親しくない場合は、告別式に参列するものでした。最近では、告別式か通夜かどちらかに出席すれば礼を尽くしたと考えるようになってきています。

■関連記事
お通夜に参列する際のマナー
 

香典は通告と別式のどちらで渡す?

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(社)全日本冠婚葬祭互助協会 「香典に関するアンケート(平成28年度)」より

通夜と告別式、両方に出席する場合では、通夜に香典を持参(5418件)と告別式に持参(2007件)の割合が73:27。通夜に香典を持参する傾向が強くなっています。

地域ごとに比較してみると、特に東京や近畿など大都市では、通夜に持参する割合が多く、反対に東北、四国など地方都市ではむしろ告別式に持参する割合が高くなっています。

地域社会のつながりが強い地方都市では、故人との最後のお別れである告別式を大切にする考えが伺えます。しかし北海道においては、通夜に持参する割合の方が高くなっています。住む地域における風習の違いからでしょうか。

最近ではお通夜に出席したら、告別式には出席しない場合もあり、その逆の場合もまた両方の場合もありますが、どちらで渡してもOKです。

お通夜に香典を供えたが、金額が少ないようなのでもう一度告別式で供えることは、間違ってもしてはいけません。不幸が度重なるという意味で避けるべきです。
 

通夜と告別式、どちらも出席できなかったときは「香典は郵送」がマナー

後日改めて弔問する時に持参しますが、遠方で出席できない場合は、香典を郵送するとよいでしょう。

■注意事項
  • 現金をそのまま封筒に入れて送らない。必ず不祝儀袋に入れるように。
  • 持参する場合と同じように表書き、中袋の住所、氏名、金額など書くのを忘れないように。
  • 現金書留の封筒に住所が書かれているからといって香典袋に書かないのはNG。あとで、家族の方が整理する時に困ります。
■表書き
相手の宗教がわかっている場合はそれに従いますが、わからない場合、蓮の柄(仏式のみ)などが入っていない無地の不祝儀袋。表書きは「御霊前」。仏式、神式、キリスト式いずれの葬儀にも用いられる表書きなので覚えておきましょう。浄土真宗の場合は「御仏前」とします。

ちなみによく間違えるのが「御仏前」。仏式の四十九日以降の法事で使用しますので、葬儀では用いません(浄土真宗の場合は「御仏前」とします)。間違えないように。

仏式でのその他の表書きは「御香料」「御香典」「御香奠(ごこうでん)」などがあります。
 
  • 不祝儀袋の選び方については:こちら
  • 香典を持参する時期については:こちら

■参考
一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会
香典に関するアンケート調査(令和3年度)
 

お通夜と告別式に関してよくある質問

Q. 告別式への参列はどこまでの関係者ですか?

A. 一般的に三親等までの親族が参加するとされています。故人や親族との生前関係が疎遠、希薄である場合は参列しなかったり、あるいは三親等でなくても、関係を超えて非常に深いつながりがあるケースや親族から参列を呼び掛けられたりなど、故人との関係によっても左右されます。

※親等の数え方
一親等:父母、子
二親等:祖父母、孫、兄弟姉妹
三親等:曾祖父母、曾孫、伯叔父母、甥姪

Q. 通夜と告別式の両方に出るのは普通ですか?

A. 個人との関係値が大きかった人は、お通夜と告別式の両方に参列するのが一般的。家族や親族はもちろん、また特に親しかった友人などはお通夜と告別式の両方に参列するようにしましょう。しかし、日中行われる告別式に出席することは、仕事を抱える方にとって、時間の都合をつけなければいけません。そうなると亡くなった方と自分との関係によって、どちらに出席するか決まってきます。

本来は通夜への参列は、親しい人に限られ、それほど親しくない場合は、告別式に参列するものでした。最近では、告別式か通夜かどちらかに出席すれば礼を尽くしたと考えるようになってきています。ただしお仕事や諸事情により参加が難しい場合は、お悔やみのお気持ちだけを送って参列しない場合もあります。

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