爬虫類・両生類/両生類・爬虫類の飼い方

Part2 脱走防止

両爬たちを最後まで大切に飼育し続けるためのシリーズ「ザ・脱走」の第二弾です。脱走させないための準備や心構えをなるべく具体的に考えてみましょう!

執筆者:星野 一三雄

全国の両爬ファンの皆さん、コンニチハ!

前回に引き続き「脱走」に対して考えてみましょう。
今回は、いよいよ「脱走の防止」について考えてみます。

なお、このシリーズ「ザ・脱走」は、もうすっかりネット上でおなじみの優良両爬サイト「S'hei's Homepage」から、かなりの量の情報を参考に書いております。

失敗は成功の母

こと両爬の脱走に関して「失敗」は許されません。しかし起こってしまった失敗は無駄にするのではなく、次の失敗を防止するのに有用な情報になります。また、何をするのにも「想像力」は重要で、両爬飼育にも必要不可欠であります。ですから飼育にあたっては想像力をフルに働かせて、脱走を防止する方法を常に考えたいものです。
ここでは「過去の失敗」と「想像される事案」から、具体的な脱走防止策を考えてみましょう。

前回の事案1・ヤマカガシ編より
すでにヘビを飼育されている方にはわかりきったことですが、ヘビは信じられないほどの小さな隙間や穴などを通ることができます。コーンスネークの幼蛇ならばプラケのフタと本体の隙間でも油断できません。私は屋外でのフィールディングで2mm程度の隙間から、捕まえたシマヘビの幼蛇に逃げられた経験があります。
ですから脱走の防止のためには
<教訓1>・目の大きい金網は使わない
<教訓2>・隙間がある容器は使わない


ヘビと同じくらい脱走に気を遣わなくてはいけないのが壁チョロ系ヤモリです。
特に、こいつらの孵化幼体はスゴイです。あり得ない隙間から逃げ出します。これも捕獲できましたが、オンナダケヤモリの幼体に脱走されたことがあります。この時はプラケのフタの取っ手を取り付ける突起にある隙間とか下手をしたらプラケのフタのメッシュを通り抜けました。ですからプラケのフタに以下のような工夫をすることをおすすめします。
<教訓3>・メッシュ以外の穴にはティッシュを詰めたり、内側からガムテープで塞ぐ
<教訓4>・メッシュ自体が不安ならばプラケ本体とフタの間に目の細かい網を噛ませる


前回の事案2・サキシママダラ編より
「衣装ケース改」の飼育ケースは自作できますので、作る前から脱走防止の工夫を施します。
しかし汚い...
自作の”衣装ケース改”

フタに金網を取り付ける場合は、以下の写真のように木枠とネジを使ってしっかりと隙間がないようにします。
これまた汚い...
衣装ケースのフタに木とネジで金網を取り付けた様子

また、そもそも衣装ケース自体がヘビ飼育を想定していませんので、フタと本体は隙間だらけです。若干フタの開け閉めに支障をきたす場合がありますが、「隙間テープ」をつけて隙間をなくしましょう。またパイソン系のように力が強いヘビの場合はフタを開けられないように重しを乗せることも必要です。
<教訓5>・金網は木枠とネジで取り付ける
<教訓6>・フタと本体の隙間には「隙間テープ」
<教訓7>・フタの上に重しを乗せる

やっぱり汚い...
隙間テープですき間を埋める


前回の事案3・アカマタ編より
プラケのフタを内側から押し開けてしまうようなヘビはそれほど多くはいないと思いますが、注意は必要です。有効な対策はヒモで本体と一緒に縛ってしまうことですが、これではメンテナンスのたびにいちいちヒモを結んだり、ほどいたりしなくてはいけません。そこでおすすめは「マジックテープ式」のものを使うことです。マジックテープならば取り外しが楽チンです。
また、フラットプラケは重ねて使っている方も多いでしょうから、力が強そうなヘビの入っているプラケは一番下にするとよいでしょう。
もちろんプラケのフタは窓も含めてしっかりと閉めなくてはいけません。だいたい、どんなプラケでもしっかりと閉められた場合は「カチリ」と音がします。その音を聞こえるようにすることを習慣づけましょう。
<教訓8>・マジックテープを利用してフタを固定する
<教訓9>・力が強そうなヘビのプラケは一番下に置く
<教訓10>・プラケのフタや窓は「カチリ」と音がするまで
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